Windows10のパソコンが正常に起動しない、またはトラブルが発生した際、「セーフモード」を使って何とか解決したいと思った経験はありませんか。
中でもF12キーを使った起動方法はよく耳にしますが、実際の操作手順や注意点に自信がない方も多いはずです。
本記事では、Windows10でセーフモードをF12キーから起動する手順や、メーカーごとの違い、起動できない時の原因とその解決法まで、わかりやすく解説します。
さらにF12キー以外のセーフモード起動方法や、よくあるトラブルの対処例も紹介。
「正しいセーフモードの使い方」を知り、パソコントラブルへの不安を安心に変えましょう。
Windows10でセーフモードをF12キーで起動する手順と注意点

Windows10をセーフモードで起動したいとき、F12キーが使えるかどうかや正しい操作手順が分かりにくいと感じる方も多いです。
パソコンの機種やメーカーによってF12キーの扱いが異なるため、事前に仕組みや注意点を知ることが大切です。
ここではF12キーに関する基本から実際の操作方法、注意事項やトラブル時の対応まで順を追って説明します。
F12キーの役割とWindows10での対応状況
F12キーは、パソコン起動時に特定の機能を呼び出すためのキーです。
多くのメーカーでは起動デバイス選択メニュー、いわゆる「Boot Menu」を表示させるために使われることが一般的です。
しかし、F12キーそのものに直接「Windows10をセーフモードで起動する」機能が割り当てられているわけではありません。
Windows10では基本的にOS自体や回復オプションを利用してセーフモードを呼び出します。
F12キーは、あくまで起動デバイス(USBやDVDから起動など)の選択に利用されます。
パソコンメーカーごとのF12キー対応例
パソコンによってF12キーの役割が異なる場合があります。
主なメーカーごとのF12キーの用途をまとめました。
メーカー名 | F12キーの主な役割 |
---|---|
NEC | Boot Menu表示 |
富士通 | Boot Menuまたはリカバリーメニュー |
東芝 | Boot Menu表示 |
Lenovo | Boot Menu表示(モデルによりF12または他のキー) |
DELL | Boot Menu表示 |
HP | Boot Menu表示(多くはF9) |
各メーカーやモデルによってF12以外のキーが使用されていることもありますので、取扱説明書やメーカーのサポートサイトで確認しましょう。
F12キーで起動する場合の操作タイミング
F12キーを使ってBoot Menuに入るには、パソコンの電源を入れた直後にF12キーを押す必要があります。
メーカーによってはロゴマークが表示された瞬間や起動音がした直後など、細かいタイミングの違いがあります。
- パソコンの電源を完全に切る
- 電源ボタンを押す
- ロゴや最初の画面が現れたらすぐにF12キーを繰り返し押す
- Boot Menu画面が表示されることを確認する
一度Windows10が起動してしまうとF12ではBoot Menuを呼び出せないので、あせらず素早くキーを押しましょう。
F12キーからセーフモードに進む具体的な手順
F12キーで直接セーフモードに入ることはできませんが、F12でBoot Menuから回復メディアやインストールメディアを選択し、そこからセーフモードに進めます。
- 事前にWindows10インストールUSBや回復ドライブを用意します
- パソコンの電源を切り、準備したメディアを挿入します
- 電源を入れ、すぐにF12キーを繰り返し押してBoot Menuを表示させます
- 起動メディア(USBやDVDなど)を選択してEnterキーを押します
- 「コンピューターを修復する」や「トラブルシューティング」を選びます
- 「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を順に選択します
- 再起動後、「4」または「F4」キーでセーフモードを起動します
この流れで、F12キーをきっかけとしてセーフモードに入ることができます。
F12キーで起動できない時の原因と対処方法
F12キーでBoot Menuが表示されない場合は、以下の原因が考えられます。
- F12ブートメニュー機能が無効になっている(BIOS/UEFIで設定が必要)
- セーフモードや起動オプションキーが別のキーに割り当てられている
- キーボード自体の不具合やUSBキーボードが認識されていない
