tcpとudpの違いと使い分けの基本7ポイント|オンラインの通信トラブルを減らすコツ!

白いノートパソコンとスマートフォンとノートが置かれたデスク
ネットワーク

TCPとUDPは、インターネット上でデータを送受信するときに必ず登場する代表的な通信プロトコルです。

しかし、TCPとUDPの違いがあいまいなまま設定していると、通信が遅く感じたり、途中で途切れたりといったトラブルの原因になってしまいます。

ここでは、TCPとUDPの特徴や仕組み、向いている用途を整理しながら、システムやサービスでどちらを選ぶべきかを分かりやすく整理します。

ネットワークの基本を押さえておくことで、トラブルシューティングやパフォーマンスチューニングの精度も大きく高まります。

tcpとudpの違いと使い分けの基本7ポイント

白いノートパソコンと卓上カレンダーと観葉植物

まずは、TCPとUDPの違いを大きな観点で押さえ、どのような基準で使い分ければよいかを俯瞰して整理します。

接続方式の違い

TCPは通信を開始する前に相手との間でコネクションを確立する接続指向型のプロトコルです。

三回のやり取りで通信開始を合意する三ウェイハンドシェイクなどの仕組みにより、データを送るための論理的な回線を準備します。

一方でUDPはコネクションを確立せず、送りたいデータをそのまま相手に投げるコネクションレス型のプロトコルです。

接続確立の手順がない分だけ、UDPは余計な待ち時間が少なく素早く通信を始められます。

信頼性と再送制御

TCPは、送信したデータが宛先に確実に届いたかどうかを確認するための仕組みを備えた信頼性の高いプロトコルです。

受信側からの確認応答や、欠損したデータを再送させる制御により、途中で失われたデータも補完しながら通信を進めます。

UDPにはこのような再送制御や確認応答の機能がなく、送信したデータが届かなくてもプロトコルとしてはそのまま次のデータを送ります。

信頼性をアプリケーション側で担保する設計にするかどうかが、UDPを採用できるかの重要な判断材料になります。

データ到達順序の扱い

TCPでは受信側でシーケンス番号を用いてデータの到着順序を管理し、本来の順番に組み立て直してから上位のアプリケーションに引き渡します。

途中で順番が入れ替わって到着した場合でも、TCP側で並べ替えを行うため、アプリケーションは整ったデータだけを受け取れます。

UDPには順序を保証する仕組みがなく、送信した順番と異なる順番でデータが届く可能性があります。

順序が重要な通信でUDPを使う場合は、アプリケーションが自分で番号付けや並び替えの処理を実装する必要があります。

速度と遅延の傾向

TCPは信頼性を高めるための確認応答や再送処理が多く、その分だけヘッダ情報や制御のオーバーヘッドが大きくなりがちです。

パケットロスが多い回線や帯域が細い環境では、再送が頻発して実効速度が大きく低下する場合もあります。

UDPは制御が最小限で、到達確認や再送の手順を持たないため、遅延を抑えながらデータを送り続けられます。

リアルタイム性を最優先するアプリケーションでは、この軽さと低遅延が大きなメリットになります。

ヘッダサイズとオーバーヘッド

TCPヘッダには、シーケンス番号や確認応答番号、ウィンドウサイズなど多くの制御情報が含まれており、ヘッダ長も可変で比較的重い構造になっています。

一方でUDPヘッダは送信元ポート番号と宛先ポート番号、長さ、チェックサムという最小限の情報だけで構成され、ヘッダサイズは固定で非常に小さく設計されています。

同じサイズのIPパケットであれば、UDPのほうがアプリケーションデータに割ける領域が多くなります。

小さいデータを頻繁に送るような用途では、ヘッダのオーバーヘッドが無視できない差として効いてくる場合もあります。

利用される代表的なサービス

TCPはWebブラウジングやメール、ファイル転送、リモートログインなど、データが欠けずに届くことが重要なサービスで幅広く利用されています。

アプリケーションとしてはHTTPやHTTPS、SMTP、IMAP、SSHなど、多くのプロトコルがTCPを前提として設計されています。

UDPはオンラインゲームや動画配信、音声通話、DNSなど、多少のパケットロスよりも遅延の少なさを重視するサービスでよく使われます。

近年はQUICのように、UDPの上で独自の信頼性制御や暗号化を実装した新しいプロトコルも増えています。

tcpとudpを選ぶ判断基準

通信内容の正確さが最優先であればTCPを採用し、多少の欠損を許容できるリアルタイム通信であればUDPを検討するのが基本的な考え方です。

トラフィック量や回線品質、利用者数の増加に伴うスケーラビリティも、プロトコル選定の重要な観点になります。

アプリケーション側で再送制御や順序制御を作り込める開発リソースがあるかどうかも、UDPを活用できるかを左右します。

まずはシステムの要件を整理し、信頼性とリアルタイム性のどちらを優先するべきかをはっきりさせることが重要です。

tcpの基本仕様

白いノートパソコンで作業する女性の手元

