Windowsの標準アプリであるペイントを使えば、追加ソフトを入れなくても画像にモザイクをかけて顔や文字を隠すことができます。
本記事では、ペイントでモザイクをかける具体的な手順から、Windows11とWindows10の違い、失敗しやすいポイント、プライバシー上の注意点まで順番に整理して解説します。
これから初めてモザイク加工をする方はもちろん、うまくモザイクにならずに困っている方も、読みながら同じ操作をなぞれば安全に画像を加工できるようになります。
ペイントでモザイクをかける基本手順5ステップ
ここではWindowsのペイントを使って、標準機能だけでモザイクをかける一連の流れを五つのステップに分けて整理します。
画像をペイントで開く
まずはモザイクをかけたい画像ファイルを右クリックして表示されるメニューからプログラムから開くを選択します。
一覧の中からペイントを選ぶと、画像がペイントの編集画面に読み込まれます。
すでにペイントを起動している場合は、ペイント画面左上のファイルをクリックし開くから画像ファイルを選択しても構いません。
モザイクをかけたあとも元画像を残したい場合は、この時点で別名保存をしておくと安心です。
モザイクをかけたい範囲を選択する
ペイントのホームタブにある選択アイコンをクリックして、ドラッグしながらモザイクをかけたい部分を囲みます。
顔や車のナンバープレートなどを隠したい場合は、少し余裕を持って大きめに囲んでおくと加工漏れを防げます。
細かい位置を調整したいときは、ウィンドウ右下のスライダーやコントロールキーとマウスホイールで表示倍率を拡大してから範囲を取り直します。
選択範囲は後からやり直すこともできるので、まずは大まかに指定してしまって問題ありません。
サイズ変更で大きく縮小する
範囲が選択された状態でホームタブのサイズ変更アイコンをクリックし、表示されたダイアログでパーセントが選択されていることを確認します。
水平の数値に二十や十などの小さめの数値を入力すると、選択した部分だけが一気に縮小されます。
文字が読めない程度にしっかり隠したい場合は一桁から二十パーセント程度まで試しながら調整するとよいでしょう。
縮小後の見た目をすぐに確認したいときは、ズーム機能で拡大するとモザイクの粗さがわかりやすくなります。
縮小した部分を元の大きさに戻す
縮小し終わったら一度キャンバスの別の場所をクリックして選択状態を解除し、小さくなった部分を改めて選択し直します。
再びサイズ変更アイコンをクリックし、今度は百と入力して元の大きさに戻すと、縮小前よりも荒いブロック状の表示になりモザイクがかかった状態になります。
元の大きさに戻す際は水平と垂直の数値が同じ値になっていることを確認してから実行します。
モザイクが弱いと感じたら元に戻すボタンでやり直し、縮小率をさらに小さくして再度同じ手順を繰り返します。
画像を保存して仕上げる
モザイクの強さや位置に問題がなければ、ファイルメニューから名前を付けて保存を選び新しいファイル名で保存します。
元画像を残しておきたい場合は必ず別名で保存し、上書き保存は避けるようにします。
ブログやSNSに載せる予定がある場合は、保存した画像を実際の表示サイズで開いてモザイクが十分かどうかを再確認しておくと安心です。
必要に応じて再度ペイントで開き、モザイク範囲を追加したり強さを調整したりしてから公開します。
Windows11版ペイントのモザイク仕様の理解
ここではWindows11で配布されている新しいペイントアプリの挙動を前提に、旧バージョンと異なるポイントやモザイクがうまくかからないときの確認事項を整理します。
Windows11ペイントの操作の特徴
Windows11のペイントは画面デザインが一新されましたが、モザイクを作る基本の考え方は選択した範囲を縮小してから再拡大するという点で変わりません。
ホームタブの選択アイコンやサイズ変更アイコンの位置が変わっているため、最初はボタンの場所を把握することが大切です。
特に縮小後に一度選択を解除してから再選択し直さないとモザイクにならない場合があるため、操作の順番を意識する必要があります。
次のようなポイントを押さえておくと、Windows11でも安定してモザイクをかけられます。
- 縮小前に範囲選択を正確に取る
- サイズ変更はパーセント指定で行う
- 縮小後に一度選択を解除する
- 再選択してから元のサイズに戻す
- 強さは縮小率で調整する
Windows10ペイントとの違いの整理