- パソコンの起動速度が速く、F12を押すタイミングを逃している
対処方法としては、BIOS/UEFI設定画面でF12 Boot Menuを有効にする、正しいキーを調べて使う、USBキーボードの場合は別のポートに挿すなどの対応が有効です。
それでもうまくいかない場合は、メーカーやサポートへ相談するのも良いでしょう。
F12キーによるBIOS・UEFIメニューとセーフモードの違い
F12キーを使う場面でよく混同されがちなのが、BIOSやUEFIメニューとセーフモードの違いです。
F12で呼び出せるのは多くの場合「Boot Menu」という起動デバイスを選択するメニューです。
一方、BIOSやUEFIメニューは「F2」や「DEL」など他のキーで起動します。
Boot MenuはOS本体の起動前に利用でき、起動方法やトラブル対処の目的で使われます。
セーフモードはWindows自体が制限モードで起動するもので、トラブル時や不要なプログラム・ドライバが絡む問題の切り分けに使われます。
それぞれの役割を知っておくと、トラブルの際に正しい操作ができるようになります。
F12キー使用時の注意点とトラブル事例
F12キーを使う場合、いくつかの注意点や実際に起こりやすいトラブルがあります。
特に次のような点に気をつけましょう。
- F12キーが効かないときはキーボードの不良や無効化設定の確認をする
- パソコンによってはF12以外のキーを使うこともあるので説明書を確認する
- Boot MenuからUSBやDVDを選ぶと、保存していなかった作業が失われることがある
- 高速スタートアップが有効だとF12が反応しにくい場合がある
また、よくあるトラブル事例として、別のキーを連打してBIOS設定が変わってしまったり、知らず知らずのうちに起動順位を変更してしまうケースも見られます。
操作に不安がある場合は、大事なデータのバックアップを取ってから進めることをおすすめします。
F12キー以外を使ったWindows10のセーフモード起動方法

Windows10でセーフモードを起動する際、F12キー以外にもいくつかの方法があります。
状況に応じて使いやすい方法を選んで、パソコンのトラブル対処やメンテナンスに役立ててください。
設定メニューからの起動方法
まずは、パソコンが通常通り起動できる場合に便利な方法です。
Windows10の設定メニューから簡単にセーフモードを起動できます。
- スタートメニューを開き、「設定」(歯車マーク)をクリックします。
- 「更新とセキュリティ」を選びます。
- 左側メニューで「回復」をクリックします。
- 「今すぐ再起動する」をクリックします(「PCの起動をカスタマイズする」の箇所)。
- 再起動後に「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」と進み、「再起動」を選択します。
- 再起動後、表示されるオプションの中から「4」キーもしくは「F4」キーでセーフモードを選びます。
この方法なら、パソコンを操作しながら確実にセーフモードで立ち上げることができます。
Shiftキー併用の再起動方法
もし設定メニューを探すのが面倒な場合や、ログイン画面からアクセスしたい場合はShiftキーを使った方法が便利です。
以下の手順で進めてください。
手順 | 操作内容 |
---|---|
1 | スタートボタンをクリックし、「電源」メニューを表示します |
2 | Shiftキーを押したまま「再起動」を選択します |
3 | 「オプションの選択」画面になったら「トラブルシューティング」をクリックします |
4 | 「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」の順に進みます |
5 | 再起動後、番号キーで「セーフモード」を選びます |
この方法はサインインできないときにも使ってみてください。
msconfig(システム構成)を使う方法
msconfig(システム構成)ツールを利用することで、次回の再起動時に自動的にセーフモードで起動するよう設定できます。
- 「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「msconfig」と入力してEnterキーを押します。
- 「システム構成」ウィンドウが開いたら、「ブート」タブをクリックします。
- 「ブートオプション」の中にある「セーフブート」にチェックを入れます。
- 「OK」を押して、再起動するとセーフモードでWindows10が起動します。