次に、信頼性の高い通信を実現するTCPの仕組みをもう少し細かく見ていき、どのようにしてデータの欠損や順序の乱れを防いでいるのかを理解していきます。

スリーウェイハンドシェイク

TCPは通信開始時に三ウェイハンドシェイクと呼ばれる三段階のやり取りを行い、お互いに通信を始める準備ができていることを確認します。

クライアントからのSYN、サーバからのSYNとACK、最後にクライアントからのACKという三つのパケットで論理的な接続を確立します。

この手順により、双方が相手の存在を認識し、シーケンス番号の初期値などを共有した状態でデータの送受信を始められます。

ハンドシェイクは時間がかかる反面、確実な通信を行うための重要な準備運動として機能します。

信頼性を高める仕組み

TCPは、通信中もさまざまな仕組みを使ってデータの欠損や順序の乱れを補正し、信頼性を確保します。

代表的な機能を整理すると、次のようなポイントに分けて理解しやすくなります。

  • シーケンス番号によるデータの並び替え
  • ACKによる受信完了の通知
  • 再送タイマによるデータの再送指示
  • ウィンドウ制御による流量制御
  • 輻輳制御によるネットワーク混雑の回避

tcpヘッダの主なフィールド

これらの機能は、TCPヘッダ内に用意されたさまざまなフィールドを通じて実現されています。

代表的なフィールドを一覧で確認しておくと、パケットキャプチャを読む際の理解が深まります。

フィールド 役割
送信元ポート番号 送信元アプリケーションの識別
宛先ポート番号 宛先アプリケーションの識別
シーケンス番号 データの順序管理
確認応答番号 受信済みデータの通知
フラグ SYNやACKなど制御情報の指定
ウィンドウサイズ 一度に受信可能なデータ量の提示

tcpが向いている通信例

TCPは、データが一切欠けずに届くことが重要な通信で真価を発揮します。

Webサイトの閲覧やファイルダウンロード、業務システムのデータ同期などは、欠損があれば画面崩れやデータ不整合につながるため、TCPが標準的に使われています。

また、認証情報や決済情報などの機密データを扱う通信では、TLSと組み合わせたHTTPSのようにTCPを前提としたプロトコルが事実上の標準です。

このように、正確さと整合性が最優先の通信では、TCPを選んでおけば大きな間違いはありません。

udpの基本仕様

木製デスクに置かれたノートパソコンとコーヒーとスマートフォン

続いて、軽量で低遅延な通信を得意とするUDPの仕組みを整理し、どのような場面で選ばれているのかを見ていきます。

コネクションレス通信の流れ

UDPは接続確立の手順を持たないため、送信側は送りたいときにすぐにデータグラムと呼ばれるパケットを送信します。

受信側は届いたデータグラムをそのままアプリケーションに渡すだけで、TCPのような確認応答や再送制御は行いません。

このシンプルな振る舞いにより、UDPは余計な制御による遅延を抑えたリアルタイムな通信に向いています。

一方でパケットロスや順序の入れ替わりをそのままアプリケーションが受け取る点には注意が必要です。

udpの特徴と制約

UDPの特徴を把握するには、メリットと制約の両方をセットで整理するのが分かりやすいです。

代表的なポイントは次のようなものです。

  • 接続確立が不要で開始が速い
  • ヘッダが小さくオーバーヘッドが少ない
  • 到達保証や順序保証の仕組みがない
  • パケットロスや重複をアプリケーションが扱う必要がある
  • ブロードキャストやマルチキャストに対応しやすい

udpヘッダの主なフィールド

UDPヘッダはTCPと比べて非常にシンプルで、必要最低限の情報だけで構成されています。

主なフィールドを一覧で確認しておきましょう。

フィールド 役割
送信元ポート番号 送信元アプリケーションの識別
宛先ポート番号 宛先アプリケーションの識別
長さ ヘッダとデータを含む全体のサイズ
チェックサム データ破損の簡易検出

udpが活躍する代表的な用途

UDPは、一部のデータが失われても致命的ではないリアルタイム性重視のサービスでよく利用されています。

オンラインゲームの位置情報更新や、音声通話の音声パケット、ライブ配信の映像データなどは、多少の欠損よりも遅延の少なさが重要です。

また、DNSクエリや監視ツールの定期的な疎通確認など、短いメッセージを頻繁にやり取りする用途でもUDPの軽さが評価されています。

近年では、QUICのようにUDPの上で信頼性や暗号化をアプリケーションレベルで実装するプロトコルも実用化が進んでいます。

代表的なアプリケーション別のプロトコル選択

ノートパソコンの横に置かれたメガネと木製デスク

ここでは、日常的に利用される代表的なアプリケーションを題材に、どのようにTCPとUDPが使い分けられているのかを具体的に見ていきます。

webサービスでの利用

一般的なWebサイトの閲覧では、HTTPやHTTPSがTCPをベースに動作しており、ページのHTMLや画像、スクリプトなどのデータを確実に届けることが重視されています。

