LinuxでIPアドレスを確認したいのにコマンドや画面のどこを見ればよいか分からず手が止まってしまう人に向けて基本から整理します。
ターミナルでのコマンド操作とデスクトップ環境の画面操作の両方を取り上げて自分に合った確認方法を選べるようにします。
さらにプライベートアドレスとグローバルアドレスの違いやトラブル時の原因切り分けの考え方もまとめてネットワークの全体像をつかめるようにします。
LinuxでIPアドレスを確認する7つの基本手順
まずはLinuxで自分のIPアドレスを確認するときの全体の流れを7つのステップに分けて整理しターミナル操作と画面操作の両方で迷わないようにします。
IPアドレス確認の前に押さえたいポイント
LinuxでIPアドレスを確認するときはどのマシンのどのネットワークインターフェースを知りたいのかを最初に決めておくことが大切です。
有線接続なのかWiFiなのか仮想マシンなのかによって表示されるインターフェース名や値が変わるため目的のインターフェースを意識して画面を見る必要があります。
またサーバーやクラウド環境では管理者権限が必要な場合もあるのでsudoが使えるユーザーでログインしておくと作業がスムーズになります。
IPv4とIPv6のどちらを知りたいかによっても見るべき箇所が変わるため用途に応じてどちらが必要かを事前に決めておくとよいです。
ターミナルを開く基本操作
多くのLinuxディストリビューションではターミナルエミュレータからコマンドを入力してIPアドレスを確認します。
デスクトップ環境ではアプリケーションメニューからターミナルを選ぶかショートカットキーで起動することが多いです。
サーバー環境やクラウド環境ではSSHでリモートログインした先のシェルがそのままターミナルとして機能します。
ターミナルが開けたらプロンプトが表示されていることを確認してコマンドを入力する準備を整えます。
ip addrコマンドで情報を表示する
現在のLinuxではipコマンドを使ってIPアドレスやネットワークインターフェースの情報を確認するのが標準的な方法になっています。
最も基本的な使い方はip addr showという形で実行する方法で全インターフェースの詳細な情報が一覧表示されます。
省略形としてip aと入力しても同じ情報が表示されるため素早く確認したいときはこちらの書き方がよく使われます。
表示された結果の中でinetに続く数字がIPv4アドレスでinet6に続く数字がIPv6アドレスであり行頭のインターフェース名と組み合わせて読み取ります。
IPv4だけを表示して整理する
IPv6の情報が不要でIPv4アドレスだけを素早く確認したい場合はipコマンドにオプションを付けて表示を絞り込むと見やすくなります。
例えばip -4 addr showと入力するとIPv4の情報だけが表示されるためサーバー設定やルーター設定の際に確認したい値をすぐに見つけられます。
特定のインターフェースに絞りたいときはip -4 addr show dev eth0のようにdevでインターフェース名を指定します。
インターフェース名は環境によってeth0やens33やwlp2s0などさまざまなので自分の環境でどの名前が使われているかを合わせて把握しておくことが重要です。
ifconfigコマンドが使えるか確認する
昔からあるifconfigコマンドは今でも多くの解説記事や手順書で登場しますが新しいLinuxでは標準でインストールされていないことも増えています。
もしifconfigと入力してコマンドが見つからないと表示された場合はnet-toolsパッケージを追加インストールする必要があります。
Debian系ではsudo apt install net-toolsをRed Hat系ではsudo yum install net-toolsやsudo dnf install net-toolsを実行するケースが一般的です。
インストールが完了してからifconfigと入力すると各インターフェースの情報がまとまって表示されその中のinetの値がIPv4アドレスとして読み取れます。
hostnameコマンドでシンプルに見る
詳細な情報は不要でひとまず割り当てられているIPアドレスだけを簡単に知りたい場合はhostnameコマンドの利用が便利です。
hostname -Iと入力するとそのマシンに設定されているIPアドレスが空白区切りで並んで表示されます。
