PDFのページをPNG画像に変換しておくと、プレゼン資料に貼り付けたりブログに掲載したりと、活用の幅が大きく広がります。
一方で、変換方法によっては画質が落ちたりファイルサイズが大きくなりすぎたりして、思ったように使えないこともあります。
この記事では、PDFをPNGに変換する代表的な方法とツールを整理しつつ、WindowsやMac、スマホでの具体的な手順や注意点をわかりやすくまとめます。
オンラインサービスやフリーソフト、スマホアプリなどの選択肢を比較しながら、自分の環境に合った最適な変換方法を見つけていきましょう。
PDFをPNGに変換する方法5選
最初に、PDFをPNGに変換したい人がすぐに使いやすい代表的な方法を五つピックアップし、それぞれの特徴や向いているシーンを整理します。
ここで紹介するのは、ブラウザで使えるオンラインサービス、デスクトップ向けのフリーソフト、そしてスマホアプリという三つの系統のツールです。
どれも基本操作はシンプルですが、対応デバイスや画質、無料で使える範囲が少しずつ異なるため、自分の用途に合うものを選ぶことが大切です。
各ツールの概要や費用感は表にもまとめるので、ざっと比較しながら候補を絞っていきましょう。
Acrobatオンラインツール
Adobeが提供しているAcrobatオンラインツールには、PDFをPNGに変換するための専用ページがあります。
ブラウザからPDFファイルをアップロードするだけで、インストール不要で高品質なPNG画像に変換できるのが大きなメリットです。
操作画面は日本語に対応しており、ボタンも少なく直感的に扱えるため、初めての人でも迷いにくい設計になっています。
Adobe製のサービスなので、ビジネス用途で安心感が欲しい場合にも選びやすい選択肢と言えるでしょう。
| ツール名 | AcrobatオンラインPDFからPNG変換 |
|---|---|
| 対応環境 | ブラウザ(Windows / Mac / スマホ) |
| 費用 | 基本無料 |
| 日本語対応 | 公式サイトとUIが日本語対応 |
| 同時変換枚数の目安 | 1ファイルの全ページ |
| 特徴 | 操作がシンプルで変換速度が速い |
PDFgearオンラインコンバーター
PDFgearは、PDFからPNGへの変換に特化したオンラインコンバーターを用意しており、ドラッグアンドドロップで簡単に使えます。
PDFをアップロードすると自動的にPNGに変換され、複数ページのPDFでもまとめてZIP形式でダウンロードできるのが便利です。
高解像度の出力を売りにしているため、グラフや図版が多い資料をきれいな画像として取り出したいときに向いています。
アカウント登録なしで試せるので、まずオンラインの変換サービスを一つ試したいときの候補になります。
| ツール名 | PDFgear PDF to PNG |
|---|---|
| 対応環境 | ブラウザ(Windows / Mac / スマホ) |
| 費用 | 無料プランあり |
| 日本語対応 | 日本語サイトあり |
| 同時変換枚数の目安 | 1ファイルの全ページをZIPで取得 |
| 特徴 | 高画質なPNG出力とシンプルな操作 |
CanvaのPDF変換機能
デザインツールのCanvaには、PDFをインポートして編集し、そのままPNGで書き出せる機能があります。
PDFを読み込んだあとに文字や図形、背景色などを編集できるため、資料を画像として利用する前にデザインを整えたいときに役立ちます。
無料プランでも基本的な変換と簡単な編集が利用できるので、プレゼン資料やチラシの見た目を整えながら画像にしたいケースと相性が良いです。
Canvaを日頃から使っている人にとっては、別のツールを増やさずにPDFをPNGとして扱えるのも大きな利点です。
| ツール名 | Canva PDF to PNGコンバーター |
|---|---|
| 対応環境 | ブラウザとデスクトップアプリ |
| 費用 | 無料プランと有料プラン |
| 日本語対応 | インターフェースが日本語対応 |
| 同時変換枚数の目安 | 1デザイン内のページを順番に書き出し |
| 特徴 | 変換前にレイアウトやデザインを編集できる |
CubePDFの仮想プリンター
Windows環境でPDFをPNGに変換したい場合は、フリーソフトのCubePDFを仮想プリンターとして使う方法も定番です。
PDFを開いて印刷メニューからCubePDFを選び、出力形式としてPNGを指定することで、印刷感覚で画像ファイルを作成できます。
一度インストールしておけば、PDF以外のOffice文書なども同じ手順でPNGに変換できるため、社内の定型資料をまとめて画像化するときにも便利です。