一方で、HTTPの新しいバージョンであるHTTPの第三世代では、QUICを通じてUDPの上で信頼性や暗号化を実現する構成も登場しています。

Webサービスの世界でも、信頼性とリアルタイム性のバランスを取りながらプロトコルが進化し続けていると言えます。

用途 プロトコルの例
通常のWebページ表示 HTTP over TCP
暗号化されたWebアクセス HTTPS over TCP
最新の高速Web通信 HTTPの第三世代 over QUIC

メールやリモート接続の通信

メールの送受信ではSMTPやIMAP、POPなどのプロトコルが使われ、どれもTCPを前提に設計されています。

リモートログインのSSHやリモートデスクトップの多くもTCPを利用し、コマンドや画面描画のデータを欠損なく届けることを優先します。

業務システムでは、こうしたTCPベースのプロトコルが複数組み合わさって動いていることが多く、ネットワーク設計でもTCPの扱いが重要な位置を占めます。

  • メール送信と受信の安定性が重要
  • 認証情報や機密データを扱う
  • 再接続時のセッション維持が必要
  • ログの完全性が求められる

オンラインゲームや音声通話の通信

オンラインゲームでは、プレイヤーの位置や行動の更新をリアルタイムに伝える必要があり、多少のパケットロスがあっても全体の流れが分かれば成立します。

そのため、多くのゲームでは位置情報などの更新にUDPを使い、ログインやマッチングなど重要な処理にTCPを使うといった使い分けが行われています。

音声通話やビデオ会議でも、音声や映像のストリームにはUDPを用い、通話開始や終了、制御情報にはTCPを用いる構成が一般的です。

サービス例 主なプロトコル構成
オンラインゲーム ゲームデータにUDPを活用
IP音声通話 音声ストリームにUDPを活用
ビデオ会議 映像と音声にUDPを活用

ポート番号の役割

ノートパソコンでデータ分析をしながらメモを取る手元

TCPとUDPはいずれもポート番号を利用してアプリケーションを識別しており、サーバ設定やファイアウォール設定ではポートの理解が欠かせません。

ポート番号の意味

ポート番号は、同じIPアドレス上で複数のアプリケーションが同時に通信するときに、どのアプリケーション宛てのデータなのかを識別するための番号です。

送信元ポート番号はクライアント側のアプリケーションを、宛先ポート番号はサーバ側のサービスを識別する目的で使われます。

よく使われるサービスにはあらかじめ標準的なポート番号が割り当てられており、設定やトラブルシューティングの際に覚えておくと便利です。

逆に言えば、意図せずポート番号を変えてしまうと、クライアントがサーバに正しく接続できなくなる可能性があります。

よく利用されるポート番号

代表的なサービスで使われるポート番号を、TCPとUDPの別も含めて整理しておきましょう。

この一覧を頭に入れておくと、ログやパケットキャプチャを読む際にも状況が理解しやすくなります。

サービス ポートとプロトコル
HTTP TCPの80番
HTTPS TCPの443番
DNS問い合わせ UDPの53番
DNSゾーン転送 TCPの53番
SSH TCPの22番

ファイアウォール設定での注意点

ファイアウォールでは、ポート番号とTCPかUDPかの別を組み合わせて許可ルールや拒否ルールを定義するのが一般的です。

同じポート番号でも、TCPとUDPで扱うトラフィックが異なるため、どちらを許可するかを明示的に指定する必要があります。

例えば、DNSの問い合わせだけを許可したい場合はUDPの53番を許可し、ゾーン転送も必要であればTCPの53番も併せて許可するといった設計が求められます。

  • サービスごとのポート番号とプロトコルを把握する
  • 不要なポートとプロトコルは閉じておく
  • 外向きと内向きの通信を分けて設計する
  • ログを定期的に確認して不審な通信を把握する

tcpとudpを理解してネットワーク設計に生かす

ノートパソコンで作業中の手と電卓と観葉植物

TCPとUDPはどちらか一方が優れているわけではなく、信頼性とリアルタイム性という異なる強みを持つ補完関係のプロトコルです。

コネクションの有無や再送制御の有無、ヘッダの重さといった違いを理解しておけば、サービスの要件に応じて適切なプロトコルを選択できるようになります。

また、ポート番号やファイアウォールの挙動と合わせて考えることで、通信トラブルの原因を素早く切り分ける力も身に付きます。

自分が設計や運用に関わるサービスについて、どこでTCPを使い、どこでUDPを使っているのかを一度整理してみることが、ネットワーク理解を深める第一歩になります。