Wordで作成した資料をPDFに変換するとレイアウトが崩れずに共有しやすくなります。
一方で変換方法を誤ると文字化けや印刷トラブルの原因になりかねません。
この記事ではWordをPDFに変換する主な手順と用途別の選び方を整理しながら安全に活用するコツを解説します。
WindowsやMacはもちろんオンラインサービスやスマホからの変換方法まで順番に整理していきます。
WordをPDFに変換する基本の手順5パターン
ここではWordをPDFに変換するときに代表的な手順を方法別に整理して紹介します。
それぞれの方法の特徴や向いている用途を知っておくと状況に応じて最適な変換手順を選びやすくなります。
はじめに普段の業務で使いやすい標準的な方法から見ていきましょう。
Wordの保存機能を使う
最も基本的な方法はWordの保存メニューから直接PDF形式を選ぶやり方です。
Windows版でもMac版でもファイルメニューから名前を付けて保存を選びファイルの種類でPDFを指定すれば変換できます。
追加のソフトを入れずに済むため社内のルールが厳しい環境でも使いやすい方法です。
レイアウトも比較的きれいに保たれるのでまず試すべき標準手順と言えます。
| 方法 | Wordの名前を付けて保存からPDFを選ぶ |
|---|---|
| 利用ツール | Microsoft Word |
| 料金 | Officeライセンス内で追加費用なし |
| 操作の難易度 | 低 |
| 主なメリット | 追加ソフト不要でレイアウトも保ちやすい |
| 主な注意点 | 古いWordでは一部機能が使えない場合がある |
印刷メニューからPDFを出力する
プリンタとしてPDFを選ぶ方法も代表的な変換手順の一つです。
印刷ダイアログでプリンターにPDFを選びページ範囲や両面などの設定を行ったうえで保存します。
紙に印刷するイメージがそのままPDFになるためページ番号やヘッダーの見え方を確認しやすいのが特徴です。
レイアウトを印刷物前提で調整したいときに向いている方法と言えます。
| 方法 | 印刷ダイアログからPDFプリンターを選ぶ |
|---|---|
| 利用ツール | Microsoft Print to PDFや仮想プリンター |
| 料金 | 標準機能なら無料 |
| 操作の難易度 | 低 |
| 主なメリット | 印刷イメージをそのままPDFにできる |
| 主な注意点 | しおりなどPDF特有の機能は付きにくい |
オンライン変換サービスを使う
Wordがインストールされていないパソコンでもブラウザ経由のオンライン変換サービスならPDFを作成できます。
代表的なサービスではファイルをドラッグアンドドロップするだけで自動的にPDFに変換されます。
インストール不要で複数ファイルの一括変換にも対応しているサービスが多くサブ機やテレワーク端末でも便利です。
ただし機密情報を含む文書はアップロード前に社内ルールを必ず確認しましょう。
| 方法 | ウェブサイトにWordファイルをアップロードして変換 |
|---|---|
| 利用ツール | SmallpdfやiLovePDFなどのオンラインサービス |
| 料金 | 基本機能は無料で利用可能 |
| 操作の難易度 | 低 |
| 主なメリット | Wordがない端末でも手軽に変換できる |
| 主な注意点 | 機密文書のアップロードには情報管理上の配慮が必要 |
Googleドキュメントで変換する
Googleドキュメントを使うとブラウザだけでWord文書を開きPDF形式でダウンロードできます。
Word形式のファイルをGoogleドライブにアップロードしてGoogleドキュメントで開きダウンロード形式をPDFに指定します。
複数人で内容を共同編集してからPDFとして配布したいときに便利な方法です。
Microsoft Officeライセンスがないメンバーと混在したチームでも活用しやすい選択肢と言えます。
| 方法 | GoogleドキュメントからPDFとしてダウンロード |
|---|---|
| 利用ツール | Googleドキュメント |
| 料金 | Googleアカウントがあれば無料 |
