WindowsでUSBメモリや外付けHDDをフォーマットしようとしたときに「アロケーションユニットサイズ」という項目が出てきて戸惑った人は多いはずです。
なんとなく既定値のままにしているけれど実は容量効率や速度に影響があるため仕組みを知っておくと安心です。
この記事ではアロケーションユニットサイズとは何かという基本から用途別の目安やWindowsでの確認方法までを順番に整理します。
難しい専門用語をかみ砕きながら設定を変えるべきケースと変えない方がよいケースもあわせて説明します。
アロケーションユニットサイズとは何か
まずはアロケーションユニットサイズが何を意味していてストレージのどこに影響するのかを整理します。
アロケーションユニットサイズの意味
アロケーションユニットサイズとはストレージ上でファイルを保存するときにファイルシステムが使う最小の割り当て単位の大きさを指します。
別名でクラスタサイズとも呼ばれNTFSやFAT32やexFATなどのファイルシステムごとに管理されています。
例えばアロケーションユニットサイズが四キロバイトの場合は一バイトのファイルでも四キロバイトぶんの領域が占有されます。
この最小単位の大きさをどう設定するかで容量の無駄や読み書きのしやすさが変わるのがポイントです。
クラスタとセクタの関係
ストレージは物理的にはセクタと呼ばれる小さな単位に分割されていて多くのディスクでは五百十二バイトや四キロバイトが一セクタです。
複数のセクタをまとめて一つの部屋のように扱ったものがクラスタでありそのクラスタの大きさがアロケーションユニットサイズです。
ファイルシステムはどのクラスタが空いているか使用中かを管理しながらファイルを配置していきます。
そのためセクタはハードウェア側の最小単位でアロケーションユニットサイズはファイルシステム側の最小単位だとイメージすると理解しやすくなります。
容量効率のしくみ
アロケーションユニットサイズが容量効率にどう影響するのかは具体例で見ると分かりやすいです。
例えば三十七キロバイトのファイルをアロケーションユニットサイズ四キロバイトのドライブに保存した場合には十個のクラスタが必要になりトータル四十キロバイトを消費します。
同じファイルをアロケーションユニットサイズ十六キロバイトのドライブに保存すると三個のクラスタで済みますが実際には四十八キロバイトを消費することになります。
このようにアロケーションユニットサイズを大きくすると管理するクラスタ数は減りますがファイルサイズとの端数の差によって余白が増え無駄な領域が増える仕組みです。
読み書き速度への影響
速度面ではアロケーションユニットサイズが小さければ小さいほど一つのファイルがより多くのクラスタに分割されるため管理の手間が増えます。
クラスタが細かいほど断片化も起こりやすく散らばったデータをたどる必要があるため連続した大きなファイルの読み書きでは速度低下につながる場合があります。
一方でアロケーションユニットサイズを大きくすると一つのファイルを少ないクラスタで扱えるので連続した読み書きがしやすくなり一定の条件では速度面で有利です。
ただし現代のSSDや大容量HDDではコントローラ側のキャッシュや最適化も効いているため理論通りの速度差が常に出るわけではない点には注意が必要です。
Windowsで表示される場面
WindowsではUSBメモリやSDカードや外付けHDDを右クリックしてフォーマット画面を開くとファイルシステムの下にアロケーションユニットサイズの選択欄が表示されます。
ここで選べる数値はファイルシステムと容量の組み合わせによって自動的に決められており極端な値は選択肢に出てきません。
何も変更しなければ既定値が使われるため多くのユーザーは意識せずに利用していても問題なく使えています。
しかし用途に応じて最適化したい場合にはこの選択肢の意味を理解しておくとより納得感のある設定ができます。
設定できる範囲と制限
アロケーションユニットサイズとして指定できる値はファイルシステムによっておおよその範囲が決まっています。
例えばFAT三十二ではボリュームサイズに応じて五百十二バイトから三十二キロバイトの間で既定のクラスタサイズが定義されています。
