Excelで日付を入力したときに、となりに曜日が自動表示されたら便利なのにと思ったことはありませんか。
勤怠表やシフト表、スケジュール管理などでは曜日を手入力するとミスも増えやすく、作業時間も無駄に長くなります。
この記事では、Excelで曜日を自動表示するための基本ワザと、実務で役立つ応用テクニックを順番に整理して紹介します。
最初に「今すぐマネできる5つの方法」を押さえたうえで、関数の仕組みやトラブル対処法まで一気に理解していきましょう。
Excelで曜日を自動表示する5つの基本ワザ
ここでは、Excelで日付から曜日を自動表示するために最低限おさえておきたい5つの方法をまとめます。
セルの表示形式だけで済む初歩的なやり方から、TEXT関数やWEEKDAY関数を使う少しステップアップした方法まで順番に見ていきましょう。
セルの書式設定だけで日付と曜日を同じセルに出す
もっとも簡単な方法は、セルの書式設定を変更して日付と曜日をまとめて表示させるやり方です。
日付を入力したセルを右クリックして「セルの書式設定」を開き、表示形式タブから「ユーザー定義」を選びます。
種類の欄に「yyyy/m/d aaa」や「yyyy年m月d日(aaa)」と入力すると、日付の右側に対応する曜日が自動表示されます。
「aaa」は「月」「火」のような一文字の曜日、「aaaa」は「月曜日」「火曜日」のようにフルの曜日名を表示する形式です。
TEXT関数で曜日だけを別セルに表示する
日付と曜日を別セルに分けたい場合は、TEXT関数を使うと分かりやすく管理できます。
たとえばA2セルに日付が入っているとき、B2セルに「=TEXT(A2,"aaa")」と入力するとB2に「月」「火」のように曜日だけが表示されます。
「=TEXT(A2,"aaaa")」とすれば「月曜日」「火曜日」といったフル表記に切り替えられます。
この方法なら、日付列と曜日列を並べておけるので、表の並べ替えやフィルター処理もしやすくなります。
表示形式の違いで日本語と英語の曜日を切り替える
TEXT関数の表示形式を変えると、日本語と英語、略称とフル表記を柔軟に切り替えられます。
「aaa」「aaaa」は日本語の曜日、「ddd」「dddd」は英語の略称とフル表記の曜日を出す書式です。
たとえば「=TEXT(A2,"ddd")」なら「Mon」「Tue」、「=TEXT(A2,"dddd")」なら「Monday」「Tuesday」のように表示されます。
海外とのやり取り用シートや、英語学習用のカレンダーなど、用途に応じて書式を選べるのがこの方法の強みです。
WEEKDAY関数で曜日番号から好きな文字列を出す
曜日ごとに条件分岐したいときは、WEEKDAY関数で求めた曜日番号をほかの関数と組み合わせるのが便利です。
「=WEEKDAY(A2,2)」と入力すると、月曜を1、火曜を2とする1〜7の数値で曜日を表現できます。
この数値を「CHOOSE」や「IF」などと組み合わせれば、「=CHOOSE(WEEKDAY(A2,2),"月","火","水","木","金","土","日")」のように自分好みの表記を作ることができます。
曜日によって背景色や文字色を変える条件付き書式を設定するときにも、このWEEKDAY関数がよく使われます。
オートフィルで一括入力して作業時間を短縮する
いずれの方法でも、1行目の数式や書式設定ができたら、あとはオートフィルで一気に下までコピーすると効率的です。
数式を入力したセルの右下に出る小さな四角形をドラッグすると、その列全体に同じパターンで曜日が自動表示されます。
日付列も同じようにオートフィルで連番にしておくと、ひと月分のカレンダーや勤怠表を数秒で組み上げられます。
「最初の1行で正しい数式を作る→オートフィルで一括展開」という流れを覚えておくと、日付関連の作業がぐっと楽になります。
