UDPとTCPの違いを徹底解説|初心者でもスッキリ理解!用途別の最適な使い分け方法

ノートパソコンとスマートフォンとコーヒーが並ぶ木製デスク ネットワーク

「UDPとTCPの違いがよくわからない」と感じていませんか。

ネットワークの基礎知識として頻出するUDPとTCPですが、その違いを正しく理解できていないと、最適な通信方式を選べず悩むこともあるでしょう。

この記事では「UDP TCP 違い」について、通信方式から信頼性、利用シーンまでわかりやすく徹底比較します。

それぞれの特徴やメリット・デメリットに触れ、具体的な選び方のヒントもご紹介。

これを読めば、UDPとTCPの違いを活用して実務に役立てる自信がつきます。

ぜひ最後までご覧ください。

UDPとTCPの違いを徹底比較

白いノートパソコンで作業する女性の手元

UDPとTCPは、インターネットやネットワーク通信においてよく使われる代表的なプロトコルです。

両者にはいくつかの大きな違いがあり、通信の用途や目的によって使い分けられています。

それぞれの違いを、具体的なポイントごとにわかりやすくご紹介します。

通信方式の違い

TCP(Transmission Control Protocol)はコネクション型の通信方式を採用しており、通信を開始する前に接続を確立します。

そのため、データが相手に届いたかどうか確認を行うことができます。

一方、UDP(User Datagram Protocol)はコネクションレス型で、事前の接続確立を行わずにデータを即座に送信します。

このためUDPは手軽で処理が速いという特徴がありますが、データの到達確認は行われません。

信頼性と速度の違い

TCPは送信したデータがきちんと相手に届くかどうかを確認しながら通信を行います。

確認応答や再送処理などを行うため、通信の信頼性が高いのが特徴です。

ただし、その分だけ処理が増えるのでUDPに比べると速度はやや遅くなります。

一方、UDPは信頼性よりも速度重視の通信です。

ミッションや応答確認など余計なやり取りがないため、通信の遅延が発生しにくいです。

データ転送時の制御方法

TCPはデータの順序や重複確認など、さまざまな制御機構を持っています。

これにより、送信したデータの順番が入れ替わってしまうことを防げるほか、データの再送も自動的に行われます。

UDPではこうした制御機構は基本的にありません。

データを送りっぱなしになるので、順序が入れ替わったり一部が欠落しても自動的には補正されません。

  • TCP:順序制御、再送制御、輻輳制御など高機能
  • UDP:シンプルな送信のみで制御機能なし

エラー処理の仕組み

TCPとUDPではエラー処理方法にも明確な違いがあります。

TCP UDP
エラー検出だけでなく、エラー発生時は自動再送 エラー検出は行うが、自動再送は行わない
信頼性の高い通信を実現 通信速度を優先し、信頼性は低い

このようにTCPはエラー時にも確実にデータを届ける仕組みがあります。

UDPはエラーが発生してもデータを再送しないため、音声や動画など多少の欠落が許容される用途に向いています。

主な利用シーン

TCPとUDPは得意分野が異なるため、使われるシーンにも違いがあります。

TCPは信頼性が求められる場面で選ばれます。

代表的な用途には以下のようなものがあります。

  • Webサイト閲覧(HTTP、HTTPS)
  • メール(SMTP、POP3、IMAP)
  • ファイル転送(FTP)

一方、UDPは速度重視やリアルタイム性が重要な場面で使われます。

  • 音声通話・ビデオ会議(VoIP、ビデオチャット)
  • ネットワークゲーム
  • オンラインストリーミング

パケットサイズとオーバーヘッド

TCPは通信制御のためにヘッダ情報が多く、パケットサイズがUDPに比べて大きくなりやすいです。

このヘッダが「オーバーヘッド」と呼ばれ、通信データの負担にもなります。

UDPのパケットはシンプルな構造なので、オーバーヘッドがとても少ないです。

結果的に、同じデータ量を送る場合でもUDPの方が負担が少なくなります。

コネクション確立の有無

TCPはデータの送受信を始める前に必ずコネクションの確立(いわゆる3ウェイハンドシェイク)を行います。

この手順によって、安定した通信環境を整えます。

一方、UDPはコネクション確立の手順を省略し、すぐにデータ送信が可能です。

これにより、通信の開始が非常に速く、遅延が最小限に抑えられます。

UDPの特徴

ノートパソコンを操作する手元とワイヤレスマウス

UDPは、インターネットなどのネットワーク通信でよく利用されているプロトコルです。

TCPと違い、通信の効率や速度を重視した仕組みとなっています。

このため、一部の用途や状況にとても適した特長を持っています。

コネクションレス通信

UDPは「コネクションレス通信」と呼ばれる方式を採用しています。

通信を始めるための事前の接続手続きが不要で、データを送りたいときにすぐ送信ができます。

これは、電話よりも手紙のやり取りに近いイメージです。

  • 事前に「接続」状態を確立しない
  • 送りたい相手に直接データを届ける
  • 相手が受け取ったかどうかも基本的に気にしない

このように手軽にデータを送信できるため、迅速なやり取りが求められる場面に向いています。

高速データ転送

UDPは高速なデータ転送が可能です。

なぜなら、通信開始の際の手続きも、データの到達確認も省略できるため、遅延が非常に小さく済みます。

これがビデオ通話やオンラインゲーム、ストリーミングなどにUDPが選ばれる理由です。

UDP TCP
高速だが信頼性は低い 信頼性が高いがやや遅い
コネクション不要 コネクションの確立が必要
リアルタイム通信に強い ファイル転送やメールに向いている