NTFSでは通常のWindows環境では多くのドライブが四キロバイトを標準としてフォーマットされます。
このように好きな数値を自由に打ち込めるわけではなくファイルシステム側の仕様に従った候補から選ぶ形になることを覚えておきましょう。
「変えたら速くなる」という誤解
アロケーションユニットサイズをいじるとパソコン全体が劇的に速くなるというイメージを持つ人もいますが実際にはそう単純ではありません。
ファイルサイズの分布やアクセスパターンによって有利な設定は変わりむしろ不利になるケースもあります。
特にシステムドライブや一般的なデータドライブではWindowsが選ぶ既定値がバランスの良い選択肢になっていることがほとんどです。
そのため具体的な目的やボトルネックが見えていない状態で安易に変更することは推奨できません。
アロケーションユニットサイズを変更するメリットとデメリット
ここからはアロケーションユニットサイズをあえて既定値から変更する場合にどのようなメリットとデメリットがあるのかを整理します。
サイズを小さくする場合の特徴
アロケーションユニットサイズを小さくすると一つ一つのクラスタが細かくなるため小さなファイルを多く保存する用途で容量効率が良くなります。
例えばテキストファイルや設定ファイルやアイコン画像など数キロバイト程度のファイルが大量にある場合には無駄なすき間が少なくなります。
一方でファイル数が増えるほど管理するクラスタの数も増えファイルシステムのメタデータも増大します。
結果としてディレクトリの一覧取得やバックアップがやや重くなる要因になることがあります。
サイズを大きくする場合の特徴
アロケーションユニットサイズを大きくすると一つのファイルが少ないクラスタでまとまるため連続した読み書きには有利になります。
動画編集用の大容量データやバックアップイメージのように百メガバイト以上のファイルが中心になる用途では管理負荷を減らせます。
ただし小さなファイルを保存したときにはファイルサイズに比べて実際に消費する容量が大幅に増えてしまう点がデメリットです。
そのため日常的なデータを何でも入れるドライブを極端に大きなアロケーションユニットサイズでフォーマットするのは現実的ではありません。
小さなファイルが多い用途の考え方
小さなファイルが大量に発生する用途では容量効率を優先してアロケーションユニットサイズを小さめにしておくのが一般的です。
- ソースコードや設定ファイルが多い開発用フォルダ
- テキスト主体のドキュメントサーバー
- ログファイルが多数生成される監視用ストレージ
- 小さな画像ファイルが中心のウェブ素材置き場
ただし極端に小さくしすぎると管理情報が増えパフォーマンスに悪影響を与えることもあるため標準値より一段階小さい程度を目安にするのが安全です。
大きなファイルが多い用途の考え方
大容量ファイルを主に扱う用途ではアロケーションユニットサイズをやや大きめに設定してクラスタ数を減らすのが有利な場合があります。
例えば動画編集用のスクラッチディスクやバックアップイメージ専用のドライブでは四キロバイトよりも大きなクラスタを選ぶ運用も見られます。
ストレージベンダーやソフトウェアによっては推奨値が示されていることもあるためその指針を優先するのが安全です。
ただし同じドライブを汎用的に使う場合には用途が混在しやすいため現実的には既定値のまま運用するケースが多くなります。
Windowsでのアロケーションユニットサイズの確認と変更手順
ここではWindows環境で現在のアロケーションユニットサイズを確認したり必要に応じて変更したりするための代表的な方法をまとめます。
エクスプローラーで確認する手順
USBメモリや外付けドライブのアロケーションユニットサイズを手軽に確認するにはエクスプローラーのフォーマット画面を使う方法があります。
対象のドライブを右クリックしてフォーマットを選ぶとファイルシステムの下に現在のアロケーションユニットサイズがプルダウン形式で表示されます。
実際にフォーマットを実行しなくてもこの画面を開くだけで既定値としてどのサイズが選ばれているかを確認可能です。
