Wordで文章を作っているときに行間がスカスカで間延びして見えたり逆に窮屈に感じたりしてしまうことがあります。
とくに履歴書やビジネス文書では限られた紙面に情報を収めるために行間を詰めたいと感じる場面が多くなります。
この記事ではWordで行間を詰めたいときの基本操作から細かな数値設定までを順番に整理して紹介します。
合わせて行間を詰めても読みやすさを損なわないための考え方やトラブルになる原因もあわせて解説します。
Wordで行間を詰めたいときの基本設定5つ
最初にWordで行間を詰めたいときに必ず押さえておきたい基本的な設定項目をまとめて確認します。
行と段落の間隔から素早く行間を詰める
もっとも手軽な方法はホームタブの行と段落の間隔ボタンを使って行間を詰めるやり方です。
行間を変えたい段落をドラッグして選択しホームタブの段落グループにある行と段落の間隔をクリックします。
表示されるメニューから一行や一一五など小さい数字を選ぶと行間が狭くなります。
全体の行間を詰めたいときはコントロールキーとエーを押して文書全体を選択してから同じ操作をします。
細かい数値指定が不要なときはこの方法だけで十分整った見た目にできます。
段落ダイアログの行間オプションを使う
行間をもっと細かく詰めたいときは行間オプションから段落ダイアログを開いて設定するのが便利です。
行間を変更したい段落を選択し行と段落の間隔メニューの一番下にある行間オプションをクリックします。
段落ダイアログが開いたら間隔の行間を単一や倍数や固定値などから選択して好みの種類を指定します。
倍数では一や一一五などの倍率で行間を詰めることができ固定値ではポイント単位でより細かく詰められます。
文字サイズとのバランスを見ながら数値を少しずつ変えて自分の用途に合う詰まり具合を探すとよいです。
段落前後の余白をゼロにして実質的な行間を狭くする
行間を詰めたつもりでも段落の前後に余白が設定されていると全体としてはまだスカスカに見えてしまいます。
同じ段落ダイアログの間隔には前と後という項目がありここに設定された数値が段落と段落の隙間を作ります。
行間をできるだけ詰めたいときは前と後をゼロまたは小さな数値にして段落間の余白を抑えます。
本文はゼロに近づけつつ見出しの前後だけを大きめの数値にすると読みやすさを保ったまま行数を稼げます。
行間が詰まらないと感じたら行間だけでなく段落前後の間隔も必ず確認する習慣をつけましょう。
文書全体の既定行間を一括で整える
長い文書で部分ごとに行間を詰めていると設定のばらつきが出てプロの資料には見えにくくなります。
文書全体の基準を揃えたいときはデザインタブの段落の間隔からプリセットを選んで一括で整えます。
元のスタイルが広めに作られている場合は少し狭いプリセットを選ぶと自然なバランスで詰められます。
一括で整えてから必要な段落だけを個別に微調整すると作業効率も見た目の統一感も高まります。
印刷レイアウトでプレビューを確認しながら数種類を試して一番読みやすい行間を選ぶと安心です。
スタイルを変更して毎回同じ行間で作成する
毎回行間を詰める設定をやり直すのは手間なので基本のスタイル自体を変更しておくと便利です。
ホームタブのスタイルギャラリーから標準などよく使うスタイルを右クリックし変更を選択します。
表示されるダイアログで右下の書式から段落を開き行間や段落前後の値を好みの数値に変更します。
下部のこのテンプレートを使用した新しい文書を選んでおくと次に作る文書も同じ行間で始められます。
社内でよく使う書式が決まっている場合は標準スタイルを共通化しておくと資料の品質が安定します。
段落ごとに行間を詰める操作手順
ここからは一部の段落だけ行間を詰めたいときに使える具体的な操作手順を段階的に整理して紹介します。
ホームタブから基本的な行間を変更する
まずは段落ごとに行間を詰めるもっとも基本的なやり方を確認しておくとその後の応用操作が理解しやすくなります。
行間を狭くしたい段落を選択しホームタブの段落グループにある行と段落の間隔アイコンをクリックします。
一行から三行までいくつかの数字が並ぶので狭くしたいときには一や一一五など小さめの数字を選びます。
選択中の段落だけが狭くなるため見出しや特定の段落だけを詰めたいときにも使いやすい方法です。
後で他の段落に同じ行間を適用したいときは書式のコピー貼り付けを使うと素早く複製できます。
行間オプションで数値を指定して微調整する
行間のプリセット数字ではちょうどよい詰まり具合にならないときは行間オプションで数値を指定します。
段落を選択した状態で行と段落の間隔メニューの一番下にある行間オプションをクリックします。
