パソコンの起動時に「Delayed launcher」というプログラムを目にして、その役割や無効化しても問題ないのか疑問に感じたことはありませんか。
実際に、Delayed launcherを無効化することでパソコンの起動時間やセキュリティ機能への影響があるのか気になる方も多いでしょう。
この記事では、Delayed launcherの主な動作内容や無効化によるメリット・デメリット、さらには最適な運用方法まで分かりやすく解説します。
無効化を検討すべきケースや注意点も丁寧に紹介しますので、後悔のない判断ができるようになります。
Delayed launcherについて正しい知識を身につけたい方は、ぜひ続きをご覧ください。
Delayed launcherの無効化による影響と判断基準

パソコンの起動時に「Delayed launcher」というプログラムが動作していることがあります。
この機能はIntel製のソフトウェアに含まれており、無効化するかどうか迷う方も多いです。
ここでは、Delayed launcherの動作内容や無効化による影響、判断基準についてポイントごとにまとめました。
Delayed launcherの主な動作内容
Delayed launcherは、Intel Rapid Storage Technology(IRST)の一部として動作しています。
パソコン起動時にOSの立ち上げを少し遅らせることで、セキュリティソフトなど他のプログラムの起動完了を待ち、システムファイルへの不正なアクセスを防ぐ役割があります。
この機能は「IAStorIconLaunch.exe」としてタスクマネージャーに表示されることが多いです。
主にRAID構成やインテルのストレージ関連機能を利用している場合に必要となります。
無効化によるパソコンの起動スピード変化
Delayed launcherを無効化することで、パソコンの起動スピードが向上する場合があります。
この機能が有効になっていると、数秒から十数秒程度OSの起動が遅れることがあります。
ただし、環境やストレージの構成によって違いがあります。
- SSD搭載機などもともと起動が速い場合は体感しづらいこともあります
- HDDの場合は無効化の効果を実感しやすいケースもあります
- 他に多くのスタートアッププログラムがあると差がわかりにくいです
セキュリティ機能への影響
Delayed launcherにはセキュリティ上の役割もあります。
起動直後に悪意あるソフトがシステムファイルにアクセスするリスクを下げるため、OSの起動を一時的に遅らせています。
これにより、セキュリティソフトの防御機能がしっかり働きやすくなるメリットがあります。
無効化するとわずかながら立ち上がり時のセキュリティレベルが下がる可能性がありますので注意が必要です。
状態 | セキュリティへの影響 |
---|---|
有効 | 起動時の防御を強化できる |
無効 | 一部の攻撃リスクがやや増加する |
データ復元機能の影響
Delayed launcherは、Intel Rapid Storage Technologyと連携する場合にデータ復元やディスク復旧のサポート機能も持っています。
無効化することで、これらの復元機能やRAID管理ソフトが正しく動作しないリスクがわずかに高まります。
通常の単体ドライブ利用では大きな影響は少ないですが、RAID環境やIRST機能を重視している場合は無効化しない方が安心です。
無効化を検討すべきケース
Delayed launcherの無効化を検討すべきなのは、以下のようなケースです。
- パソコンの起動時間を1秒でも短くしたい方
- Intel Rapid Storage TechnologyやRAID機能を利用していない場合
- ほかのセキュリティソフトで十分な対策ができていると判断できる場合
- システム全体のカスタマイズを進めている中級者以上のユーザー
逆に、データ保護やRAIDを利用している場合、無効化しないことをおすすめします。
無効化によるメリット
Delayed launcherを無効化することで得られる主なメリットは以下の通りです。
- パソコンの起動速度が速くなる
- スタートアップ項目が減る分、システムリソースが軽くなる
- 不要なプロセスが動作しなくなり、管理がシンプルになる
特に、日常的にパソコンの起動時間を気にする方にはおすすめできる選択です。
無効化によるデメリット
一方で、無効化によるデメリットも存在します。
- セキュリティソフトの立ち上がり前に攻撃を受けるリスクがわずかに高まる
- Intel Rapid Storage TechnologyやRAID機能の一部が正しく動作しない場合がある
- データのバックアップや復元機能に影響することがある
パソコン本来のセキュリティやストレージの信頼性を重視する場合は、そのまま有効にしておくのが安心です。
Delayed launcherを無効化する具体的な手順