| 操作の難易度 | 低 |
| 主なメリット | クラウド上で共同編集してからPDFにできる |
| 主な注意点 | レイアウトがWordと完全一致しない場合がある |
スマホアプリで変換する
外出先ではスマホ版のWordアプリやPDFアプリから直接PDFに書き出す方法が便利です。
Microsoft 365アプリやAdobe AcrobatのモバイルアプリではWord文書を開いてPDFとして保存できます。
メール添付のWordをすぐにPDFに直して送り返したいときにも役立ちます。
ただし画面が小さいため最終確認は可能ならパソコン側でも行っておきましょう。
| 方法 | スマホアプリからPDF形式で保存 |
|---|---|
| 利用ツール | Microsoft 365モバイルアプリやAdobe Acrobatモバイル |
| 料金 | アプリ本体は無料が多く一部機能は有料 |
| 操作の難易度 | 中 |
| 主なメリット | パソコンがなくてもその場でPDF化できる |
| 主な注意点 | 細かなレイアウト確認には不向き |
古いWordやWordがない環境で対応する
古いバージョンのWordやWord自体がインストールされていないパソコンでは別のアプリを経由する方法が有効です。
LibreOfficeなどの無料オフィススイートでWordファイルを開きPDFとしてエクスポートする手順が代表的です。
またブラウザ型の編集ツールやクラウドサービスを組み合わせればライセンスがない端末でも最低限の変換作業が行えます。
重要度の高い資料では最終版をOffice環境でも確認して差異がないか確認しておきましょう。
| 方法 | 別のオフィスソフトやクラウドツールで開いてPDF出力 |
|---|---|
| 利用ツール | LibreOfficeや各種オンラインエディター |
| 料金 | 多くは無料または低価格 |
| 操作の難易度 | 中 |
| 主なメリット | WordがなくてもPDF変換が可能 |
| 主な注意点 | レイアウト互換性に差が出やすい |
用途別にWordからPDFへ変換するときの考え方
同じPDFでも社内共有用なのか取引先提出用なのかで求められる品質や設定は変わります。
ここでは用途ごとに意識したいポイントを整理しどの変換方法を選ぶべきかの目安をまとめます。
目的に合った手順を選ぶことで余計なトラブルを減らしスムーズに活用できます。
社内共有のときのポイント
社内共有が目的なら読みやすさとファイルサイズのバランスを意識すると扱いやすくなります。
標準の保存機能や印刷メニューからのPDF出力で十分なケースが多いでしょう。
部署内でよく使うテンプレートはあらかじめPDF化前提でレイアウトを整えておくと作業が効率的です。
次のような観点を目安に設定を選ぶと失敗が減ります。
- 標準の保存形式か最小サイズかの選択
- ページ番号や日付の表示有無
- 社内フォントの使用可否
- コメントや変更履歴の削除
- 閲覧デバイスの画面サイズ
取引先に送るときの注意点
取引先や顧客に送るPDFでは見た目の印象と情報漏えいリスクの両方に配慮する必要があります。
フォントを埋め込んで文字化けを防ぎつつ必要に応じてパスワード保護を設定すると安心です。
提出ルールが事前に決められている場合はファイル名や容量制限も確認しておきましょう。
主な確認項目を表形式で整理しておきます。
| 確認項目 | 想定受け手と提出ルール |
|---|---|
| レイアウト | ページ番号や社名ロゴの位置 |
| フォント | 一般的な日本語フォントを使用 |
| セキュリティ | パスワードや印刷制限の設定 |
| ファイルサイズ | メール送付時の容量制限内かどうか |
電子申請に提出するときの条件
行政手続きや入札などの電子申請ではPDFの仕様が細かく指定されていることがあります。
バージョンやカラーモードの指定がある場合は事前に要項を読み込み変換後のファイル情報も確認しましょう。
ページ追加や書き込みが禁止されている申請ではパスワードや編集制限の有無にも注意が必要です。
疑問があれば申請窓口に事前問い合わせを行いトラブルを未然に防ぐ姿勢が大切です。