段落ダイアログの行間で倍数を選び一やゼロ八など小数点を含む値を入力するときめ細かく調整できます。
固定値を選ぶとポイント単位で行間を詰められるため十ポイントから十六ポイント程度の範囲で試すのがおすすめです。
フォントサイズより少し大きい値にすると文字が重なりにくく詰まっていても読みやすい行間になります。
ショートカットキーで素早く行間を変更する
頻繁に行間を詰めたり戻したりする作業ではショートカットキーを覚えておくと作業速度が大きく向上します。
段落を選択したうえで以下のショートカットを使うとメニューを開かずに行間を切り替えられます。
- 一行にするショートカット
- 一五倍にするショートカット
- 二倍にするショートカット
テンキーではなくキーボード上部の数字キーを使う必要がある点にも注意が必要です。
メニュー操作と組み合わせながらよく使うキーボード操作だけを覚えておくと日常業務の効率が上がります。
行間を詰めすぎたときに元に戻す方法
行間を詰めて編集しているといつの間にか窮屈なレイアウトになってしまうことがあります。
そんなときはコントロールキーとゼットで一段階ずつ元に戻すか行と段落の間隔で一一五など標準的な値に戻します。
標準スタイルの行間と比較したい場合はいったん新しい文書で同じ文章を貼り付けて見比べると違いが分かりやすいです。
行間を詰めた後に印刷プレビューを開いて読みやすさを確認する癖をつけておくと極端な設定を避けられます。
元に戻す操作を怖がらず試行錯誤することが結果的にちょうどよい行間を見つける近道になります。
文書全体の行間を整える方法
ここでは文書全体の行間を一度に整える方法やフォントサイズと行間のバランスを考えるときの目安を紹介します。
デザインタブの段落の間隔で全体を一括調整する
文書全体をまとめて詰めたいときはデザインタブの段落の間隔を利用すると数クリックで印象を変えられます。
リボンのデザインタブを開き段落の間隔ボタンをクリックすると数種類のプリセットが一覧で表示されます。
既定という設定はテンプレートが持つ標準の行間を意味し緊密などの項目を選ぶと全体の行間が狭くなります。
文章を選択せずに操作すると文書全体にまとめて適用されるため長い資料でも手間がかかりません。
各プリセットをクリックして見た目を確認し用途に合うものを選ぶだけでも行間の印象は大きく改善されます。
スタイルを編集して文書のルールとして固定する
社内資料などで毎回同じ行間を使いたい場合はスタイルの段落設定を編集してルールとして固定します。
ホームタブのスタイル一覧から標準や本文などよく使うスタイルを右クリックして変更を選択します。
ダイアログ右下の書式ボタンから段落を選び行間の種類や倍数の数値を変更して自分の基準を登録します。
このテンプレートを使用した新しい文書を有効にすると次回以降の文書作成時も同じ行間が自動で適用されます。
複数人で同じテンプレートを共有すればチーム全体の資料の見た目が揃いプロらしい印象を与えられます。
フォントサイズと行間数値の目安早見表
フォントサイズに対してどのくらい行間を詰めればよいか迷うときはおおよその目安を知っておくと判断しやすくなります。
ここでは一般的なビジネス文書で使われるフォントサイズに対する行間の目安を簡単な表で整理します。
| フォントサイズ | 十ポイント前後 |
|---|---|
| 倍数の目安 | 一から一一五 |
| 固定値の目安 | 十五から十七ポイント |
| 向いている文書 | 報告書や企画書 |
| 詰めたい場面 | 枚数を減らしたい資料 |
フォントを大きくすれば同じ数値でも行間が狭く感じにくくなるため文字サイズと行間のバランスを一緒に考えることが大切です。
最終的には実際に印刷して読み手の立場で見やすいかどうかを確認することが安心につながります。
見出しや箇条書きの行間をきれいに整えるコツ
同じ文書の中でも見出しや箇条書きや表など要素ごとに行間の見え方は変わるため部分ごとの調整も重要です。
見出しスタイルの行間を整える
見出しはフォントサイズが大きく段落前後の間隔も広く設定されていることが多いため本文とのメリハリが付きます。
しかし行間を詰めたい文書では見出しの前後だけ広すぎるとページ全体が落ち着かない印象になってしまいます。
見出し一などのスタイルを右クリックして変更を選び段落前後の数値を少し小さくすることでバランスが取れます。
行間自体は単一のままでも前後の余白調整だけでコンパクトなレイアウトに見せることが可能です。
見出しごとの行間と余白が整うとページ全体の行のリズムも安定して読みやすさが高まります。
箇条書きの行間を詰めてスッキリ見せる
