Windows11の動作が重くなったり不具合が続いたりするときは、初期化で環境をリセットすると改善することがあります。
ただし初期化のやり方や選ぶ項目を間違えると、大切なデータを失ってしまうリスクもあります。
ここではWindows11を初期化するときの流れと注意点を整理し、自分に合った選択肢を判断できるようになることを目指します。
初期化前にやっておきたい準備や起動できない場合の対処法も合わせて紹介するので、実行前に一度読み通しておきましょう。
Windows11を初期化するときの基本手順5ステップ
まずはWindows11を初期化するときの大まかな流れを五つのステップに分けて確認します。
初期化の目的を理解しながら進めることで、必要以上にデータを消してしまうリスクを減らせます。
ここで紹介するのはWindows11が通常どおり起動できる状態から設定アプリを使って初期化する標準的な方法です。
初期化の目的を理解する
初期化はWindows11の設定やアプリを一度リセットし、トラブルの原因になっている可能性がある部分をまっさらに戻す操作です。
動作が極端に遅いときや原因不明のエラーが頻発するときなど、通常の再起動や更新でも改善しない場合の最終手段として選びます。
不要なアプリが増えすぎて整理しきれないときや、パソコンを誰かに譲渡するときにも初期化は有効です。
どこまで消えるのかを事前にイメージしておくと、後で後悔しない選択がしやすくなります。
スタートメニューから回復設定を開く
Windows11を初期化するときはスタートボタンから設定アプリを開き、システムの項目へ進みます。
システム画面を下にスクロールすると回復というメニューがあるので、それをクリックして回復オプションを表示します。
ここで表示される回復オプションの中にこのPCをリセットするためのボタンが用意されています。
普段からシステムと回復の位置を覚えておくと、トラブル時にも慌てずに操作しやすくなります。
このPCをリセットを選択する
回復画面の中にあるこのPCをリセットするという説明付きのボタンをクリックすると初期化のウィザードが起動します。
ウィザードではいくつかの選択肢が順番に表示されるので、自分の目的に合う項目を選びながら進めていきます。
ここから先は実際にデータに影響する操作が含まれるため、慌てず一つ一つの説明を読みながら進めることが大切です。
個人用ファイルを保持するか削除するか選ぶ
最初に表示される重要な選択肢が個人用ファイルを保持するかすべて削除するかという違いです。
個人用ファイルを保持するを選ぶとドキュメントや写真など自分のデータは残したままアプリや設定だけが初期化されます。
すべて削除するを選ぶとユーザーデータを含めて広い範囲が消えるため、譲渡や廃棄の前にしっかりデータを消したい場合に向いています。
それぞれの特徴は次のようにイメージしておくと選びやすくなります。
- 個人用ファイルを保持する
- すべて削除する
- トラブル解消を優先するケース
- 譲渡や売却を想定するケース
クラウドダウンロードかローカル再インストールを選ぶ
続いてWindowsの再インストール方法としてクラウドからダウンロードするかローカル再インストールを行うかを選択します。
クラウドからダウンロードはインターネット経由で最新に近いWindowsのイメージを取得してインストールする方法です。
ローカル再インストールはパソコン内に保存されているシステムファイルを利用して再インストールする方法で、通信量を増やしたくないときに向いています。
どちらを選ぶか迷ったときはネット回線の速度やデータ容量の制限を基準に考えると判断しやすくなります。
Windows11を初期化する前に必ず確認したいこと
初期化の手順自体はボタン操作だけで進められますが、その前に確認しておかないと困るポイントがいくつかあります。
バックアップやアプリのライセンスなどを事前に整理しておくと、初期化後の復旧作業がぐっと楽になります。
ここではWindows11を初期化する前に最低限確認しておきたい準備事項を四つの観点から紹介します。
保存しておきたいデータの洗い出し
初期化前には自分が残しておきたいデータを整理し、どこに保存されているかを把握しておくことが重要です。
デスクトップやドキュメントフォルダーに散らばっているファイルだけでなく、別ドライブや外付けディスクにあるデータも見直します。
クラウドストレージを使っている場合でも、同期されていないファイルが残っていないかを確認しておきましょう。
代表的な保存場所は次のようなイメージになります。
- デスクトップの作業ファイル
