ふだん快適に使っているWindowsパソコンで、突然ネットワークが表示されない問題に遭遇し、困ってしまった経験はありませんか。
大事なファイルの共有やプリンター接続ができず、業務や作業がストップしてしまうと焦りを感じるものです。
実はWindowsのネットワークが正しく表示されない症状には、いくつか共通した原因や対策が存在します。
このページでは「Windowsでネットワークが表示されない」時に、まず確認したいポイントから根本的な解決策まで分かりやすく解説します。
すぐに役立つチェック方法もまとめているので、このまま続きをご覧ください。
Windowsでネットワークが表示されない場合にまず確認すべきポイント

Windowsでネットワークが表示されない場合には、いくつかの基本的なポイントを確認することがトラブル解決への近道です。
設定ミスやシステムの一時的な不具合など、意外と見落としやすい原因が多いので、順番にチェックしていくことが重要です。
ネットワーク探索の設定
ネットワーク探索が無効だと、同じネットワーク内の他のパソコンやデバイスを表示できません。
コントロールパネルの「ネットワークと共有センター」から「共有の詳細設定の変更」を開きます。
「ネットワーク探索を有効にする」にチェックが入っているかを確認しましょう。
この設定がオフになっていると、パソコン同士が見つけられなくなります。
- ネットワーク探索をオンにする
- 変更した場合は「変更の保存」をクリック
- 一部の環境では管理者権限が必要な場合があります
ファイル共有の有効化状況
ネットワーク経由でファイルやフォルダーを共有するためには、ファイル共有が有効になっている必要があります。
「共有の詳細設定」のなかで「ファイルとプリンターの共有を有効にする」が選択されているか確認してください。
これが無効のままだと、ほかのPCからアクセスできない場合があります。
設定項目 | 推奨設定 |
---|---|
ファイルとプリンターの共有 | 有効 |
ネットワーク探索 | 有効 |
プライベートネットワーク設定の確認
ネットワークの種類が「パブリック」になっていると、セキュリティが強化され、他の機器が表示されにくくなります。
ネットワーク設定から現在接続しているネットワークの種類を「プライベート」に変更することで、通信がしやすくなります。
これにより、家庭内や社内でのパソコン同士の表示や共有がスムーズに行えるようになります。
ファイアウォールの影響
Windowsファイアウォールやセキュリティソフトが原因で、ネットワークの表示やアクセスがブロックされていることがあります。
一時的にファイアウォールを無効にして、ネットワークにアクセスできるかどうかを確認しましょう。
無効にする場合は、作業が終わったら必ず有効に戻してください。
特定のポートやサービスだけ許可設定する方法もあります。
ワークグループの一致確認
Windows同士でネットワークに表示されるには、同じワークグループ名を使っている必要があります。
異なる名前が設定されていると、お互いが見えません。
「システム」の設定画面からパソコン名とワークグループ名を確認し、統一しましょう。
ネットワークドライバーの状態
ネットワークドライバーが古かったり不調だったりすると、ネットワーク自体が正常に動作しなくなります。
デバイスマネージャーでネットワークアダプターの状態を確認し、エラーや警告マークがあればドライバーの更新や再インストールを試してください。
正しく認識されていない場合は、メーカー公式サイトから最新ドライバーをダウンロードしましょう。
PCの再起動の必要性
設定変更後や何らかの誤動作が疑われる場合は、パソコンを再起動してみましょう。
一時的なソフトの不具合やキャッシュトラブルで表示されないケースも多いため、リセットすることで解決する場合があります。
特に複数の設定を変更したときや、ネットワーク関連のサービスが停止している際には再起動が効果的です。
Windowsでネットワークが表示されない主な原因