通信に少しのロスが発生しても全体の流れを止めたくないアプリケーションで重宝されています。

信頼性の低さ

UDPは、届かなかったデータをチェックしたり再送する仕組みがありません。

そのため、次のような点に注意が必要です。

  • 送信したデータが相手に届いている保証がない
  • データの順番が入れ替わる可能性がある
  • データの重複が起こる場合もある

正確なデータのやり取りや、データの欠落が問題になる用途ではUDPは不向きです。

かわりに速度やリアルタイム性を優先したい場合、UDPの特性を活かすのが最適です。

TCPの特徴

白いノートパソコンとスマートフォンとノートが置かれたデスク

TCPはインターネット上で広く利用されている通信プロトコルで、データの正確な送受信を重視している点が大きな特徴です。

複数の端末間で確実にデータを届けたい場合によく利用されます。

通信の流れやエラー処理など、通信全体を丁寧に管理していることもポイントです。

コネクション型通信

TCPは、通信を始める前に「コネクション」と呼ばれる接続を相手と確立します。

このため、双方の端末がやり取りできる状態になるまで、一連の手順を踏みます。

  • 通信前の接続確立(3ウェイハンドシェイク)
  • データのやり取り
  • 通信終了時の切断手続き

コネクション型通信により、通信中のデータが正しい順番で届くことや、途中でデータが抜けるのを防ぐ仕組みが働いています。

高い信頼性

TCPが持つ最大の特徴のひとつが、その高い信頼性です。

相手に届いたデータは必ず確認され、正常に届かなかった場合には再送されます。

機能 説明
データ再送 データが届いていない時、自動で再送信される
順序保証 送ったデータが送信した順番通りに相手に届く
エラーチェック データに異常があれば検出され、正しいデータだけを相手に渡す

このように、TCPの仕組みによって信頼性が保たれています。

通信の手順と管理

TCPでは、通信の流れ(セッション)の開始から終わりまでをきちんと管理しています。

通信開始時には「3ウェイハンドシェイク」と呼ばれる手順で信頼できる接続を作ります。

また、通信終了時にも「4ウェイハンドシェイク」と呼ばれる手順を使い、通信が完全に切断されたことを確認します。

それぞれの通信に番号や管理情報が付与されており、データがどこまで届いているか、どんなエラーが起きていないかなど、細かく管理されています。

誰といつ通信しているかを追跡しやすく、複数の通信が混在しても混乱なくやり取りできるのもTCPの大きな利点です。

UDPとTCPの使い分けポイント

黒いキーボードのテンキー部分のクローズアップ

UDPとTCPはどちらもインターネットやネットワークでよく使われる通信プロトコルですが、それぞれの特徴に合わせた適切な使い分けが重要です。

用途や目的に応じて最適なプロトコルを選ぶことで、通信の効率や快適さが大きく変わります。

用途ごとの最適選択

UDPは、通信のスピードや遅延の少なさを重視する場合に向いています。

TCPは、データの正確なやりとりや信頼性が求められる場面で選ばれます。

  • 音声通話やオンラインゲームなど、多少データが欠けても気にならない用途はUDPが最適です。
  • ファイル転送やメールの送受信など、データの欠損が困る用途ではTCPが向いています。
  • Webサイトの閲覧は誤り訂正や順序保証のためTCPを使います。

目的に応じてプロトコルを使い分けることで、ネットワークのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

リアルタイム通信とバルク転送

UDPとTCPには、リアルタイム性と大量データ転送(バルク転送)という観点でも違いがあります。

通信方式 利点 主な用途
UDP 通信速度が速く、リアルタイム処理に強い 音声・映像配信、オンラインゲーム
TCP データの信頼性が高く、順序も保証される ファイル転送、Web通信、メール

リアルタイム性を優先する場合は多少のデータロスを許容しUDP、正確なデータ転送を重視するならTCPを選ぶのが基本です。

アプリケーション例

実際にどのようなアプリケーションでUDPとTCPが利用されているか、具体例を見ていきましょう。

身近なサービスやアプリが、プロトコルの特徴を活かして使い分けていることがわかります。

例えば、SkypeやZoomなどのビデオ通話アプリはリアルタイム性を最優先しUDPを採用することが多いです。

オンラインゲームもラグを減らすためUDPを利用するケースが目立ちます。

一方で、Webブラウザ(Google Chrome、Safariなど)によるインターネット閲覧や、メールソフト(Outlook、Thunderbirdなど)、クラウドストレージのファイル送信はTCPが標準です。

このように、データの流れやアプリの目的に合わせてUDPとTCPを上手に選んでいるのです。

基本の知識を応用場面で活かすために

黒いノートパソコンのキーボードとタッチパッドのクローズアップ

これまでUDPとTCPの違いや特徴について詳しく紹介してきました。

実際の業務や学習では、この知識をどのように応用できるかが重要です。

例えば、システム開発やネットワークの設計をする際には、用途や目的に応じてUDPかTCPを選ぶ場面が多々あります。

データを確実に届けたい場合はTCPを、リアルタイム性や速度を優先したい場合はUDPを選択するのが一般的です。

その判断ができるようになると、より効率的なネットワーク構築やトラブルシューティングが実現できます。

また、普段使っているアプリケーションやサービスがどちらのプロトコルを利用しているかを意識することで、通信トラブルの原因特定やパフォーマンス向上にも役立ちます。

「UDP TCP 違い」に関する理解は、ネットワークの基礎知識を応用するうえで非常に役立つものです。

今後も意識して知識を活かし、より快適な通信環境を目指してみてください。

ネットワーク