リモート会議で「部屋が丸見えになるのは避けたい」「もう少し仕事らしい雰囲気にしたい」と感じたときに役立つのが、Teamsの背景設定です。
PCでもスマホでも、会議前と会議中のどちらのタイミングでも背景を変えられるので、使い方を一度整理しておくと安心してオンライン打ち合わせに臨めます。
ここではTeamsの背景を設定する基本ステップから、ビジネス向けの背景選びの考え方、オリジナル画像を使うコツ、トラブル時の対処法まで順番に解説します。
Teamsの背景を設定する5つの基本ステップ
このセクションでは、PCとスマホの両方でTeamsの背景を設定するための一連の流れを整理し、会議前と会議中のそれぞれでどのように操作すればよいかを具体的に説明します。
一度手順を覚えておくと、急な招集がかかったWeb会議でも数クリックで背景を整えられるようになります。
背景をぼかしたりオフに戻したりする操作もあわせて把握しておくことで、シーンに応じて柔軟に映り方をコントロールできます。
PCで会議前に背景を設定する
まずTeamsを起動し、左側のメニューからカレンダーを開いて参加予定の会議を選択し、参加ボタンを押します。
事前参加画面が表示されたらカメラをオンにし、「背景フィルター」または「エフェクトとアバター」といった背景関連のメニューをクリックします。
画面の横に背景の一覧が表示されるので、用意されている画像や背景のぼかしを選ぶと、自分の映り方をリアルタイムで確認できます。
プレビューに問題がなければ、そのまま今すぐ参加ボタンを押せば設定した背景で会議に参加できます。
PCで会議中に背景を変更する
すでに会議に参加している状態で背景を変えたいときは、画面の上部または下部にある三点リーダーの「その他」メニューをクリックします。
表示されたメニューから「背景の効果」や「背景効果を適用する」といった項目を選ぶと、右側に背景設定のパネルが開きます。
一覧から別の背景画像を選択すると、自分のウィンドウにプレビューが表示されるので、表情や明るさを確認しながら適用ボタンをクリックします。
会議の途中であっても、発言の合間などタイミングを見計らえば周囲に違和感を与えずに背景を変更できます。
スマホで会議前に背景を設定する
スマホ版のTeamsアプリでも、会議に参加する前の画面で背景を設定できます。
アプリを開いて参加したい会議をタップし、参加ボタンを押したらカメラをオンにして画面下部の「背景を変更」や「背景の効果」をタップします。
画面下部または側面に背景の候補が並ぶので、その中から好みの背景やぼかしを選ぶと、自分の映り方が小さなプレビューとして確認できます。
プレビューを見て違和感がなければ、そのまま参加ボタンを押せば設定した背景が有効な状態で会議に入室できます。
スマホで会議中に背景を変更する
スマホで会議中に背景を変えたい場合は、画面下のメニューから三点リーダーの「その他」をタップします。
メニューの中にある「背景の効果」や「背景を変更」などの項目を選ぶと、背景選択画面が表示されます。
あらかじめ追加しておいた画像や標準の背景を選択すると、すぐに自分の映像に反映されるので、状況に合わせて落ち着いた背景やカジュアルな背景に切り替えられます。
移動中に周囲の様子を隠したいときにも、この操作だけで素早く映り方を整えられます。
背景をぼかす・オフにする
部屋を見せたくないけれど背景画像までは用意していない場合は、背景のぼかし機能だけを使うと便利です。
背景設定の画面で「ぼかし」や「標準ブラー」といった項目を選ぶと、自分の輪郭を残したまま背後だけが柔らかくぼやけます。
一方で背景を元に戻したい場合は、「なし」や「オフ」といった項目を選択すると、背景効果を完全に無効化できます。
会議の種類ごとにぼかしと通常表示を切り替えることで、プライベートとビジネスのバランスを取りやすくなります。
ビジネス向けにふさわしい背景設定の考え方
このセクションでは、単に背景を変えるだけでなく、ビジネスの場で信頼感や安心感を与えやすい背景について考え方の軸を整理します。
相手からどう見えるかを意識して背景を選ぶことで、オンライン会議でも対面に近い印象づくりが可能になります。
避けたい背景の例も合わせて押さえておくと、不本意な印象を与えるリスクを減らせます。
背景設定で印象が変わる理由
オンライン会議では、画面に映る情報の大半が顔と背景で占められるため、背景設定が相手の第一印象に大きく影響します。
背景が散らかっていると、たとえ本人がきちんと話していても「忙しそう」「準備不足」といったイメージを持たれがちです。
逆に整理されたオフィス風の背景やシンプルな色面の背景は、落ち着いた印象や仕事への集中度を自然に伝えてくれます。