オフラインで完結するので、機密性の高いファイルを扱う場合にも安心して利用しやすい選択肢になります。
| ツール名 | CubePDF |
|---|---|
| 対応環境 | Windowsデスクトップ |
| 費用 | 無料で利用可能 |
| 日本語対応 | 日本語インターフェース |
| 同時変換枚数の目安 | 印刷操作で指定したページ |
| 特徴 | PDF以外のファイルもPNGに変換できる |
スマホアプリでPDFをPNGに保存
外出先でPDFをPNGに変換したいときは、スマホアプリを使う方法が手軽です。
iPhone向けの「PDFを画像に変換 JPG PNG HEIC」アプリのように、PDFのページを選んでPNGとして書き出せるツールが複数提供されています。
JPEGやHEICなど他の画像形式にも対応しているものが多く、SNSに投稿する用途やメッセージアプリで共有する用途にもそのまま流用できます。
無料版では変換できるページ数に制限がある場合も多いので、仕事で頻繁に使うなら有料版の購入も検討するとよいでしょう。
| ツール名 | PDFを画像に変換 JPG PNG HEICなどのスマホアプリ |
|---|---|
| 対応環境 | iPhoneやAndroid |
| 費用 | 無料版と買い切りやサブスク |
| 日本語対応 | 日本語表示のアプリが多数 |
| 同時変換枚数の目安 | アプリごとに制限や上限が異なる |
| 特徴 | スマホだけで完結し共有がしやすい |
用途別に考えるPDFをPNGに変換するメリット
同じPDFからPNGへの変換でも、どのような場面で画像を使うかによって、適したツールや画質の基準は変わってきます。
ここでは、よくある利用シーンを切り口にして、PDFをPNGにしておくメリットや注意点を整理します。
自分がどの場面で画像を使いたいのかをイメージしながら読むと、どの変換方法を選ぶべきかが見えやすくなります。
用途ごとのポイントを押さえておくことで、無駄なやり直しや画質トラブルも減らせます。
スライド資料に画像として埋め込みたい場合
PowerPointやKeynoteなどのスライドにPDFの内容を貼り付けたいときは、PNG画像に変換しておくとレイアウト崩れを防ぎやすくなります。
テキストや表が多い資料でも、画像にしておけばフォントの差異や環境の違いによる乱れが起きにくいのが利点です。
一方で、拡大縮小を何度も行う場合は、十分な解像度で変換しておかないと文字がぼやける原因になります。
- 発表用スライドにそのまま貼り付けたいとき
- 別の端末やOSで開く可能性があるとき
- フォントやレイアウトを固定して見せたいとき
Webページやブログに掲載したい場合
ブログ記事やランディングページにPDFの一部を掲載したいときも、PNG画像にして埋め込むと見せ方をコントロールしやすくなります。
オンラインツールで変換したPNGをそのまま使えば、ブラウザ上での見た目を確認しながらサイズを調整できます。
ただし、画像の解像度が高すぎるとページ読み込みが遅くなるため、横幅を縮小したり圧縮ツールで軽量化したりする工夫も必要です。
アクセスが多いページほど、画質と読み込み速度のバランスを意識して変換設定を決めましょう。
印刷やデザイン確認を簡単にしたい場合
入稿データの確認や配布用のプレビューとして、PDFをPNGに変換しておくと、誰でも同じ見た目でチェックしやすくなります。
デザイナー以外のメンバーにも画像として渡すことで、専用ソフトがなくても内容を把握しやすくなります。
印刷品質を意識する場合は、高解像度のPNGを使うか、実際の印刷サイズに合わせて変換しておくことが重要です。
細かい文字や罫線が多いレイアウトでは、まずテスト出力をして読みやすさを確認すると安心です。
SNSやチャットで素早く共有したい場合
SlackやTeams、LINEなどで資料の一部を共有したいとき、PDFよりも画像のほうがパッと開いてもらいやすい場面が多くあります。
スマホアプリでPDFをPNGに変換して、そのままトークルームやチャネルに貼り付ければ、相手はアプリを切り替えずに内容を確認できます。
ただし、機密性の高い情報をSNSに投稿する場合は、権限設定や送り先の間違いに注意が必要です。
必要に応じて、重要な部分だけをトリミングして送るなど、情報量を調整しながら使うとリスクを抑えられます。
WindowsとMacのPDFからPNGへの基本手順
同じオンラインサービスを使う場合でも、WindowsとMacでは標準アプリや操作の流れに違いがあります。