複数のインターフェースを持つマシンでは複数のIPアドレスが表示されるためどれが目的のネットワークに対応しているかを合わせて確認します。
サーバーの初期セットアップや手元のメモにアドレスを書き留めたいだけの場面ではこのシンプルな表示が役立ちます。
デスクトップ環境のネットワーク設定画面で確認する
Linuxをデスクトップとして利用している場合は専用の設定画面からIPアドレスを確認することもできます。
代表的なGNOMEデスクトップでは設定からネットワークを開き有線接続やWiFi接続を選択すると詳細情報の中にIPアドレスが表示されます。
KDE Plasmaなど他のデスクトップ環境でも同様にネットワークや接続といった項目をたどることで現在の接続情報を確認できます。
コマンドに慣れていない人は最初はこの画面操作で概要をつかみその後でipコマンドによる詳細な確認にも挑戦すると理解が深まります。
LinuxのIPアドレスの仕組みを理解する
IPアドレスを単に数値として覚えるのではなく種類や役割を理解しておくと設定やトラブル対応のときに素早く判断できるようになります。
プライベートアドレスの役割
家庭内や社内ネットワークでよく見かけるアドレスはインターネットに直接公開されないプライベートアドレスと呼ばれるものです。
ルーターはプライベートアドレスとインターネット側のグローバルアドレスを変換し内部の複数の機器が同時に外部と通信できるようにしています。
Linuxマシンに設定されているアドレスがプライベートアドレスであれば通常は家庭や社内ネットワーク内でのみ直接アクセスできると考えます。
よく使われるプライベートアドレスの帯を覚えておくとipコマンドの表示を見た瞬間におおよそのネットワーク構成をイメージしやすくなります。
- 10.0.0.0から10.255.255.255
- 172.16.0.0から172.31.255.255
- 192.168.0.0から192.168.255.255
アドレス帯の早見表
Linuxで表示されるIPアドレスがどの種類にあたるのかを素早く判断するために代表的なアドレス帯を一覧で整理しておきます。
次の表は日常的によく登場する帯域だけに絞っているため実際の運用で迷ったときの目安として活用できます。
| 種別 | 概要 |
|---|---|
| プライベートIPv4 | 家庭内や社内のローカルネットワークで利用 |
| グローバルIPv4 | インターネット上で一意に割り当てられるアドレス |
| ループバック | 127.0.0.1など自分自身を指すアドレス |
| リンクローカル | 169.254から始まる自動割り当て用アドレス |
ループバックアドレスの意味
Linuxでは127.0.0.1という特別なアドレスが自分自身を表すループバックアドレスとして予約されています。
ip addrコマンドでloというインターフェースに割り当てられている127.0.0.1を見つけた場合それはネットワークカードではなくカーネル内部の仮想インターフェースです。
Webサーバーなどをローカルホスト上で動かし外部からはアクセスさせたくないときにこのループバックアドレスを向き先として設定するケースがよくあります。
トラブルシューティングの際にはまずループバックにpingを打ちカーネル内部のネットワークスタックが正常かどうかを確かめることもあります。
環境別にLinuxでIPアドレスを確認するコマンド
同じLinuxでもサーバーやデスクトップや仮想マシンなど環境が変わると便利なコマンドや確認手順も少しずつ変わります。
サーバーでよく使うコマンド
GUIを入れていないサーバーではターミナルからのコマンドだけでIPアドレスやルーティングを把握できることが重要です。
運用現場ではログイン直後にip addrやip routeやhostname -Iなどを一通り実行して現在のネットワーク状態を素早く把握することが多いです。
複数のネットワークに接続されたサーバーではどのインターフェースがどのネットワークに属しているかをコメントや命名規則で整理しておくと読み間違いを防げます。
- ip addr
- ip -4 addr
- ip route
- hostname -I
- ss -tuln
仮想マシンやクラウド環境での確認
仮想マシンやクラウド上のLinuxではハイパーバイザーやクラウドプロバイダーが仮想ネットワークを用意しているためIPアドレスの割り当てもその仕様に従います。