TEXT関数と表示形式で曜日を柔軟に表示するコツ
ここでは、TEXT関数と表示形式を使って曜日の見た目をコントロールするコツを詳しく整理します。
日本語と英語の切り替えや、日付と曜日をまとめて見やすく表示する書式パターンを知っておくと、仕事での伝わりやすさが大きく変わります。
TEXT関数の基本構文と書式記号の早見表
TEXT関数は「=TEXT(値,"表示形式")」という形で使い、値に指定した日付を表示形式に沿った文字列に変換します。
曜日を出したいときに使う主な書式記号を早見表にしておくと、毎回ヘルプを開かなくても直感的に書式を選べます。
| 書式記号 | aaa |
|---|---|
| 表示例 | 月 |
| 用途の目安 | カレンダーや勤怠表の簡易表示 |
| 別パターン | aaaa |
| 別パターンの表示例 | 月曜日 |
| 英語の略称 | ddd |
| 英語のフル表記 | dddd |
どの書式を使っても、元のセルが日付のシリアル値であることが前提になる点は共通です。
表示形式を使うときのおすすめパターン
日付と曜日を同じセルにまとめておきたい場合は、セルの表示形式を工夫すると見やすさと省スペース性を両立できます。
よく使うパターンをあらかじめ決めておくと、テンプレート作成や社内でのフォーマット統一にも役立ちます。
- yyyy/m/d aaa
- m/d(aaa)
- yyyy年m月d日(aaaa)
- m月d日 aaa
- m/d ddd
ユーザー定義の種類欄にこれらの書式を入力すれば、同じ日付データでも用途に合わせて見た目だけを切り替えられます。
WEEKDAYとCHOOSEで自由な曜日ラベルを作る
曜日のラベルを完全に自分好みにしたいときは、WEEKDAY関数とCHOOSE関数の組み合わせが便利です。
たとえば「=CHOOSE(WEEKDAY(A2),"日","月","火","水","木","金","土")」なら、関数の中に並べた文字列をそのまま曜日ラベルとして使えます。
「日曜」「土曜」だけ色を変えたい場合や、「定休日」「営業日」などの文字に置き換えたい場合も、この仕組みを応用できます。
曜日番号を使うことで、条件付き書式やIF関数と組み合わせた柔軟なルール設計がしやすくなります。
実務で役立つ曜日自動入力のパターン集
ここからは、実際の仕事でExcelの曜日自動表示をどのように使えば便利になるのかを具体的なパターンで見ていきます。
勤怠管理やシフト作成、カレンダー作成など、日常的に触れるシーンに落とし込んでイメージを固めていきましょう。
勤怠表で出勤曜日を自動表示する
社員やアルバイトの勤怠表では、日付と曜日をセットで表示しておくと、出勤パターンの抜けや間違いに気付きやすくなります。
A列に日付、B列にTEXT関数で曜日を表示し、土日だけ背景色を変える条件付き書式を設定すると視認性が一気に高まります。
たとえばB列に「=TEXT(A2,"aaa")」と入れ、条件付き書式でB列が「土」または「日」の行全体に色を付けると、休日の行がひと目で判別できます。
勤怠の締め処理やシフト調整のときに、曜日感覚を間違えて集計してしまうリスクを減らせます。
シフト表で土日だけ文字色を変える
飲食店や小売店のシフト表では、土日や祝日を目立たせておきたい場面が多くあります。
WEEKDAY関数を使って曜日番号を求めたうえで、条件付き書式で土日だけ文字色を変えると視覚的に分かりやすいシフト表になります。
- 日付をA列に入力する
- B列に「=WEEKDAY(A2,2)」で曜日番号を表示する
- 条件付き書式でB列が6または7の行に色を付ける
- B列自体は非表示にして見た目を整える
B列は補助列として使い、最後は非表示にしておけば、担当者にとっては直感的に読めるシートのまま運用できます。
カレンダー作成で曜日ごとの扱いを一覧にする