自分の職種や会議の目的に合わせて背景の雰囲気を選ぶことで、発言内容そのものも受け入れられやすくなります。
ビジネスシーンに合う背景の例
ビジネス目的の会議では、派手さよりも落ち着きと視認性を優先して背景を選ぶのが基本です。
顔や資料が見やすいことを第一に考え、ちらつきや光の反射が少ない背景を選ぶと集中して話を聞いてもらいやすくなります。
次のようなパターンを基準にしながら、自分の業種や社風に合わせて微調整していくとバランスを取りやすくなります。
- 無地または薄いグラデーションの壁風
- 落ち着いたオフィス風のバーチャル背景
- 本棚や観葉植物を控えめに配置した背景
- 企業カラーをさりげなく使った背景
- 明るすぎず暗すぎない中間トーンの背景
背景の種類別におすすめシーン
同じビジネス用途でも、社内の打ち合わせと初対面の商談では背景に求められる雰囲気が少し変わります。
背景の種類ごとに向いているシーンを整理しておくと、その場の目的に合わせて選びやすくなります。
よく使われる背景タイプとおすすめの使いどころを一覧にしたので、自分のケースと照らし合わせてみましょう。
| 背景タイプ | おすすめシーン |
|---|---|
| 無地に近い背景 | 初回商談や社外プレゼン |
| オフィス風背景 | 社内定例会議やプロジェクト進捗共有 |
| 本棚や観葉植物の背景 | 少人数のオンライン面談や雑談を含む打ち合わせ |
| 企業ロゴ入り背景 | ウェビナーや外部向けセミナー |
| ラフなカフェ風背景 | 社内カジュアルミーティングやアイデア出し |
避けた方がよい背景のパターン
背景の自由度が高い分、仕事の場には向かないデザインを選んでしまうと、知らないうちに信頼感を損ねてしまうことがあります。
一度決めた背景をそのまま使い続けていると、季節や相手によって不適切になる場合もあるので、ときどき見直すことが大切です。
次のような背景は、ビジネス利用ではできるだけ避けるか使う場面を限定した方が安心です。
- 文字やロゴが大きく主張しすぎる背景
- アニメキャラクターやゲームのスクリーンショット
- 過度に暗い色やコントラストが強すぎる背景
- 動きの多い動画風の背景
- プライベートな写真がそのまま使われている背景
オリジナル画像でTeamsの背景を設定するときの準備
このセクションでは、自分で用意した画像をTeamsの背景として使うときに押さえておきたいサイズや形式の目安、デザインのコツを整理します。
あらかじめ推奨の条件に沿って作っておくと、会議中に画像が粗く表示されたり、ロゴが切れてしまったりするトラブルを減らせます。
会社ロゴ入りの背景を作る場合も、見やすさと上品さのバランスを意識することで相手に好印象を与えやすくなります。
背景画像の推奨サイズと形式
Teamsの背景用画像は、一般的な横長の画面比率である十六対九を前提に作成すると、左右が切れにくく表示のバランスが取りやすくなります。
解像度はフルHDにあたる一九二〇×一〇八〇ピクセル程度を目安にしておくと、拡大されても粗さが目立ちにくくなります。
画像形式は汎用性の高いJPGやPNG、BMPなどが利用できるので、用途に合わせて扱いやすい形式を選びましょう。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 画像の縦横比 | 十六対九 |
| 推奨解像度 | 一九二〇×一〇八〇ピクセル前後 |
| 画像形式 | JPG/PNG/BMP |
| ファイルサイズ | 数メガバイト以内 |
| 色の傾向 | 中間トーン中心でコントラスト控えめ |
見やすいレイアウトにするコツ
背景画像を作るときは、会議中に自分の顔や共有ウィンドウがどこに表示されるかをイメージしながらレイアウトを決めることが重要です。
画面の中央付近は自分の顔と重なりやすいので、ロゴや重要な図形は端に寄せて配置した方が隠れにくくなります。
全体の色数を絞り、テキストを入れる場合も短いフレーズにとどめると、相手が話の内容に集中しやすくなります。
- ロゴは画面の隅に小さめに配置
- 文字は短いフレーズに限定
- 色数は二〜三色に抑える
- 背景と文字色のコントラストを確保
- 中央付近には重要要素を置かない
会社ロゴやブランド画像を背景に使うときの注意点
会社ロゴ入りの背景は、オンライン商談やウェビナーで所属やブランドをアピールするのに有効な手段です。
一方でロゴが大きすぎたり、キャンペーン色が強すぎたりすると広告感が前面に出てしまい、話の内容よりも背景が目立ってしまうおそれがあります。
ロゴは画面の一角に控えめに配置し、色味も企業カラーをさりげなく感じられる程度に抑えると、自然な印象を保ちやすくなります。