- 通常モードに戻すには、msconfigから「セーフブート」のチェックを外して再起動してください。
この方法は繰り返しセーフモードで起動したい場合や設定を変更したい場合に便利です。
セーフモードで起動できない場合の原因

Windows10をセーフモードで起動しようとした際、F12キーを使ってもうまく起動できない場合はいくつかの原因が考えられます。
代表的なトラブルの要因を知っておくことで、スムーズに問題に対処できるようになります。
ここでは特に多い原因を3つに分けて説明します。
パスワード画面での操作ミス
セーフモードへ進もうとしても、パスワード画面での手順を間違えてしまう場合があります。
具体的には、次のようなミスがよく起こります。
- F12キーを押すタイミングが遅く、通常起動になってしまう
- パスワード入力前に操作するべきキーを押していない
- キーボードのロック(NumLockやCapsLock)が誤って有効になっているため、うまく入力できていない
こうした操作ミスが原因の場合は、一度手順を落ち着いて見直すことが大切です。
ハードウェアトラブル
セーフモードでの起動ができない状態が続く場合、ハードウェアに問題が生じている可能性も考えられます。
特に多いトラブルの例を以下の表にまとめました。
トラブル内容 | 主な対処法 |
---|---|
キーボードが故障している | 別のキーボードで試してみる |
パソコン本体や周辺機器の接続不良 | ケーブルや接続端子を確認する |
HDDやSSDの異常 | 診断ツールで状態をチェックする |
ハードウェアに原因がある場合は、専門業者に相談することも検討しましょう。
システムファイルの破損
Windows10がセーフモードでうまく起動できないとき、システムファイルの破損が疑われることがあります。
これは何らかの原因で重要なファイルが欠損していたり、誤った書き換えが行われている場合に発生します。
システムファイルが破損していると判断した場合は、以下の方法を試すことが推奨されます。
- 「システムの修復」機能を利用する
- コマンドプロンプトで「sfc /scannow」を実行してみる
- 最終手段としてWindowsの再インストールを検討する
データ消失のリスクもあるため、何らかの対応を行う前に重要なファイルのバックアップを作成してください。
Windows10のセーフモード利用でよくあるトラブルと解決策

Windows10をセーフモードで起動する際にF12キーを使うことがありますが、その手順や利用中に発生しやすいトラブルに悩まされる方も少なくありません。
例えば、セーフモードから通常モードに戻れない、ドライバーがうまく動作しない、ネットワーク接続ができないなどの事例が挙げられます。
それぞれのトラブルに対して正しい対処方法を知っておくことで、安全かつ快適にWindows10を利用できるようになります。
セーフモードから抜けられない時の対処
セーフモードでパソコンを起動した後、通常のモードに戻れなくなるケースは意外と多いです。
この場合は「システム構成(msconfig)」を使った確認が有効です。
具体的な手順は次の通りです。
- キーボードの「Windowsキー」と「Rキー」を同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
- 「msconfig」と入力して「OK」をクリックします。
- 「ブート」タブを開き、「セーフ ブート」のチェックを外します。
- 「適用」→「OK」を押して、パソコンを再起動してください。
これらの操作で通常モードに戻ることができるはずです。
それでも解決しない場合には、Windows10の修復機能やリカバリーオプションの利用を検討しましょう。
ドライバー問題の対応方法
セーフモードでは多くのデバイスドライバーが無効化された状態で起動するため、一部の周辺機器やソフトウェアがうまく動作しない場合があります。
ドライバーの問題を解決するためには、以下の確認ポイントに注意しましょう。
トラブル状況 | 主な対処方法 |
---|---|
特定のデバイスが認識されない | 通常モードに戻ってから最新ドライバーをインストール |
ドライバーエラーで起動できない | デバイスマネージャーで問題のドライバーを削除して再インストール |
インストールに失敗する | 公式サイトから最適なバージョンをダウンロードして再試行 |
ドライバーを更新する場合はセーフモードではなく、できるだけ通常モードで行うのが基本です。