ここでは、両方のOSで代表的な変換パターンを押さえておき、社内や自宅の環境に合わせて選びやすくすることを目指します。
オンラインツールに加えて、Windows固有のフリーソフトやMacのプレビューアプリを組み合わせることで、より柔軟な運用が可能になります。
OSごとの基本ルートを理解しておくと、トラブル時にも代替ルートを見つけやすくなります。
Windowsでオンラインサービスを使う流れ
Windowsでは、ブラウザからAcrobatオンラインツールやPDFgearなどのサイトにアクセスし、PDFをアップロードしてPNGに変換するのが最も手軽です。
変換後はZIPファイルとして一括ダウンロードされることが多いので、保存先フォルダーを整理しておくと後で探しやすくなります。
会社PCで利用する場合は、外部サービスへのファイルアップロードが許可されているか、情報システム部門のルールを必ず確認しましょう。
制限が厳しい場合は、後述するオフラインのフリーソフトを使う方法も選択肢になります。
WindowsでCubePDFを使う流れ
CubePDFをインストールすると、Windowsのプリンター一覧に仮想プリンターとして登録されます。
PDFを開いて印刷メニューを開き、プリンターとしてCubePDFを選択し、出力形式をPNGに切り替えることで画像変換が行えます。
ページ範囲を指定すれば、特定のページだけをPNGにしたり、全ページをまとめて画像化したりすることも簡単です。
オフラインで動作するため、機密文書を外部サービスにアップロードしたくない場合の標準ルートとして覚えておくと便利です。
Macでプレビューから画像を書き出す方法
Macでは、標準アプリのプレビューを使うことで、PDFを直接PNGとして書き出すことができます。
プレビューでPDFを開き、ファイルメニューから書き出しを選び、フォーマットにPNGを指定して保存すれば変換が完了します。
複数ページを一度に変換したい場合は、サイドバーでページを選択してから書き出すことで、ページごとの画像をまとめて作成できます。
追加のアプリをインストールしたくない場合や、社内Macで手早く変換したいときに重宝する方法です。
業務PCでの運用ルールを意識した変換
会社のPCでPDFをPNGに変換する場合は、オンラインサービスを使う前に情報セキュリティポリシーを確認することが欠かせません。
外部サービスへのアップロードが禁止されている環境では、CubePDFのようなフリーソフトや、OS標準機能での変換を優先する必要があります。
部署ごとによく使う変換ルートを決めて手順書を作成しておくと、メンバー間での運用が統一され、トラブル時にも対応しやすくなります。
定期的にルールとツールを見直しておくことで、新しいサービスやアップデートにも柔軟に対応できます。
スマホでPDFをPNGに変換するときのポイント
スマホだけでPDFをPNGに変換できると、外出先からの共有や簡易プレビューの作成がぐっと楽になります。
ただし、モバイル回線やストレージ容量、バッテリー残量など、PCとは違う制約も意識する必要があります。
ここでは、iPhoneとAndroidでの基本的な考え方と、スマホならではの注意点を整理します。
日常的にスマホで資料を見る人ほど、変換アプリとオンラインサービスの使い分けを意識すると効率が上がります。
iPhoneでSafariとアプリを併用する
iPhoneでは、SafariからオンラインのPDF変換サービスにアクセスする方法と、専用アプリをインストールして使う方法の二つが主な選択肢です。
単発で数ページをPNGにしたいだけなら、SafariからAcrobatオンラインツールなどにアクセスして変換し、そのまま写真アプリに保存するだけで十分な場合が多いです。
頻繁にPDFをPNGに変換する場合や、解像度を細かく指定したい場合は、専用アプリを導入したほうが操作が安定しやすくなります。
どちらの方法を選ぶ場合でも、WiFi環境下で作業できると、アップロードとダウンロードがスムーズに進みます。
Androidでブラウザとアプリを使い分ける
Androidでも基本的な選択肢はiPhoneと同じで、ブラウザからオンラインサービスを利用する方法と、アプリを使う方法があります。
ブラウザからPDFgearなどにアクセスすれば、PCと同様の手順でPDFをPNGに変換でき、端末を問わず同じサービスを使えるのが利点です。
一方で、クラウドストレージとの連携やファイル管理を重視するなら、Googleドライブや各社のPDFアプリと組み合わせる運用も現実的です。
機種やOSバージョンによって表示や保存先の扱いが異なるため、自分の端末で一度テストしてから本番データを扱うと安心です。