Delayed launcherは、Intel製のRapid Storage Technologyに関連するスタートアッププログラムで、パソコンの起動時に一時的にセキュリティの負担を軽減する役割を持っています。
しかし、不要と感じる場合や起動の高速化を図りたい場合には、無効化する方法を知っておくと安心です。
ここでは、複数の方法を使ってDelayed launcherを無効化する手順を紹介します。
タスクマネージャーによる無効化
タスクマネージャーを利用すれば、初心者でも簡単にDelayed launcherの自動起動を停止できます。
- タスクバー上で右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。
- タスクマネージャーが開いたら、「スタートアップ」タブをクリックします。
- リストから「Delayed launcher」または「IAStorIconLaunch」を探して選択します。
- 下部の「無効にする」ボタンをクリックします。
- 設定後、PCを再起動することをおすすめします。
この方法はもっとも手軽で、間違えてもすぐに再度有効化できる点もメリットです。
msconfigを利用した無効化
msconfig(システム構成ユーティリティ)を使うことで、スタートアッププログラムの管理が可能です。
まず、Windowsキーと「R」キーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
「msconfig」と入力してエンターを押します。
システム構成ウィンドウが表示されたら、「スタートアップ」タブをクリックします。
同じくリストから「Delayed launcher」を探し、チェックを外します。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | msconfigを起動 |
2 | 「スタートアップ」タブを選択 |
3 | Delayed launcherのチェックを外す |
4 | 「OK」で設定を保存し、再起動 |
この方法は従来のWindows 7や8のユーザーにも有効な手順です。
コマンドプロンプトでの設定変更
より直接的な制御を行いたい場合は、コマンドプロンプト(管理者)を利用する方法があります。
まず、「スタート」ボタンを右クリックし「Windowsターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。
以下のコマンドを入力してください。
- Delayed launcherがどこにあるか確認する場合は、
wmic startup get caption,command
を使います。 - 無効化したい場合は、
shell:startup
を使い、「Delayed launcher」へのショートカットを削除します。
この方法は上級者向けですが、スタートアップ設定を手動で細かく管理したいときに便利です。
操作前にバックアップを取っておくと、万が一の時も安心です。
Delayed launcherが関係する代表的なスタートアッププログラム

パソコンの起動プロセスを確認すると、「Delayed launcher」というスタートアッププログラムを見かけることがあります。
このプログラムはシステムの安全性やパフォーマンスに影響を及ぼすこともあるため、仕組みや実際に関係しているプログラムを知っておくと安心です。
Intel Rapid Storage Technologyとの関係
Delayed launcherはIntel Rapid Storage Technology(IRST)に含まれる「IAStorIconLaunch.exe」というプログラムが担当しています。
この機能はWindowsの起動時に自動的に実行され、ストレージデバイスの管理とセキュリティ向上を目的としています。
具体的には、スタートアップ時に自身や他の重要なプロセスの開始を意図的に遅延させ、マルウェアなど悪意のあるプログラムの不正なアクセスを防ぐための役割があります。
Intel Rapid Storage Technologyとの関係を整理すると以下のようになります。
要素 | 内容 |
---|---|
提供元 | Intel |
役割 | ストレージ管理・高速化 |
Delayed launcherの目的 | セキュリティ強化・起動プロセス管理 |
ウイルスやマルウェアとの関連性
Delayed launcherはIntelが公式に提供している正規プログラムですが、まれに悪意あるソフトが名前を偽装して侵入するケースも過去に報告されています。
通常版であればウイルスやマルウェアと直接関係することはありませんが、次のような場合は注意が必要です。
- タスクマネージャーで場所や提供元が不明な場合
- 急に動作が重くなる、エラーメッセージが表示される
- セキュリティソフトが警告を出している場合
こういった場合は、ウイルス対策ソフトでスキャンを行うと安心です。
また、信頼できる公式サイトからのドライバーやツールだけを利用するよう心がけましょう。
不要と判断されるスタートアッププログラム例
Delayed launcherのように自動で起動するプログラムには、実は不要なものも多く含まれています。
ディスクやメモリの負担を減らし、パソコンの起動を早くしたい場合は、以下のようなスタートアッププログラムを見直すのがおすすめです。
- 不要なクラウドストレージ(例:過去に使っていたDrive系アプリ)
- 長期間使っていないプリンタやスキャナの補助ソフト
- 複数インストールしているセキュリティソフトやユーティリティ
- メーカー独自のアップデートチェック用ソフト
これらのプログラムは、設定画面で無効化や削除が可能です。
ただし、Delayed launcherなど本当に必要なものは残しておくことが大切です。
Delayed launcherを無効化する際の注意点