Windowsでネットワークが表示されないトラブルは、さまざまな要因によって発生します。
具体的には、ネットワーク上の他のパソコンや共有フォルダが見えなくなってしまう理由には、システムの設定変更やネットワーク上の機能不全、サービスエラーなどが挙げられます。
原因を突き止めて対処することで、ネットワークが正しく利用できるようになります。
SMBプロトコルの問題
Windowsネットワークで共有が表示されない場合、SMBプロトコル(Server Message Block)が正しく機能していないことがよくあります。
SMBプロトコルは、Windows同士のファイル共有やネットワーク上のパソコンやプリンタの閲覧に不可欠な通信方式です。
Windows 10以降では、古いSMB 1.0のサポートがセキュリティの理由から標準で無効になっていることがあります。
そのため、ネットワーク上に古い機器がある場合や、設定によってSMBが有効化されていない場合にネットワークが見えなくなることがあります。
代表的なSMB関連のトラブルには以下のようなものがあります。
- SMB 1.0が無効になっている
- 最新バージョンのSMB非対応の機器がある
- SMBのバージョンが異なる端末同士の非互換
- ファイアウォール設定でSMB通信が遮断されている
設定画面でSMB1.0/CIFSファイル共有のサポートを有効にしたり、各デバイスでSMBバージョンを揃えることで、問題を解消できる場合があります。
マスタブラウザの不具合
Windowsでは、ネットワーク上のコンピュータを一覧表示するために「マスタブラウザ」という役割を持ったパソコンがネットワーク内に存在します。
このマスタブラウザが正常に機能しない場合、他のパソコンや共有フォルダがネットワーク一覧に表示されなくなることがあります。
例えば、マスタブラウザとなっているマシンがシャットダウンした場合や、ネットワークの切断・復旧直後などは、マスタブラウザの選出がうまくいかず一時的に表示が不安定になることがあります。
マスタブラウザが原因となる症状の例を、次の表にまとめました。
状況 | 発生しやすいトラブル |
---|---|
ネットワークリーダー機の電源断 | ネットワーク一覧が空になる |
LAN構成変更直後 | 一部しか表示されない |
OSアップデート後 | ネットワーク機器が見えない |
ネットワーク機器それぞれの再起動や、マスタブラウザとして安定して稼働するパソコンを決めておくことで、表示トラブルのリスクを軽減できます。
サービスの停止
Windowsのネットワーク機能には複数のシステムサービスが連携しています。
サービスの中には「Function Discovery Resource Publication」「SSDP Discovery」「TCP/IP NetBIOS Helper」など、ネットワーク探索や共有に必要不可欠なものがあります。
これらのサービスが停止していると、ネットワーク表示が正しく行われません。
よくあるケースとして、不要なサービスを無効化した際に誤ってネットワーク関連のサービスも停止させてしまうことや、Windowsアップデートによる設定変更などがあります。
サービスの状態を確認する手順は以下の通りです。
- Windowsの「サービス」アプリを開く
- 該当するサービスが「実行中」になっているか確認する
- 停止中の場合は「開始」を選択する
サービスが適切に稼働していれば、多くのネットワーク探索の問題が解消されます。
Windowsでネットワークが表示されない場合の解決策

Windowsでネットワークが表示されないトラブルは、多くのユーザーが経験する代表的な問題です。
原因はさまざまですが、一つひとつ対処方法を試していくことで多くの場合は解決が期待できます。
主な対処方法を順番にご紹介します。
ネットワーク設定のリセット
ネットワーク設定が意図せず変更されていると、接続できるはずのネットワークが表示されないことがあります。
その場合はネットワーク設定のリセットが効果的です。
Windows画面の「設定」から「ネットワークとインターネット」を選択し、「状態」→「ネットワークリセット」をクリックします。
これによりネットワークアダプターが初期状態に戻るので、多くの接続トラブルが解消されます。
必要なサービスの起動
Windowsのネットワークに関わるサービスが停止していると、ネットワークが一覧に表示されないことがあります。
特に以下のサービスが動作しているか確認しましょう。
- Function Discovery Provider Host
- Function Discovery Resource Publication
- SSDP Discovery
- UPnP Device Host
「サービス」アプリで名称を探して右クリックし「開始」を選択してください。
もし「自動」になっていなければ、プロパティから「自動」に変更すると次回以降も安心です。
SMBv1機能の追加・有効化
古いNASや共有フォルダーなどへの接続には、SMBv1というプロトコルが必要な場合があります。
Windows10以降では初期状態でSMBv1が無効化されています。
共有フォルダーがネットワークに表示されない場合はSMBv1を有効にすることで解決することがあります。
手順 | 内容 |
---|---|
1 | 「コントロールパネル」→「プログラム」→「Windowsの機能の有効化または無効化」を開きます。 |
2 | SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポートにチェックを入れます。 |
3 | パソコンを再起動します。 |
これで古いNASや共有フォルダーがネットワーク一覧に表示されるようになります。
ネットワークドライバーの再インストール
ネットワークドライバーの不具合や破損もネットワークが表示されない原因です。
「デバイスマネージャー」を開き、「ネットワークアダプター」を右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
パソコンを再起動すると自動的にドライバーが再インストールされます。
自分で最新ドライバーをダウンロードして手動でインストールする方法もありますので、メーカーサイトを確認してください。
最新Windowsアップデートの適用
Windowsのアップデートをしばらく行っていない場合、ネットワーク接続機能が正常に動作しないケースがあります。
アップデート方法は以下の通りです。
- 「設定」から「更新とセキュリティ」を開きます。
- 「Windows Update」を選択し、「更新プログラムのチェック」で最新の状態に更新します。
- 更新後は必ずパソコンを再起動しましょう。
常にWindowsを最新のバージョンに保つことで、ネットワーク接続の安定性も向上します。
ネットワークが表示されない場合に役立つ便利なチェック方法