モバイル回線でオンライン変換を使うときの注意
モバイル回線でオンライン変換サービスを利用する場合、大容量のPDFをアップロードすると通信量が想像以上に増える可能性があります。
月間データ容量が限られているプランでは、WiFi環境でまとめて変換し、必要なPNGだけを端末に残すような運用が安全です。
機密性の高い社外秘資料をモバイル回線経由で外部サービスに送信することが、社内ルールに抵触しないかも必ず確認しましょう。
端末紛失時のリスクも踏まえて、必要な画像だけを残して他は削除するなど、情報管理の観点からも運用ルールを決めておくと良いです。
出先からでも安全に共有するための工夫
出先からPDFをPNGに変換して共有する場合は、閲覧する相手の環境も考慮しながら画像サイズを調整することが重要です。
画面の小さいスマホで見ることが多い相手には、重要な部分を拡大して切り出したPNGを複数枚送ると親切です。
クラウドストレージの共有リンクを併用すれば、必要な人だけがアクセスできるように範囲を絞ることもできます。
誤送信や公開範囲のミスを防ぐために、送信前に宛先やリンク設定を必ず見直す習慣をつけておきましょう。
画質と容量を意識したPDFからPNGへの変換設定
PDFをPNGに変換するときは、解像度や色設定によって、仕上がりの見た目とファイルサイズが大きく変わります。
用途に合わない設定で変換してしまうと、画像が汚く見えたり、逆に容量が大きすぎて扱いにくくなったりします。
ここでは、一般的な解像度の目安や、色数を減らすときの考え方、ファイルサイズを抑える工夫などを整理します。
変換ツールごとの設定項目を理解しておけば、毎回の作業をテンプレート化しやすくなります。
解像度とDPIの目安を知る
PDFからPNGに変換するときに指定する解像度やDPIは、どのサイズで表示するかによって適切な値が変わります。
画面表示やWeb掲載なら中程度の解像度で十分ですが、印刷確認や拡大表示が前提なら高めの設定が必要です。
おおよその目安を表にしておくと、用途ごとに迷わず設定できるようになります。
| 用途 | Web表示やブログ掲載 |
|---|---|
| DPIの目安 | 72〜150dpi程度 |
| 主なメリット | ファイルサイズを抑えつつ画面上で十分に読める |
フルカラーとグレースケールの使い分け
カラーの資料をそのままPNGに変換すると、視認性は高い一方でファイルサイズも大きくなりがちです。
モノクロ印刷前提の資料や文字中心の文書であれば、グレースケールやモノクロに変換しておくことで容量を抑えられます。
ただし、強調色やグラフの色が重要な意味を持つ資料では、グレースケールにすると情報が読み取りにくくなる場合があります。
誰がどのデバイスで見るのかを想定しながら、色を残すべき部分と削っても良い部分を決めて変換しましょう。
ファイルサイズを抑えたいときの工夫
多数のページをPNGにした場合、すべてを高解像度のまま保存するとストレージを圧迫しやすくなります。
オンラインストレージやチャットツールの容量制限に合わせて、変換時に解像度を少し下げたり、必要なページだけをPNGにするなどの工夫が有効です。
圧縮ツールを併用してPNGを最適化することで、見た目を大きく損なわずに容量を削減できることも多いです。
長期的に保存する場合は、元のPDFと軽量化したPNGの両方を整理しておき、用途に応じて使い分けると管理しやすくなります。
文字がぼやけるときに確認したいポイント
変換後のPNGで文字がぼやけて見える場合は、元のPDFの解像度だけでなく、変換時の設定や表示側の拡大率も確認する必要があります。
低いDPIで変換した画像を無理に拡大すると、どうしてもエッジが甘くなり読みづらくなります。
ブラウザや画像ビューア側の表示倍率を一度リセットし、100パーセント表示で読みやすいかどうかをチェックしてみましょう。
それでも見づらい場合は、解像度を上げて再変換するか、該当ページだけ個別に高品質設定で出力し直すのがおすすめです。
PDFをPNGに変換して資料や画像を使いやすく整えるポイント
PDFをPNGに変換することで、スライドやWebページ、SNSなどさまざまな場面で資料を柔軟に活用できるようになります。
オンラインサービス、デスクトップソフト、スマホアプリにはそれぞれ得意な用途があるため、環境やセキュリティルールに合わせて組み合わせることが大切です。
解像度や色設定、ファイルサイズの目安を押さえておけば、画質を保ちながら扱いやすいPNG画像を安定して作成できます。
自分なりの標準手順を一度決めておくことで、今後の変換作業にかかる時間と手間を大きく減らすことができるはずです。