誤ってフォーマットを実行しないよう必ずキャンセルで画面を閉じることを忘れないでください。
コマンドプロンプトでNTFSクラスタサイズを調べる
NTFSドライブのクラスタサイズをより正確に知りたい場合はコマンドプロンプトからfsutilコマンドを実行する方法があります。
管理者権限でコマンドプロンプトを起動しfsutilスペースfsinfoスペースntfsinfoスペースドライブレターコロンという形式で入力します。
表示された情報の中のBytesスペースPerスペースClusterという項目がアロケーションユニットサイズをバイト単位で示しています。
四千九十六と表示されていれば四キロバイトクラスタでフォーマットされているという意味になります。
PowerShellで確認する方法
複数ドライブのクラスタサイズをまとめて把握したい場合にはPowerShellからボリューム情報を取得する方法も便利です。
管理者権限のPowerShellでGetスペースWmiObjectスペースクラスwin三二アンダースコアvolumeパイプSelectスペースLabelカンマBlockSizeといったコマンドを実行します。
これによりNTFSを含む各ボリュームのラベルとブロックサイズつまりアロケーションユニットサイズが一覧表示されます。
スクリプト化すればサーバー環境など多数のドライブを持つマシンでも定期的な確認やレポート出力に活用できます。
変更するときの注意点
アロケーションユニットサイズを実際に変更するには基本的にドライブを再フォーマットする必要があり中のデータは一度消えると考えるべきです。
そのため作業前には必ず別のストレージにバックアップを取りフォーマット後にデータを戻す手順を準備しておきます。
システムドライブやリカバリ領域など重要なパーティションについてはメーカーやOSベンダーの推奨値から外れないことが大切です。
専用のパーティション管理ソフトを使うとデータを保ったまま変更できる場合もありますが失敗のリスクを十分理解した上で自己責任で利用する必要があります。
用途別に見るアロケーションユニットサイズの目安
ここでは一般的なWindowsユーザーがよく使う用途ごとにアロケーションユニットサイズをどう考えるかの目安をまとめます。
一般的なWindowsデータドライブの目安
家庭やオフィスで利用する通常のWindowsデータドライブではOSが提案する既定のクラスタサイズを選んでおけば多くのケースで十分です。
それでも大まかな目安を知っておきたい場合は次のようなイメージを参考にできます。
| 用途 | 一般的な個人データ保存 |
|---|---|
| 推奨ファイルシステム | NTFS |
| 推奨アロケーションユニットサイズ | 標準の四キロバイト |
| 対象ファイル例 | 写真や文書や音楽ファイル |
| 重視するポイント | 容量効率と安定性のバランス |
特別な要件がない限りはこのような標準設定のまま運用するのがトラブルを避けるうえでも安心です。
USBメモリとSDカードでの目安
USBメモリやSDカードは容量が比較的小さく用途も限定されやすいためアロケーションユニットサイズを少し意識しておくと効率的です。
おおまかな考え方としては次のようなポイントがあります。
- 三十二ギガバイト以下で小さなファイル中心なら四キロバイト前後
- 動画や写真だけを入れる大容量メディアならより大きなクラスタも候補
- ゲーム機や家電で使う場合は機器メーカーの推奨設定を優先
- 複数の機器で共用する場合は互換性を最優先して既定値を選択
特にカメラや録画機器向けでは説明書に推奨のファイルシステムやフォーマット方法が記載されていることが多いので必ず確認してください。
外付けHDDやNASでの目安
外付けHDDやNASのように容量が大きくバックアップや共有ストレージとして使う場合はアロケーションユニットサイズをやや大きめにする運用も選択肢です。
ただしWindowsから直接フォーマットする外付けHDDであれば標準の四キロバイトを選んでおけばまず問題ありません。
NASの場合は内部のファイルシステムやクラスタサイズをNAS専用OSが管理していることが多くユーザーが任意に変更できないケースもあります。