Windows10のペイントでも同じように選択して縮小し、再度拡大することでモザイクのような効果を出せますが、バージョンによっては縮小直後に拡大するだけでモザイクになる場合もありました。
一方でWindows11の新バージョンでは、縮小後に一度確定操作を挟まないと単に拡大縮小しただけの状態とみなされ、元の画像に戻ってしまうことがあります。
そのため現在利用している環境がどのバージョンなのかを把握し、それぞれに合った手順を選ぶことが重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アプリ名 | ペイント |
| 対象バージョン | Windows10とWindows11 |
| モザイク手法 | 選択範囲の縮小と再拡大 |
| 注意点 | 新バージョンは再選択が必要な場合あり |
モザイクがかからない場合の確認ポイント
縮小してから元のサイズに戻してもモザイクにならず元の画像に戻ってしまう場合は、縮小後の選択解除と再選択ができているかを最初に確認します。
選択範囲の枠が二重になっていたり、縮小した部分だけが別のレイヤーのように扱われている場合はクリックの位置がずれている可能性があります。
元に戻すボタンで一度作業を巻き戻し、縮小から再拡大までの手順をゆっくりなぞり直すことで多くのトラブルは解消できます。
どうしても安定しないときはペイントを再起動するか、一度画像を保存し直してから再編集するのも一つの方法です。
ペイント3Dや他ソフトの活用場面の整理
ここではペイント3Dなどの関連アプリや無料画像編集ソフトも視野に入れて、どのツールでどの程度のモザイク加工を行うかを整理します。
ペイント3Dでできることと限界
ペイント3Dでも選択した範囲を縮小してから再拡大することで、ペイントと同じようなモザイク表現を作ることができます。
三次元オブジェクトやスタンプなどの機能も備えているため、単純な四角いモザイク以上の加工を加えたい場合には便利です。
ただし細かい数値でモザイクの強さを調整したり、部分的に自然なぼかしを入れたい場合は専用の画像編集ソフトの方が扱いやすい場面もあります。
用途に応じてペイントとペイント3Dを使い分けることで、無料の範囲でもかなり柔軟な加工が可能になります。
無料画像編集ソフトの選び方
モザイクの形状やぼかし方にこだわりたい場合は、ペイントだけでなく無料の画像編集ソフトを併用する選択肢もあります。
特にレイヤー機能を備えたソフトは、元画像を傷つけないままモザイクを重ねられるため、後から修正しやすい点が魅力です。
次のような観点でツールを選ぶと、自分の作業スタイルに合ったソフトを見つけやすくなります。
- レイヤー機能の有無
- モザイクやぼかしのプリセットの種類
- 日本語表示やヘルプの充実度
- インストール型かブラウザ型か
- 商用利用の可否
用途別のソフト選択の目安
簡単にモザイクをかけたいだけならペイントで十分ですが、資料作成やデザイン用途で繰り返し使う場合は他ソフトを検討した方が効率的になることがあります。
仕事と趣味のどちらで使うのか、どの程度の頻度で画像編集を行うのかによっても適切なツールは変わります。
大まかな目安を表に整理すると次のようになります。
| 用途 | 推奨ツール |
|---|---|
| 簡単なモザイク加工だけ | ペイント |
| 画像編集を頻繁に行う場合 | 無料画像編集ソフト |
| 三次元表現やスタンプを使う場合 | ペイント3D |
| デザイン性と細かな調整が必要な場合 | 高機能画像編集ソフト |
モザイク作業のコツと失敗例の対策
ここではペイントでモザイクをかける際にありがちな失敗例と、それを避けるための具体的なコツを整理します。
モザイクの強さの目安
モザイクが弱すぎると個人情報が読めてしまい、強すぎると画像の内容が伝わらなくなるため、目的に応じた強さを決めておくことが重要です。
特に文字を隠す場合は、縮小率によっては読めてしまうケースがあるため、公開前に必ず確認する習慣をつけておきましょう。
強さの目安をパーセントで整理すると次のようになります。
| 縮小率 | 目安の用途 |
|---|---|
| 五十パーセント前後 | 軽いぼかしで内容をなんとなく隠したい場合 |
| 二十パーセント前後 | 文字や顔をある程度見えにくくしたい場合 |
| 十パーセント以下 | 読めないくらいしっかり隠したい場合 |
顔やナンバーを確実に隠すコツ
人の顔や車のナンバープレートなど、特に慎重に扱いたい部分は少し大きめに範囲選択を行うことで、微妙なズレによる情報漏れを防げます。