箇条書きの行間は一項目ごとの距離が近いほどまとまって見えますが詰めすぎると読みにくくなるため注意が必要です。
箇条書き全体を選択してから行と段落の間隔や段落ダイアログで行間を単一から少し狭めるとちょうどよく収まります。
箇条書きの前後だけ段落前後の間隔をゼロにすると本文との切り替えが滑らかになりページの無駄な空白も減らせます。
項目数が多いリストでは途中に小見出しを入れるなど行間以外の方法でも読みやすさを工夫すると効果的です。
意味のまとまりごとに余白の量を揃えることを意識すると全体として整理された印象に仕上がります。
表やテキストボックス内の行間を調整する
表やテキストボックスの中に文章を入れると標準の行間では窮屈に感じたり逆に間延びして見えたりします。
セル内の文字を選択して右クリックからセルの配置や段落ダイアログを開き行間と段落前後を個別に調整します。
テキストボックスでは図形の書式設定から余白の値も変更できるため内部余白と行間の両方を意識するときれいに収まります。
表やボックスは領域が限られるため行間を詰めることで一枚の資料に収まる情報量を大幅に増やせます。
ただし印刷時に文字が潰れて見えないかどうかは必ず実物を確認してから最終版を決定しましょう。
行間を詰めたレイアウトで視線の流れを整える
行間を詰める作業は単に隙間を狭くするだけでなく読み手の視線の流れをデザインする作業でもあります。
本文はある程度詰めつつ見出しや図表の周りには少し余白を残すと重要な情報に視線が集まりやすくなります。
段落ごとのまとまりを意識して行間や段落前後の値を変えると文章構造が読み手に自然と伝わります。
必要な情報にすぐたどり着けるレイアウトかどうかを意識しながら行間を整えると伝わる資料に近づきます。
行間の調整は読み手への配慮として位置づけると作業の優先度を上げて取り組みやすくなります。
Wordで行間を詰めるときのよくある疑問
最後にWordで行間を詰めたいときによく出てくる疑問やトラブルの原因をまとめて確認しておきます。
行間が狭くならないときに考えられる原因
行間の数値を小さくしているのに思ったほど狭くならない場合は別の設定が邪魔をしている可能性があります。
一ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせるというチェックが有効だと行間が固定されやすくなります。
ページ設定や段落ダイアログの行と改ページで行を一緒にするなどのオプションも行間の動きを制限します。
思い通りに詰まらないときはこれらの設定を一つずつ確認し不要なチェックを外してから再度行間を調整します。
スタイルごとに設定が残っている場合もあるため問題が起きている段落のスタイルを確認することも大切です。
メイリオなどのフォントで行間が広く見える理由
同じ数値の行間でもフォントによって広く見えたり狭く見えたりするのはフォントのデザインの違いが原因です。
メイリオのように画面での読みやすさを重視したフォントは文字の上下に余白を多めにとって設計されています。
そのため同じ一行の設定でも他のフォントより行間が広く感じやすく履歴書やビジネス文書では間延びした印象になります。
どうしても詰まらないときはフォントを別の書体に変えるか行間を固定値にして数値を小さめに調整します。
フォントと行間の組み合わせで見た目が大きく変わるため用途に合うペアをいくつか持っておくと安心です。
行間を詰めても読みやすさを保つためのポイント
行間を詰めるほど一枚に入る情報量は増えますが読みやすさが落ちると結局伝わらない資料になってしまいます。
読みやすさを保つには文字サイズと行間と段落前後の三つのバランスを一緒に考えることが重要です。
本文は詰め気味でも見出しや図表の前後には少し広めの余白を残して視線の休憩ポイントを作ります。
長い段落が続く場合は適度に改行して段落自体を短くすることで行間を詰めても読みやすい構造にできます。
最終的には自分以外の人に印刷した資料を読んでもらい読みやすさの感想を聞くことが一番確実な確認方法です。
Wordで行間を調整するときに押さえておきたい要点
Wordで行間を詰めたいときは行と段落の間隔ボタンでの素早い変更と段落ダイアログでの数値指定を使い分けることが基本になります。
段落前後の余白やスタイルの設定も合わせて見直すことで文書全体の行間を統一しながら必要な枚数に情報を収められます。
フォントの特徴や読み手の状況を意識し印刷プレビューで確認しながら調整すれば読みやすさと情報量の両立が可能になります。
今回紹介した操作を覚えておけば行間に悩まされることが減りWordでの資料作成に自信を持てるようになるはずです。