- ドキュメントやピクチャなどのユーザーフォルダー
- 別ドライブや外付けドライブのデータ
- メールソフトやブラウザのデータ
- クラウドとローカルの同期フォルダー
アプリとライセンス情報の控え
初期化すると多くのアプリがいったん削除されるため、再インストールしたいソフトの一覧をメモしておくと安心です。
有料ソフトを使っている場合はプロダクトキーやアカウント情報を控えておかなければ、再認証時に困ることがあります。
ブラウザの拡張機能やプリンターのユーティリティなど見落としやすいものも含めて、必要なものを整理しておきましょう。
ソフトの一覧は紙のメモでも構いませんが、クラウドに保存したテキストやスプレッドシートにまとめておくと後から見返しやすくなります。
サインイン方法とパスワードの確認
初期化後のセットアップではMicrosoftアカウントやローカルアカウントのサインイン情報が必要になります。
普段自動サインインにしていてパスワードを忘れている場合は、事前に再設定して控えておくとスムーズです。
二段階認証を利用している場合は、認証アプリやメールにアクセスできる別の端末も用意しておくと安心です。
会社や学校から貸与されているパソコンの場合は、初期化前に管理者の許可が必要なケースもあるので必ず確認しましょう。
初期化にかかる時間と電源の準備
Windows11の初期化にはある程度の時間がかかるため、作業中に電源が切れないよう準備しておくことが大切です。
ノートパソコンでは必ずACアダプターを接続し、デスクトップでも電源を落とさず放置できる時間帯に実行します。
おおよその目安を把握しておくと、予定の合間に実行しても途中で慌てずに済みます。
| 利用環境 | 自宅やオフィスで安定した電源がある状態 |
|---|---|
| 作業時間の目安 | およそ一時間から数時間程度 |
| 推奨タイミング | 長時間パソコンを操作しない夜間や休日 |
| 注意点 | 初期化中は電源ボタンを押したりケーブルを抜いたりしないこと |
Windows11が起動しないときに初期化する方法
通常はWindows11が起動した状態から初期化を行いますが、そもそも起動できないトラブルに見舞われることもあります。
その場合は回復環境や外部メディアを使って初期化や再インストールを行う必要があります。
ここではWindows11が正常起動できないときに試せる代表的な初期化の方法を紹介します。
回復環境からトラブルシューティングを開く
Windows11が不安定でも何とか起動できる場合はシフトキーを押しながら再起動を選ぶことで回復環境を呼び出せます。
再起動後に表示されるオプションの選択画面からトラブルシューティングを選ぶと、さらに詳細な修復メニューが開きます。
この中にこのPCを初期状態に戻すという項目が用意されており、通常の設定アプリからと同じような初期化が可能です。
ログイン画面の状態からでもシフトキーを押しながら電源メニューの再起動を選べば同様に回復環境へ移動できます。
このPCを初期状態に戻すを選ぶ
回復環境のトラブルシューティングメニューからこのPCを初期状態に戻すを選ぶと、ウィザード形式の初期化画面が表示されます。
ここでも個人用ファイルを保持するかすべて削除するか、クラウドダウンロードを使うかローカル再インストールにするかを順番に選択します。
通常起動できない状態でもこの方法で初期化が行えるため、多少のシステム不具合なら回復が期待できます。
ただしハードディスク自体の故障が疑われる場合は、初期化の途中で止まってしまうこともあるので無理に繰り返さないよう注意が必要です。
外部メディアでの再インストールを検討する
回復環境でも正常に初期化できない場合は、USBメモリなどに作成したインストールメディアからWindows11を再インストールする方法があります。
別のパソコンでMicrosoftが提供しているメディア作成ツールを使い、インストール用のUSBメモリを作成して起動します。
メーカー製パソコンの場合は専用のリカバリーメディアや隠しパーティションからのリカバリー機能が用意されていることもあります。
どの方法を選ぶかはパソコンのメーカーや型番によって異なるため、取扱説明書やメーカーサイトをあらかじめ確認しておくと安心です。
- Microsoft公式のインストールメディア
- メーカー独自のリカバリーメディア
- 内蔵リカバリーパーティション
- 専門業者への相談
起動できないときに使える初期化方法の早見表
起動できない状況ではどの方法が自分の状態に合うのか判断しづらいため、代表的な選択肢を一覧で整理しておきましょう。