Web掲載に使うときの工夫
自社サイトや採用ページにPDFを掲載する場合は閲覧者の通信環境も意識した設計が求められます。
画像が多い資料は圧縮率を調整して容量を抑えつつ必要な解像度を維持しましょう。
タイトルや文書プロパティにキーワードを入れておくと検索結果からも内容が分かりやすくなります。
工夫したいポイントを箇条書きで整理してみます。
- ファイル容量の目安を数MB以内に抑える
- スマホ閲覧を想定した文字サイズ
- リンク付き目次の設定
- アクセシビリティに配慮した構成
- ファイル名に内容を示すキーワードを付ける
WordからPDFへ変換するときにレイアウトを崩さないコツ
PDF変換時に多い悩みが文字のズレや画像位置の崩れなどのレイアウトトラブルです。
ここでは事前に準備しておくと崩れにくくなるポイントをテーマごとに整理します。
テンプレート化しておくと毎回の変換作業がぐっと安定してきます。
フォントと文字化けへの対策
レイアウトを守るうえでフォント選びは特に重要なポイントです。
閲覧側の環境に存在しないフォントを使うと置き換えが発生し行末の折り返しが変わってしまいます。
可能な限り標準的な日本語フォントを使いタイトルと本文の種類も必要最小限に絞りましょう。
変換後に別の端末で一度開き文字化けが起きていないかを確認する習慣を付けると安心です。
- 標準フォントを優先して使用
- 装飾フォントは見出しだけに限定
- 文字間隔や行間をデフォルトから大きく変えすぎない
- 太字や色分けは最小限にする
- 別端末で試し開きを行う
画像や図表をきれいに出力する
画像や図表はPDF変換時に荒くなったり位置がずれたりしやすい要素です。
貼り付け前に解像度を適度に整え挿入後は図の書式設定からレイアウトオプションを確認しましょう。
テキストの折り返し設定によっても見え方が変わるため印刷プレビューで最終確認を行うと安心です。
パワーポイントなどから図を画像として書き出してから貼ると安定しやすくなります。
ページ設定と余白の整え方
ページサイズや余白設定が適切でないとPDFにしたときにページ数が増えたり改行位置がずれたりします。
用途に応じてページ設定を見直しレイアウトが崩れにくい余白バランスに整えましょう。
代表的な設定例を表にまとめると次のようになります。
| 用途 | 社内資料 |
|---|---|
| ページサイズ | A4縦 |
| 余白の目安 | 上下左右ともに20mm前後 |
| 段組 | 必要な場合のみ二段組を使用 |
| 行数の目安 | 一ページあたり30行前後 |
レイアウト崩れを防ぐ確認項目
最後にPDFに変換する前に確認しておきたいポイントをチェックリスト的に整理します。
毎回同じ観点で見直すことでレイアウト崩れによる差し戻しや作り直しを減らせます。
特に複数ページにわたる資料では冒頭と末尾だけでなく中程のページも合わせて確認しておきましょう。
次のような項目を意識しておくと安定したPDFを作りやすくなります。
- 見出しレベルとスタイルが統一されているか
- ページ番号と総ページ数の表示方法
- 表や図のキャプション位置
- 改行と空行の入れ方にムラがないか
- 章ごとに余白やインデントがそろっているか
オンライン変換サービスを使うときの安全性と注意点
オンライン変換サービスはとても便利ですが情報管理の観点からは慎重な運用が必要です。
ここではメリットとリスクを整理しどのような判断基準で使い分けるべきかを考えます。
社内ルール作りのヒントとして活用してください。
無料オンラインサービスのメリット
オンライン変換サービスの魅力はインストール不要で環境を問わず利用できる点です。
ブラウザさえあればMacやWindowsだけでなくChromebookやLinux端末からでも変換作業が行えます。
複数ファイルの一括変換や圧縮機能を備えたサービスも多くスポット的な利用に適しています。
代表的な利点を整理すると次のようになります。
- インストール不要ですぐに使える
- 異なるOSでも同じ操作感で使える
- 一括変換や圧縮などの付加機能
- ブラウザだけで完結する手軽さ
- 無料枠でも十分使えるケースが多い