不具合が解消しない場合は、パソコンの製造元のサポート情報も確認しましょう。
セーフモードでネットワーク接続できない場合の対応
セーフモードにも「ネットワークあり」と「ネットワークなし」の2種類の起動方法があります。
ネットワーク接続が必要な場合は必ず「セーフモードとネットワーク」を選択しましょう。
- 起動時に「F12」キーや「Shift+再起動」でオプション画面を開く
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」から「セーフモードとネットワーク」を選ぶ
- ネットワークドライバー自体が壊れている場合、通常モードでの修復・再インストールも検討する
特にWi-Fiや有線LANが全く表示されない場合には、LANドライバーの破損が原因となっていることもあります。
このような場合はデバイスマネージャーから該当するネットワークアダプターを一旦削除し、再起動後に自動的に再インストールされるかを確認してください。
それでも解決しない場合、別のパソコンからドライバーをダウンロードしてインストールする方法も有効です。
セーフモードを使ったトラブル解決の具体例

セーフモードは、Windows10が正常に動作しないときやトラブルが発生した場合に、大変役立つ機能です。
シンプルな環境でWindowsを起動でき、本来の問題点を突き止めやすくなるため、状況に応じてさまざまな対処法に使われています。
起動しないパソコンの復旧ケース
Windows10のパソコンが突然起動しなくなったとき、セーフモードが力を発揮します。
たとえば起動途中でフリーズしてしまった場合や、黒い画面のまま動かなくなった場合、F12キーを使ってブートメニューを表示し、セーフモードで立ち上げることで、不要なドライバーやアプリを読み込まず、最小限の環境で動作させることができます。
これにより、原因となっているソフトウェアやドライバーを特定しやすくなります。
パソコンが通常の状態に戻るきっかけを作れるだけでなく、必要に応じてシステムの復元を行うことも可能です。
ウイルス駆除時の活用例
パソコンがウイルスに感染してしまった場合も、セーフモードは有効な対策になります。
通常の起動状態ではウイルスが自動的に実行されてしまうことがありますが、セーフモードを使えばウイルス関連のプログラムが起動しづらくなります。
これにより、ウイルス対策ソフトを安全に起動して駆除作業を進めやすくなります。
- セーフモードでウイルス検出率が向上
- 不審なプログラムの削除が簡単になる
- 駆除後、正常な状態で再起動を確認できる
パソコンの安全を取り戻すためにも、ウイルス駆除時にはセーフモードの活用がおすすめです。
アプリや設定の不具合対応事例
新しいアプリをインストールした直後や、設定を変更した後にパソコンの調子が悪くなることがあります。
こんなときもセーフモードは解決の糸口となります。
セーフモードではアプリや設定の影響を最小限に抑えてパソコンが動作するため、問題箇所を特定しやすくなります。
状況 | セーフモードでできる対応 |
---|---|
アプリインストール後に動作不良 | 該当アプリのアンインストールや復元ポイントの活用 |
設定変更後にエラー多発 | 設定の元戻しや自動起動アプリの無効化 |
ドライバー更新後の問題発生 | 以前のドライバーへロールバック |
セーフモードを使えば、不具合の発生源をしっかり切り分けられるので、落ち着いてトラブル対応ができます。
Windows10のF12セーフモード活用の要点と今後の対策

ここまでで、Windows10のセーフモード起動方法や、実際にF12キーを使用する場面について説明しました。
F12キーを使った起動方法は、主にパソコンメーカーごとの特徴や機種によって異なる場面があるため、自分のパソコンの仕様やマニュアルをチェックすることが重要です。
セーフモードは、システムのトラブル時にとても便利な機能ですが、このモードだけですべての問題が直るとは限りません。
そのため、日頃からバックアップを取る習慣をつけ、いざという時も慌てずに対処できるように準備しておきましょう。
今後の対策としては、Windowsアップデートやセーフモード起動方法の変更にも注目しておくことが大切です。
突然のトラブルに備えて、家族や友人と情報共有をしておくのもおすすめです。
セーフモードの活用方法を知っておくことで、パソコンが起動しない場合でも冷静に原因究明や修復が行いやすくなります。
日ごろから使い方を確認し、もしもの時に慌てず対応できるようにしておくことが安心につながります。