Windowsでネットワークが表示されない場合、複数の確認方法を知っておくと、素早く原因を特定しやすくなります。
日常的に行える方法から、少し専門的なものまでを順番に試していくことで、トラブルの早期解決につながります。
それぞれの手順を丁寧にチェックしながら進めてみましょう。
コマンドプロンプトでのネットワーク確認
コマンドプロンプトを使えば、ネットワーク接続の状態を詳しく確認することができます。
「Windowsキー+R」で「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを開きます。
代表的なコマンドと、その役割は以下の通りです。
コマンド | 説明 |
---|---|
ipconfig | 現在のIPアドレスやネットワーク状態の確認 |
ping | 指定したアドレスへの通信確認 |
tracert | 通信経路の確認 |
netstat | 現在の接続状況の表示 |
これらを利用することで、物理的な接続には問題がないか、通信経路が途切れていないかなど、問題の切り分けが可能です。
イベントビューアーの利用
イベントビューアーでは、ネットワーク関連のエラーや警告を時系列で確認することができます。
次の手順でイベントビューアーを開いてみましょう。
- 「Windowsキー+R」で「eventvwr」と入力して実行
- 左側のメニューから「Windowsログ」→「システム」を選択
- リスト内から「警告」や「エラー」の記載を探す
- 該当のイベントをダブルクリックで詳細を確認
イベントビューアーのメッセージには、デバイス異常やドライバーの不具合など、ネットワークが表示されない原因となる情報が記録されている場合があります。
原因特定の手掛かりを得たいときに役立ちます。
他のPCやデバイスとの比較
自分のPCだけがネットワークに表示されない場合や、他の端末も同様なのかを比較してみましょう。
他のPCやスマートフォン、タブレットで同じネットワークが問題なく使えているか確認します。
下記のような状況ごとに原因が異なる可能性があります。
比較結果 | 予想される原因 |
---|---|
他の端末でも表示されない | ルーターや回線などネットワーク全体の問題 |
自分のPCのみ表示されない | PC側の設定や無線アダプタ、ドライバーの不具合 |
どこに問題があるのかを明確にするためにも、他のデバイスとの比較は重要です。
ルーターやネットワーク機器の状態確認
ネットワークが表示されない場合、ルーターやモデムなどのネットワーク機器の動作状況も外せません。
主な確認ポイントはこちらです。
- 各機器の電源が正常に入っているか確認
- 異常を示すランプの点滅状態や色をチェック
- LANケーブルや電源ケーブルが確実に接続されているか確認
- 一度電源を入れ直してリセットしてみる
ルーターやネットワーク機器の設定に誤りがないかを確認し、取扱説明書も一度読んでみると安心です。
機器側に問題がなかった場合は、上記で紹介したパソコン側のチェック手順に戻って再度確認を行いましょう。
Windowsネットワーク表示問題の解決イメージ

ここまでWindowsのネットワークに関する表示トラブルについて原因や対処法を取り上げてきました。
ネットワークが表示されない場合でも、焦らず手順をひとつずつ確認していくことで、問題を解決できる可能性が高くなります。
基本的なポイントは、ネットワーク設定や共有設定の見直しを丁寧に行い、必要に応じて再起動やトラブルシューティングツールの利用も検討することです。
また、パソコンやルーターの環境によって表示トラブルの原因や解決策が変わる場合もあるため、状況に応じて適切な対処を心がけましょう。
今回の記事で紹介した内容を参考にして、ご自身のWindowsネットワーク表示問題がスムーズに解決することを願っています。