WindowsでLinuxの開発環境を整えたいときに便利なのがWSL2です。
WSL2をインストールすると仮想マシンを意識せずにLinuxコマンドやツールを使えるようになります。
ここではWSL2のインストール手順や動作要件からトラブル対処までを順番に整理して説明します。
WSL2をWindowsにインストールする手順7ステップ
まずはWSL2をWindowsにインストールする全体の流れを七つのステップに分けて把握します。
動作要件の確認
最初に使っているWindowsがWSL2に対応しているかどうかを確認します。
WSL2はWindows11かWindows10の比較的新しいバージョンであることが前提になります。
スタートメニューからwinverと入力してバージョン情報を表示し必要に応じてWindowsUpdateで更新します。
Windows11での簡単インストール
Windows11では基本的に一つのコマンドでWSL2をまとめて導入できます。
スタートボタンを右クリックしてWindowsTerminalまたはPowerShellを管理者として起動します。
wsl –install コマンドを実行すると必要な機能の有効化とLinuxディストリビューションのインストールまで自動で進みます。
処理が終わったら案内に従って再起動し次の初期設定に進みます。
Windows10でのインストール
Windows10でもバージョンが十分に新しければwsl –installコマンドでほぼ同じように導入できます。
wslコマンドが使えない場合はWindowsアップデートを適用してから再度試します。
それでも利用できない場合は後述する手動インストール手順で機能を個別に有効化します。
古いビルドでの手動インストール
Windows10のビルドが古い場合はWSL2を手動で設定する必要があります。
管理者権限のPowerShellでLinux用Windowsサブシステム機能と仮想マシンプラットフォーム機能を有効化します。
その後WSL2用のLinuxカーネル更新プログラムをインストールし再起動してからWSLのバージョンを二に切り替えます。
初回起動とユーザー設定
PCの再起動後に自動でLinuxディストリビューションが起動するかスタートメニューから手動で起動します。
初回起動時にはLinux側で使うユーザー名とパスワードの入力が求められます。
ここで設定した情報は今後sudoコマンドなどを使うときに必要になるため忘れないように保管します。
WSLバージョンとディストリビューションの確認
WSL2が正しく有効になっているかを確認するためにwsl -l -vコマンドを実行します。
一覧に表示されたディストリビューションのバージョン欄が二になっていればWSL2として動作しています。
一になっている場合はwsl –set-version ディストリビューション名 2で個別にWSL2へ切り替えます。
開発環境としての初期セットアップ
インストール直後のLinux環境は最小構成なので開発用途に合わせてパッケージを追加します。
まずパッケージ一覧を最新にするためにsudo apt updateとsudo apt upgradeを実行します。
その上でGitやエディタなど普段使うツールをインストールしディレクトリ構成やエイリアスを整えます。
WSL2インストール前に確認したい動作要件
次にWSL2をインストールする前に確認しておきたいOSやハードウェアの条件を整理します。
動作要件の概要
WSL2を利用するには64ビット版のWindowsと一定以上のリソースが必要です。
目安としては四ギガバイト以上のメモリと数ギガバイト以上の空きストレージを用意しておくと安心です。
複数のディストリビューションをインストールする場合はさらに余裕を持った容量を確保します。
対応Windowsバージョン
WSL2はWindows11に標準対応しておりWindows10ではバージョン一九〇三以降が対象です。
特にWindows10ではバージョン二〇〇四以降に更新しておくとwslコマンドが使いやすくなります。
バージョンが古い場合はWindowsUpdateやインストールメディアを利用してOSの更新を行います。
ハードウェア仮想化機能
WSL2は内部的に仮想化機能を利用するためCPUやファームウェア側での対応が必要です。
タスクマネージャーのパフォーマンスタブで仮想化が有効かどうかを確認します。
無効になっている場合はPC起動時のUEFI設定画面で仮想化関連の項目を有効にします。
- タスクマネージャーの仮想化表示
- UEFI設定画面の仮想化項目
- CPU仕様欄の仮想化対応表記
管理者権限の準備
WSL2のインストールや機能の有効化では管理者権限のPowerShellを使用します。
職場のPCなどで権限が制限されている場合は事前に管理者に相談しておく必要があります。
インストールファイルのダウンロードやLinuxパッケージ更新のためにインターネット接続も確認しておきます。
WSL2インストール後に行う初期設定の流れ
WSL2の導入が完了したら開発で使いやすいようにLinux側の基本設定を整えます。
初回ユーザー作成とロケール設定
初回起動時に作成したLinuxユーザーは今後の操作で頻繁に使用します。