そのためNASで性能を最適化したいときはクラスタサイズよりもネットワーク設定やRAID構成やキャッシュなど他の要素を優先的に見直すと良いでしょう。
データベースや仮想マシンなど特殊用途の例
データベースサーバーや仮想マシンのストレージなど特定のワークロードに特化した環境ではアロケーションユニットサイズの推奨値が明示されていることがあります。
例えばSQLサーバーではデータファイルを格納するNTFSボリュームを六十四キロバイトクラスタでフォーマットすることがよく推奨されています。
これはデータベース内部で扱うページサイズや連続するエクステントのサイズとクラスタサイズを合わせることでアクセスパターンを最適化する狙いがあります。
このような特殊用途では一般的なPC向けの目安よりもまずベンダーのドキュメントやベストプラクティスを確認しそれに従うことが重要です。
アロケーションユニットサイズを選ぶときによくある質問
最後にアロケーションユニットサイズに関して多くのユーザーが抱きやすい疑問とその考え方をまとめます。
既定値のままと自分で指定する場合の違い
もっともよくある疑問が既定値と自分で指定した値のどちらを使うべきかという点です。
一般的なPCや外付けドライブでは既定値が多くの用途に対してバランスを取った設定になっています。
それに対して自分で値を変えるのは特定の用途に完全に割り切ったドライブを用意するときなど限定的な場面に向いています。
迷ったときは既定値を選び特定の性能要件が明確な場合にのみ変更を検討するというスタンスが無難です。
既存ドライブのサイズだけ変えられるか
すでにデータが入っているドライブのアロケーションユニットサイズだけを後から変えたいというニーズもよくあります。
しかし一般的な手段ではクラスタサイズの変更には再フォーマットが必要であり中身のデータはいったん退避しなければなりません。
一部のパーティション管理ソフトはデータを保持したままクラスタサイズを変更できると説明していますが失敗時のリスクは避けられません。
重要なデータを扱う場合は安易な変更よりも新しいドライブを用意して最初から目的に合った設定でフォーマットする方が安全です。
SSDの寿命や耐久性への影響
アロケーションユニットサイズを変えるとSSDの寿命が大きく伸びたり縮んだりするのではないかと心配する声もあります。
実際にはSSD内部ではウェアレベリングやキャッシュなど独自の仕組みで書き込みが均等化されているためクラスタサイズの違いだけで寿命が極端に変わることは多くありません。
むしろ大きなファイルの書き換えや頻繁なランダム書き込みがどれほど行われているかの方が寿命への影響は大きいです。
そのためSSDに関してはアロケーションユニットサイズよりもファームウェアの更新や空き容量の確保や適切なバックアップ体制などを優先して意識するとよいでしょう。
ゲームや動画編集では変更した方がよいか
ゲームのインストール先や動画編集用ドライブではアロケーションユニットサイズを大きくすると速くなるという情報も見かけます。
確かに大容量のゲームデータや動画ファイルが中心であれば大きめのクラスタサイズが理論上有利な場面があるのは事実です。
しかし実際の体感差は環境によって大きく変わりストレージよりもCPUやGPUやメモリがボトルネックになっていることも多いです。
そのためまずは標準設定で運用し必要に応じてベンチマークや実作業で比較検証したうえで専用ドライブを用意するのが現実的なアプローチです。
アロケーションユニットサイズを理解してストレージを上手に使う
アロケーションユニットサイズはストレージ上でファイルを保存する最小単位であり容量効率や読み書きの特性に影響する重要な概念です。
とはいえ日常的なPC利用ではWindowsが選ぶ既定値のままで大きな問題は起こらず用途を絞った専用ドライブを作るときにだけ意識すれば十分です。
自分の環境で扱うファイルの大きさや用途を一度整理しておけば既定値を信頼してよい場面とあえて設定を変えるべき場面の見極めがしやすくなります。
仕組みを理解したうえでアロケーションユニットサイズを味方につければストレージをより効率よく安心して活用できるようになるはずです。