多くの環境では仮想マシンのコンソールからip addrを実行すれば内部のプライベートアドレスが分かりクラウドの管理画面側ではインターネット向けのパブリックアドレスを確認します。
NATやロードバランサーを挟む構成ではLinux側のプライベートアドレスと外側から見えるグローバルアドレスが異なるため両方をセットでメモしておくと設計を把握しやすくなります。
さらに外部から見えるグローバルアドレスを確認したい場合はcurlなどで外部サービスにアクセスし応答として返されるアドレスを参照する方法もあります。
環境ごとの確認方法の比較
同じコマンドでも環境によって使いやすさや必要な情報が違うため自分が主に扱う環境に合った方法を選ぶことが効率化の近道です。
次の表はよくある環境ごとにIPアドレス確認で主に利用される手段を整理したものです。
| 環境 | 主な確認方法 |
|---|---|
| オンプレミスサーバー | ip addrとip routeによる詳細確認 |
| クラウド仮想マシン | ip addrと管理画面の情報を併用 |
| デスクトップLinux | 設定画面とipコマンドの両方を利用 |
| 組み込み機器 | シリアルコンソールからの最小限表示 |
LinuxでIPアドレス確認をするときの注意点
IPアドレスを確認する操作自体は難しくありませんが表示されない場合や複数のアドレスが並んでいる場合は原因や読み取り方に注意が必要です。
IPアドレスが表示されない主な原因
ip addrやifconfigを実行してもIPアドレスが表示されない場合はそもそもネットワークが有効になっていない可能性があります。
インターフェースがdown状態だったりケーブル未接続だったりWiFiがオフになっているとアドレスが割り当てられないため表示もされません。
DHCPサーバーからのアドレス取得に失敗しているケースも多くルーターや上位機器の電源や設定も合わせて確認する必要があります。
- LANケーブルの抜けや断線
- WiFiスイッチや機内モードのオン
- インターフェースのdown状態
- DHCPサーバーの停止
- IPアドレスの重複
複数インターフェースから正しいものを選ぶ
サーバーやノートパソコンには有線接続用とWiFi用など複数のインターフェースが搭載されていることが多くip addrの出力にも複数のアドレスが並びます。
どのインターフェースのアドレスを案内すべきかは利用シーンによって変わるため目的に応じて見るべき行を選ぶ視点が必要です。
次の表は代表的な利用シーンごとに優先して確認したいインターフェースの例を整理したものです。
| 利用シーン | 見るべきインターフェース |
|---|---|
| 社内からの有線接続 | eth0やensなど有線インターフェース |
| ノートPCのWiFi接続 | wlanやwlpから始まる無線インターフェース |
| 仮想マシンへの接続 | 仮想スイッチに接続された専用インターフェース |
| ローカル検証のみ | ループバックインターフェースlo |
公開サーバーでIPアドレスを扱うときの注意
インターネットに公開しているLinuxサーバーではIPアドレスの扱いがそのままセキュリティや可用性に直結するため確認や変更の際には慎重さが求められます。
誤って別のアドレス帯に変更してしまうとリモートから接続できなくなり復旧のためにコンソール接続やデータセンターでの作業が必要になることもあります。
ファイアウォールやセキュリティグループの設定はIPアドレスを前提に構成されているためアドレス変更時には同時にルールの見直しも行う必要があります。
運用ルールとして変更前後のアドレスとログを必ず記録し他の管理者と共有しておくことで思わぬ通信トラブルを防ぎやすくなります。
LinuxでIPアドレス確認を日常業務に生かす視点
LinuxでIPアドレスを確認する操作は最初こそ慣れが必要ですが日常的に繰り返すことでネットワーク全体のイメージを素早く掴める重要なスキルになります。
ip addrやhostnameコマンドの結果を読む習慣をつけておくとサーバー構築やトラブル対応の際にも状況把握から原因切り分けまでの時間を大きく短縮できます。
デスクトップ環境では設定画面とコマンドの両方で同じ情報を見比べることで数字だけの表示にも抵抗がなくなりネットワーク理解が一段と深まります。
今回紹介した手順や考え方を自分の環境に当てはめて練習しておくことでLinuxでのIPアドレス確認が自然な日常作業として身につきます。