Delayed launcherを無効化する際には、いくつかの大切なポイントに注意する必要があります。
設定を変更することでパソコンの起動速度は向上することがありますが、セキュリティ上のリスクや予期しない動作に繋がる場合もあります。
以下の点を確認し、慎重に対応しましょう。
設定変更の事前バックアップ
Delayed launcherを無効化する前には、必ず現在の設定のバックアップを取っておくことが大切です。
これにより、万が一何か問題が発生した場合でも、すぐ元の状態に戻すことができます。
バックアップ方法には以下のようなものがあります。
- システムの復元ポイントを作成する
- スタートアップ設定の画面をスクリーンショットで保存しておく
- メモなどに現在の設定内容を書き留めておく
万全を期すには複数の方法を組み合わせるのもおすすめです。
トラブル時の復元方法
設定を変更した後にパソコンの動作が不安定になった場合や、元に戻したいと感じた場合には、適切に復元することが重要です。
トラブル発生時の代表的な対応方法を以下の表にまとめます。
状況 | 復元方法 |
---|---|
パソコンが起動しない | セーフモードで起動後、設定を元に戻す |
動作が不安定 | 作成した復元ポイントからシステムを復元する |
スタートアップ設定のみ戻したい | 保存しておいた設定内容を参照し、手動で再設定する |
不明な点があればパソコンメーカーやサポート窓口に相談するのも良いでしょう。
セキュリティソフトとの競合
Delayed launcherは、インテルが提供するセキュリティ機能の一部として動作している場合があります。
一部のセキュリティソフトと同時に動作すると競合し、警告が表示されたり、ウイルス検出が正常に行われない可能性もゼロではありません。
競合を避けるためには、以下の点に注意しましょう。
- 自身が利用しているセキュリティソフトのサポート情報や公式サイトを確認する
- Delayed launcherの無効化後、一時的にセキュリティソフトをアップデートまたは再インストールする
- パソコンを再起動して動作に異常がないことを確認する
セキュリティに関わる設定は慎重に行い、安全確保を最優先してください。
Delayed launcherに関する疑問やトラブルの解決ガイド

Delayed launcherは、パソコンの起動時に一時的に起動プロセスを遅らせるIntel製の機能です。
主にセキュリティを向上させるために存在していますが、動作が遅くなったり、無効化による不具合など、さまざまなトラブルで悩むユーザーも少なくありません。
ここでは、Delayed launcherに関連するよくある疑問や、トラブル対処法についてわかりやすくまとめています。
動作が重い場合の対処法
Delayed launcherが原因でパソコンの起動が遅いと感じる場合は、まず起動プログラムの見直しが有効です。
タスクマネージャーを開いて、スタートアップタブからDelayed launcherの有効・無効を切り替えられます。
他にも、不要なスタートアッププログラムを無効にすることでパソコン全体の起動速度を改善できます。
主な確認・対処手順は次の通りです。
- タスクマネージャーでスタートアップの状況を確認
- 不要な起動プログラムを無効化
- セキュリティソフト等との競合もチェック
- OSやドライバを最新版にアップデート
- ハードディスクの空き容量や健康状態も確認
これらの対策を行っても改善しない場合は、本体の故障やメモリ不足も考えられるため、専門業者へ相談するのも一つの方法です。
無効化後の不具合発生時の対応策
Delayed launcherを無効化した後、特定のアプリやOSが正しく動作しないことがあります。
万が一トラブルが出た場合は、以下の方法で状況を回復できることがあります。
発生している不具合 | 対処法 |
---|---|
起動直後の動作不良 | Delayed launcherを再度有効化し、パソコンを再起動 |
一部アプリの起動エラー | アプリの再インストール、もしくは手動アップデート |
セキュリティの警告 | ウイルス対策ソフトやWindows Defenderの設定を見直す |
どの対処法でも改善しない場合は、PC復元ポイントを利用して無効化前の状態に戻す方法も有効です。
再度有効化する方法
Delayed launcherを無効化した後に再度有効化したい場合は、タスクマネージャーまたは専用のシステム構成ツールを利用します。
操作手順の一例は以下の通りです。
- タスクマネージャーを起動し、スタートアップタブを開く
- リストから「Delayed launcher」を探し、右クリックして「有効化」を選択
- パソコンを再起動して、設定が反映されるか確認
システムによっては、「msconfig」コマンドを実行し、スタートアップ項目から該当プロセスを有効にする必要がある場合もあります。
もし上記方法でうまくいかない場合は、Intelの公式サポートページやパソコンメーカーのサポートにも問い合わせてみましょう。
Delayed launcherの最適な運用方法について

ここまでDelayed launcherの基本的な役割や設定方法について解説してきました。
最後に、実際にDelayed launcherを運用する際に気を付けたいポイントや、快適にパソコンを使うためのアドバイスをまとめます。
まず、Delayed launcherは不要に無効化するとウイルス対策が遅れるリスクがありますが、一方で起動時のパフォーマンスに不満がある場合は、ほかの自動起動プログラムの整理も検討しましょう。
何か不具合を感じたら、安易に削除せずに信頼できる情報をもとにした慎重な対応が重要です。
快適なパソコン環境を保つためには、定期的なソフトウェアアップデートやセキュリティ設定の見直しもあわせて行い、トラブルを未然に防ぎましょう。
これらのポイントを意識することで、Delayed launcherを安全かつ効率的に活用することができます。