社内規程やブランドガイドラインがある場合は、背景画像を配布する前に担当部署に確認しておくと安心です。
画像をTeamsに追加して背景として保存する
オリジナルの背景画像は、一度Teamsに追加しておけば次回以降も簡単に呼び出して使うことができます。
背景設定の画面を開いたら、画像一覧の近くにある「新規追加」やプラスアイコンをクリックし、作成した画像ファイルを選択します。
アップロードが完了すると、背景一覧の中に自分の画像が追加されるので、ほかの標準背景と同じように選択して適用できます。
複数のパターンを登録しておくと、商談向け、社内向け、カジュアルな場などシーンに応じてすぐに背景を切り替えられます。
Teamsで背景設定がうまくいかないときの対処法
このセクションでは、背景設定のメニューが見つからない、背景が意図したとおりに表示されない、といったトラブルが起きたときの考え方と対処の手順を整理します。
落ち着いて原因の候補を一つずつ潰していくことで、多くのケースは自分で状況を改善できます。
よくある症状と主な原因のパターンもまとめるので、困ったときの早見表として活用してください。
背景設定のメニューが表示されないとき
会議画面や事前参加画面に「背景の効果」や「エフェクトとアバター」が見当たらない場合、いくつかの原因が考えられます。
まずはTeamsアプリを最新バージョンにアップデートしているか、ブラウザ版ではなくデスクトップアプリを使っているかを確認します。
古いデバイスやグラフィック性能が低い端末では、一部の背景機能が制限される場合もあるため、別の端末で同じアカウントを試してみるのも有効です。
- Teamsアプリのバージョン確認
- デスクトップアプリかどうかの確認
- 端末のOSとグラフィック性能の確認
- 管理者側のポリシー設定の確認
- 一度サインアウトして再ログイン
背景が反転して見えるとき
自分の画面では文字が左右反転していても、相手の画面では正しい向きで表示されていることが多くあります。
これはビデオ会議ツールの仕様として、自分の映像を鏡越しのように見せることで身だしなみを整えやすくしているためです。
ロゴや資料が本当に反転して届いていないか不安な場合は、信頼できる相手に画面キャプチャを送ってもらうなどして実際の見え方を確認しましょう。
どうしても気になるときは、文字の入っていない背景に切り替えるのも一つの選択肢です。
動作が重い・カクつくとき
背景効果を有効にすると、端末側で映像処理の負荷が高くなるため、スペックや回線状況によってはカクつきが目立つことがあります。
画面共有や多人数会議と組み合わせると負荷がさらに増えるので、会議の内容によっては背景効果を控えめにする判断も必要です。
動作が不安定だと感じた場合は、ぼかし効果だけにする、背景をオフにする、他のアプリを終了するなど負荷を下げる工夫を試してみてください。
- 背景のぼかしだけを使う
- 動きの少ないシンプルな背景を選ぶ
- 不要なアプリケーションを終了する
- 有線接続や安定したWi-Fiに切り替える
- 必要に応じて端末の再起動を行う
トラブル内容と主な原因の早見表
よくある症状と主な原因、最初に確認したいポイントを一覧にしておくと、トラブル発生時の切り分けがスムーズになります。
細かなケースはさまざまですが、多くの問題はアプリのバージョンや端末性能、ポリシー設定のいずれかに起因しています。
まずは表に沿って大まかな方向性を確認し、そのうえで必要に応じてシステム担当者やTeamsの管理者に相談しましょう。
| 症状 | 主な原因・確認ポイント |
|---|---|
| 背景メニューが出ない | アプリのバージョンと利用端末の仕様 |
| オリジナル画像が選べない | 画像形式やファイルサイズの制限 |
| 映像がカクつく | 端末性能やネットワーク帯域の不足 |
| 背景が意図と違う明るさになる | 部屋の照明とカメラの自動補正 |
| 一部のユーザーだけ背景が使えない | 管理ポリシーやライセンスの違い |
Teamsの背景設定を押さえてオンライン会議を快適にする
Teamsの背景設定は、プライバシーを守りながら仕事に集中できる環境をつくるための重要な機能です。
PCとスマホの両方で会議前と会議中に背景を切り替える方法を覚えておくことで、どんな状況でも落ち着いてオンライン会議に参加できます。
ビジネスにふさわしい背景の選び方やオリジナル画像の作り方、トラブル時の基本的な対処法まで押さえておけば、映り方に悩む時間を減らして本来の議論に集中しやすくなります。
自分の働き方や社風に合った背景をいくつか用意しておき、シーンに応じて柔軟に使い分けることで、オンラインでも印象のよいコミュニケーションを積み重ねていきましょう。