一度モザイクをかけたら、画像を縮小表示しただけでなく拡大表示でも確認し、どの表示倍率でも識別されないかをチェックしておくと安心です。
複数の人物が写っている写真では、一人ひとりの顔を個別に選択してモザイクをかけるよりも、集合部分ごとにまとめて加工した方が漏れを防ぎやすくなります。
具体的な確認ポイントを箇条書きにすると次の通りです。
- 範囲選択は顔より一回り大きく取る
- 縮小率は低めから試して必要に応じて強める
- 拡大表示でも目や口の形が判別できないか確認する
- 複数の画像を公開する場合は毎回モザイクをやり直す
- 元画像の共有範囲を必要最小限にする
ありがちな失敗例と防ぎ方
よくある失敗として、モザイクをかけたつもりが保存されておらず元画像のまま公開してしまうケースや、一部だけモザイクが弱く情報が読めてしまうケースがあります。
これを防ぐには、保存前に必ずファイルを開き直して確認する手順を習慣化し、複数の画像を扱うときも一枚ずつチェックすることが大切です。
また画像をトリミングした後にモザイクをかけると、拡大されて思った以上に顔が大きく表示される場合があるため、公開サイズをイメージしながら加工の順番を決めるようにします。
不安が残る場合は、少し強めのモザイクをかけておくか、そもそも撮り直すという選択肢も検討すると安全です。
モザイク利用時のプライバシー配慮の基本
ここではペイントでモザイクをかける技術的な話から一歩踏み込んで、画像を公開するときに意識したいプライバシー保護の考え方をまとめます。
SNS投稿前に確認したいポイント
SNSに写真を投稿する際は、顔やナンバーだけでなく背景の看板や書類の細かな文字など、思わぬ場所から個人情報が読み取られる可能性があります。
モザイクをかけた部分以外にも、位置情報や撮影日時などのメタデータが画像に含まれている場合があるため、必要に応じて削除しておくことも大切です。
特に子どもが写った写真や自宅周辺がわかる画像は慎重に扱うべきであり、公開範囲を限定したり、そもそも共有しないといった判断も選択肢に入れておきましょう。
SNSに投稿する前に確認しておきたい項目は次の通りです。
- 顔やナンバーが完全に隠れているか
- 自宅や職場が特定できる情報が写っていないか
- 位置情報などのメタデータが残っていないか
- 写っている人の同意が得られているか
- 公開範囲の設定が適切か
仕事で扱う資料画像の注意点
仕事で利用する資料やマニュアルにモザイク付きの画像を載せる場合は、単に情報を隠すだけでなく、誰が見ても意図が分かるように加工することが重要です。
例えば顧客名や社外秘の情報を隠すときは、モザイクの上から伏せ字や注釈を追加しておくと、なぜ隠しているのかが伝わりやすくなります。
どのような観点で注意すべきかを簡単な表にまとめると次のようになります。
| 場面 | 注意ポイント |
|---|---|
| 社内共有資料 | 最低限のモザイクと必要な注釈を添える |
| 社外向け資料 | 顧客情報を完全に匿名化し、再識別できないようにする |
| プレゼン用スライド | 遠目からでも読まれない程度の強いモザイクを使う |
| マニュアルや手順書 | 隠した部分が操作に影響しないかを事前に検証する |
元画像の扱いと保存ルール
モザイクをかけた画像だけでなく加工前の元画像が手元に残っている限り、何らかの形で漏えいする可能性はゼロにはなりません。
特に共有フォルダやクラウドストレージに保管する場合は、アクセス権限の設定や不要になったファイルの削除ルールを決めておくことが大切です。
私的な利用であっても、他人が写った写真の元データを長期間保管し続けることには慎重であるべきだという意識を持つとよいでしょう。
必要な期間を過ぎた元画像は暗号化したバックアップに限定するか、完全に削除することでリスクを下げられます。
ペイントのモザイク活用の総仕上げ
ペイントは単純なアプリに見えますが、選択範囲の縮小と再拡大を組み合わせることで、追加ソフトなしでも実用的なモザイク加工が行えます。
Windows11とWindows10での挙動の違いや、縮小後の再選択といったポイントを押さえておけば、うまくモザイクにならないというトラブルも減らせます。
用途に応じてペイント3Dや無料画像編集ソフトも併用しながら、必要な範囲に必要な強さだけモザイクをかける判断ができるようになることが理想です。
技術的な操作に慣れてきたら、常にプライバシーや情報管理の観点を意識しつつ、安心して画像を共有できる環境を整えていきましょう。