それぞれの方法が向いているケースを把握しておくと、いざというときに迷わず行動しやすくなります。
| 方法 | 回復環境からの初期化 |
|---|---|
| 想定される状態 | 一応起動はするが不安定な状態 |
| 難易度の目安 | メニュー操作ができれば実行しやすい |
| 別メディアの必要性 | 原則として不要 |
| 別案 | インストールメディアやメーカーリカバリーを検討する |
Windows11の初期化で選べる項目の違い
Windows11の初期化では個人用ファイルの扱いや再インストール方法など、いくつかの選択肢を組み合わせて実行します。
それぞれの項目の違いを理解しておくことで、自分の用途に合った安全な初期化が選べます。
ここでは個人用ファイルの保持か削除かとクラウドダウンロードかローカル再インストールかという二つの軸について整理します。
個人用ファイルを保持する選択肢の特徴
個人用ファイルを保持するを選ぶと、デスクトップやドキュメントなどのユーザーデータを残したままWindows11のシステムやアプリを初期化できます。
動作の重さや設定の不具合をリセットしつつ、写真や資料などを別途バックアップから戻す手間を減らせるのが利点です。
ただし一部の設定やアプリデータは残ることもあるため、完全な工場出荷状態にしたい場合には向きません。
主なメリットと注意点は次のように整理できます。
- ユーザーファイルを残しながらトラブル解消を目指せる
- バックアップからの復元作業を一部省略できる
- 設定やアプリが完全には消えない場合がある
- 譲渡や売却には適さない
すべて削除する選択肢の特徴
すべて削除するを選ぶとユーザーデータも含めて広範囲が消去され、より工場出荷時に近い状態へ戻ります。
パソコンを手放す前に個人情報をできるだけ残したくない場合や、長年の設定やアプリを完全に整理したい場合に適しています。
その一方でバックアップを取っていなかったファイルは戻せなくなるため、実行前の準備が何より重要です。
社用パソコンや共有パソコンの場合は、組織のルールに従って実行してよいか必ず確認しましょう。
クラウドダウンロードとローカル再インストールの比較
クラウドからダウンロードとローカル再インストールは、どちらもWindows11を再インストールする方法ですが仕組みと向いているケースが異なります。
選択に迷ったときはインターネット回線の状況やパソコン内部の状態を基準に考えると判断しやすくなります。
| 項目 | クラウドからダウンロード |
|---|---|
| インターネットの必要性 | 高速で安定した回線が必要 |
| データ通信量の目安 | 数ギガバイト程度のダウンロードが発生する可能性 |
| ローカル環境への依存度 | 内蔵のシステムファイルが壊れていても実行しやすい |
| 向いているケース | 通信量に余裕がありシステムファイルの損傷が疑われる場合 |
| 別の選択肢 | ローカル再インストールは通信量を抑えたい場合に適する |
どの組み合わせを選ぶかの目安
個人用ファイルの扱いと再インストール方法は組み合わせて選ぶことになるため、自分の目的を整理しておくと迷いにくくなります。
トラブル解消を優先するのか、譲渡や処分を前提に徹底的にデータを消したいのかで最適な選択肢は大きく変わります。
次のようなイメージで自分に近いケースを考えると、どの組み合わせが良いか決めやすくなります。
- 普段使いを続けたい場合は個人用ファイル保持とクラウドダウンロード
- データを残しつつ通信量を抑えたい場合は個人用ファイル保持とローカル再インストール
- 譲渡前に徹底的に消したい場合はすべて削除とクラウドダウンロード
- 回線が不安定な環境ではすべて削除とローカル再インストール
Windows11の初期化を安全に進めるための要点
Windows11の初期化はトラブル解消に有効な一方で、大切なデータを失うリスクも併せ持った操作です。
実行前には保存しておきたいファイルの洗い出しとバックアップを行い、アプリやライセンス情報も整理しておくことが重要です。
個人用ファイルを保持するかすべて削除するか、クラウドからダウンロードするかローカル再インストールにするかといった選択肢の意味を理解しておきましょう。
起動できない場合でも回復環境やインストールメディアなど複数のルートがあるため、慌てずに自分の状態に合う方法を選ぶことが大切です。
準備と選択のポイントを押さえておけば、Windows11の初期化を通じてパソコン環境を安全かつ快適な状態に整え直すことができるはずです。