必要に応じてホームディレクトリの構成を整えシェルの設定ファイルでエイリアスや環境変数を定義します。
日本語環境で利用する場合はロケールやタイムゾーン設定も確認しておきます。
パッケージ更新と不要パッケージ整理
Linuxディストリビューションをインストールした直後はパッケージが古いことがよくあります。
sudo apt updateとsudo apt upgradeで最新の状態にしてから運用を始めるとトラブルを減らせます。
使わないパッケージが多い場合はsudo apt autoremoveで不要なものを整理します。
開発ツール導入の例
WSL2を開発用途で利用する場合は用途に合わせて代表的なツールを導入します。
ここではよく使われるツールを目的別にまとめます。
| ツール名 | Git |
|---|---|
| 用途 | ソースコード管理 |
| 追加例 | ビルドツールやエディタ |
Windowsとのファイル連携設定
WSL2ではLinux側からもWindows側のファイルシステムにアクセスできます。
通常はmnt配下にCドライブなどがマウントされているため共有したいディレクトリを決めておきます。
プロジェクトによってはファイルシステムの性能を意識してLinux側にソースを置くかどうかを選びます。
WSL2で知っておきたい基本コマンド
WSL2を快適に使うためにはインストール後の管理や切り替えに使う基本コマンドを理解しておくと便利です。
ディストリビューション一覧表示
インストール済みのディストリビューションはwsl -l -vコマンドで一覧表示できます。
状態やバージョンを確認し不要になったディストリビューションを整理すると環境がすっきりします。
オンラインでインストール可能な一覧はwsl –list –onlineで確認できます。
既定ディストリビューション設定
複数のディストリビューションをインストールした場合はwsl –set-default ディストリビューション名で既定を切り替えます。
既定ディストリビューションはwslコマンド単体を実行したときに起動する対象になります。
頻繁に使う環境を既定にしておくと端末操作が少なく済みます。
バージョン切り替え操作
ディストリビューションごとのWSLバージョンはwsl –set-version ディストリビューション名 2などのコマンドで変更します。
古い環境からアップグレードする場合は変更に時間がかかることがあるため余裕のあるタイミングで実行します。
必要に応じてwsl –set-default-version 2で新規インストール時の既定バージョンを二に設定します。
シャットダウンと再起動
WSL環境を完全に停止したい場合はwsl –shutdownコマンドを使用します。
環境が不安定になったときや設定をやり直したいときに一度停止してから再度起動すると改善することがあります。
起動し直す際はスタートメニューのディストリビューションアイコンなどから通常どおり起動します。
WSL2インストール時に起こりやすいエラー対処
WSL2の導入ではOSバージョンや仮想化設定の影響でエラーが発生することがあります。
wslコマンドが見つからない場合
wslコマンドが認識されない場合はWindowsのバージョンが古いか機能が有効になっていない可能性があります。
設定アプリのアプリと機能やWindowsの機能の有効化または無効化からLinux用Windowsサブシステムが有効かを確認します。
有効になっていればPCを再起動しそれでもだめな場合はOSアップデートを検討します。
仮想化が無効な場合
WSL2でエラーコードが表示され仮想化機能が無効と出ることがあります。
この場合はタスクマネージャーの仮想化の状態を確認し無効の場合はUEFI設定画面から有効に切り替えます。
会社支給PCなどでUEFIの変更が制限されている場合は管理部門に相談する必要があります。
カーネル更新が必要な場合
WSL2のインストール中にLinuxカーネル更新プログラムの導入を促すメッセージが出ることがあります。
その場合は案内に従ってマイクロソフト公式サイトからWSL用カーネル更新パッケージをダウンロードして実行します。
インストール後に再起動してから再度wslコマンドを実行するとセットアップが進みます。
ディストリビューション起動に失敗する場合
ディストリビューション起動時にエラーコードが表示される場合はインストールが途中で失敗していることがあります。
一度該当ディストリビューションをアンインストールしてから再度wsl –installやwsl –install -d ディストリビューション名を実行します。
それでも解決しない場合はイベントログや公式ドキュメントのトラブルシューティングを参考にします。
WSL2インストールをスムーズに進めるための要点整理
WSL2をWindowsに導入する際はOSバージョンと仮想化機能の有無を最初に確認しておくとつまずきを減らせます。
Windows11や新しいWindows10であればwsl –installコマンドを使うことで手順を大幅に簡略化できます。
導入後はLinux側のパッケージ更新と開発ツールの導入を行いプロジェクトに合わせてファイル配置やコマンドの運用を整えます。
基本コマンドや代表的なエラーへの対処法を押さえておけばWSL2を長期的に安定して活用しやすくなります。