社内スケジュールやイベントカレンダーを作るときは、曜日ごとにルールを整理しておくと運用のミスが減ります。
たとえば「平日は通常営業」「土曜は短縮営業」「日祝は休業」のようなルールを表で整理しておけば、カレンダーの意味づけが明確になります。
| 曜日 | 月〜金 |
|---|---|
| 営業区分 | 通常営業 |
| 営業時間 | 9時〜18時 |
| 土曜の扱い | 短縮営業 |
| 日祝の扱い | 休業 |
| 備考 | 繁忙期は別途シフト表で調整 |
このようなルール表をシートの上部や別シートに作っておき、カレンダー本体では曜日を自動表示して視覚的に確認できるようにすると運用が安定します。
曜日が自動表示されないときの原因と対策
最後に、Excelで曜日を自動表示させたつもりなのにうまくいかないときによくある原因と、その解決策を整理します。
日付や表示形式、関数の引数など、つまずきポイントを順番に見直せば原因を切り分けやすくなります。
日付が文字列として入力されている
セルに見た目は日付が入っていても、内部的に「文字列」として扱われていると、TEXT関数やWEEKDAY関数が期待通りに働きません。
左寄せになっている日付や、「2025/1/1」の前後に全角スペースが紛れ込んでいる場合は、文字列扱いになっている可能性があります。
「データ」タブの「区切り位置」や「日付として再入力」などの操作で、正しい日付のシリアル値に変換してから曜日の自動表示を試しましょう。
大量のデータを修正する場合は、DATEVALUE関数などで別列に正式な日付を作る方法も検討できます。
表示形式が標準や数値のままになっている
セルの書式設定を変更して曜日を表示する方法では、表示形式を正しく設定できているかどうかが結果を大きく左右します。
日付を入力したセルを選択して右クリックから「セルの書式設定」を開き、表示形式タブでユーザー定義や日付の書式が選ばれているか確認します。
| 症状 | 数値だけが表示される |
|---|---|
| 主な原因 | 表示形式が標準や数値のまま |
| 対処の例 | 日付やユーザー定義の書式に変更 |
| 別の症状 | 式を入れても######と表示 |
| 別の原因 | 列幅不足や日付が異常値 |
| 別の対処 | 列幅を広げるか日付を見直す |
見た目がおかしいときは、シートの中身だけでなく「表示形式」も合わせて確認する習慣をつけておくとトラブルシューティングが早くなります。
関数の引数やセル参照がずれている
TEXT関数やWEEKDAY関数を入力したつもりなのに、エラーや意図しない曜日が出る場合は、引数やセル参照がずれていないか見直してみましょう。
隣の列にコピーしたときに日付列ではなく自分自身の列を参照してしまっていると、常に同じ曜日しか表示されないことがあります。
オートフィルで数式をコピーするときは、必要に応じて絶対参照「$A$2」や列だけ固定する「$A2」などを使い分けると安心です。
一度手計算で特定の日付の曜日を確認し、それと関数の結果が一致するかどうかを確かめると、原因切り分けがしやすくなります。
曜日を自動表示して日付入力のストレスを減らす考え方
Excelで曜日を自動表示する方法を覚えておくと、日付と曜日をいちいち目視で確認して入力する負担から解放されます。
セルの書式設定で日付と曜日をまとめて表示する簡単な方法から、TEXT関数やWEEKDAY関数を使った柔軟な表現、条件付き書式との組み合わせまで、段階的に活用の幅を広げていきましょう。
まずは日付と曜日が並ぶ勤怠表やシフト表で試し、そのテンプレートをコピーして別の案件にも流用していけば、毎回ゼロから作る時間を大きく削減できます。
曜日の自動表示は小さな工夫ですが、積み重ねることで日々のExcel業務全体の効率と正確さを底上げしてくれるはずです。