セキュリティリスクと対策
一方で文書を外部サーバーにアップロードする以上セキュリティリスクがゼロになることはありません。
多くのサービスでは暗号化や一定時間後の自動削除などの対策を取っていますが重要度の高い情報は避けるのが基本です。
社内規程で機密レベルごとの利用可否を明確に決めておくと判断に迷いにくくなります。
リスクと対策の関係を表形式で整理すると次のようになります。
| 想定リスク | 第三者によるファイルアクセス |
|---|---|
| 推奨対策 | 機密文書はアップロードしない |
| 保存期間 | 自動削除機能の有無を確認 |
| 通信経路 | HTTPSで暗号化されているサービスを利用 |
| 社内ルール | 利用可能なサービスをリスト化して周知 |
企業利用でのルールづくり
会社としてオンラインサービスを利用する場合は個人判断に任せずルールを明文化することが重要です。
業務で許可するサービスと禁止するサービスを明確にし取扱説明を社内ポータルなどで共有しましょう。
新しいツールを使いたいという相談があった場合は情報システム部門と連携して安全性を検証してから導入します。
定期的にルールを見直すことで実態に即した運用を続けやすくなります。
トラブル別にWordからPDFへ変換できないときの対処法
実際の現場ではPDF変換時に予期せぬトラブルが発生することがあります。
ここでは代表的な症状ごとに原因の候補と対処の方向性を整理します。
困ったときに順番に試せるリストとして手元に置いておくと安心です。
PDFに変換すると文字が消える
PDFでは表示されるのに一部の文字が欠けたり段落ごと消えてしまう場合はフォントや図形の扱いが影響していることが多いです。
テキストボックスやワードアートを多用していると変換エンジンによっては正しく処理されないことがあります。
問題の箇所を通常の段落スタイルに戻したうえで再度変換すると改善するケースがよく見られます。
実務で確認したい観点を箇条書きで挙げておきます。
- 特殊なフォントを一般的なフォントへ変更する
- ワードアートを通常のテキストに変更する
- テキストボックスを表や段落に置き換える
- 変換方法を保存機能と印刷機能で比較する
- 別の端末やアカウントでも症状が出るか確認する
ファイルサイズが大きすぎて送れない
画像を多く含むWord文書をそのままPDFにするとファイルサイズが大きくなりメール送付の上限を超えてしまうことがあります。
この場合は画像の圧縮や保存オプションの変更で容量を抑えるのが基本的な対処法です。
メールで送付する前提なのかクラウド共有前提なのかで許容サイズも変わるため目的に応じて調整しましょう。
用途別のおおよその目安を表にまとめます。
| 用途 | メール添付 |
|---|---|
| 推奨サイズ | 一ファイルあたり数MB程度 |
| 対処法 | 画像圧縮と低解像度オプションを利用 |
| クラウド共有 | 十数MB程度までは許容されることが多い |
| 代替手段 | 大容量の場合は共有リンクの利用を検討 |
古いバージョンのWordで変換できない
古いWordではPDFとして保存する機能が搭載されていない場合がありそのままでは変換できません。
このときは無償のアドインや仮想PDFプリンターを導入するか別のパソコンにファイルを移動して変換します。
Office自体を最新版に更新できる環境であればアップグレードを機にPDF機能も含めて統一しておくと長期的に安定します。
業務で使うパソコンの環境を定期的に棚卸しし古いバージョンが残っていないか確認しておくとよいでしょう。
WordからPDFへ変換するときに意識したいポイントの整理
WordからPDFへ変換するときはどの手順を使うかだけでなく用途に応じた設定やレイアウトの事前準備が重要になります。
社内共有なら手軽さを重視し取引先提出や電子申請ではフォントやセキュリティ設定も含めて丁寧に調整しましょう。
オンラインサービスやスマホアプリは便利な一方で情報管理のルール作りが不可欠です。
この記事で整理したポイントを自分なりの運用フローに落とし込み安定したPDF変換環境を整えていきましょう。

