SharePointのライブラリをエクスプローラーで開きたいのに、ボタンが見つからなかったり動かなかったりして戸惑う人は少なくありません。
とくに古い「エクスプローラーで開く」機能と、現在推奨されるOneDrive同期やショートカット機能の違いが分かりにくいのが悩みの種です。
この記事ではSharePointのライブラリをエクスプローラーから安全かつ安定して扱うための考え方と手順を、順番に整理して解説します。
社内環境のルール作りやトラブル時の切り分けにも役立つ内容なので、運用担当者はもちろん一般ユーザーも一緒に確認しておきましょう。
SharePointのライブラリをエクスプローラーで開く手順と安全な運用ガイド
このセクションではSharePointのライブラリをエクスプローラーで開くための全体像と、利用できる方式の選び方を整理します。
SharePointとエクスプローラー連携の基本
SharePointはブラウザーだけでなくエクスプローラーと連携させることで、ローカルフォルダーのような感覚でファイルを扱えるようになります。
代表的な方法はOneDriveでライブラリを同期する方法と、OneDriveショートカットを追加してエクスプローラーに表示する方法です。
かつて利用されていた古い「エクスプローラーで開く」ボタンやネットワークドライブのマッピングは、現在では非推奨または制限付きの扱いになっています。
まずは自分の環境でどの方式がサポートされているかを確認し、基本方針を決めるところから始めるとトラブルを減らせます。
古い「エクスプローラーで開く」機能の現在の位置付け
SharePointのリボンにある「エクスプローラーで開く」ボタンは、Internet ExplorerとActiveXに依存した古い機能です。
Microsoft 365ではInternet Explorerのサポート終了に伴い、この機能は事実上利用できないか、EdgeのIEモードなど限定的な環境でしか動作しなくなりました。
さらに将来のサポート終了リスクも高いため、新しい環境を構築するときにこの機能を前提とするのはおすすめできません。
現在はOneDrive同期やショートカット機能を使ったエクスプローラー連携が正式な代替手段として案内されています。
OneDrive同期によるエクスプローラー連携の考え方
OneDrive同期はSharePointやTeamsのライブラリをPC上のフォルダーに同期して、オフラインでもファイル操作ができる方式です。
ブラウザーのライブラリ画面で「同期」ボタンを押すと、OneDriveアプリが起動して対象ライブラリとの同期設定が作成されます。
同期後はエクスプローラーのナビゲーションに組織名やサイト名のフォルダーが表示され、通常のフォルダーと同じようにドラッグアンドドロップで操作できます。
同期する容量やライブラリの数が増えるとPC側のディスクやネットワークに負荷がかかるため、対象ライブラリを絞る設計も重要です。
ショートカット連携と同期の違い
最近のSharePointではライブラリやフォルダーに対して「ショートカットの追加」機能を使えるようになっています。
この機能を使うと、選択したフォルダーへのリンクがOneDrive側に追加され、結果としてエクスプローラーからもそのフォルダーにアクセスできるようになります。
ライブラリ全体をPCに同期するのではなく、実体はクラウド側に置いたまま必要な場所への入口だけを確保するイメージです。
大量のデータを持つライブラリでも、よく使うフォルダーだけを軽量に扱いたいときにショートカット方式は有効です。
エクスプローラー連携を使う代表的なシーン
SharePointをエクスプローラーから開くメリットは、日常的なファイル操作をデスクトップアプリと組み合わせてスムーズに行える点にあります。
たとえば大量のファイルをまとめてコピーしたり、画像や動画など大きなサイズのデータをドラッグアンドドロップで整理したいときに便利です。
Windowsのクイックアクセスやデスクトップショートカットと組み合わせれば、頻繁に開くプロジェクトフォルダーにも素早くたどり着けます。
一方でアクセス権やバージョン管理の考え方はクラウド側のSharePointが基準になるため、権限設計やフォルダー構成は管理者とよく相談して決める必要があります。
OneDrive同期でSharePointライブラリをエクスプローラーに表示する具体的な手順
ここではもっとも標準的な方法であるOneDrive同期を使って、SharePointライブラリをエクスプローラーで開く手順とポイントを確認します。
同期前に確認しておく環境条件
OneDrive同期を始める前に、利用しているPCやアカウントの条件を確認しておくとスムーズです。
- Windows 10またはWindows 11を利用していること
- 最新バージョンのOneDriveデスクトップアプリがインストールされていること
- Microsoft 365の職場アカウントでOneDriveにサインインしていること
- 対象のSharePointサイトとライブラリへのアクセス権が付与されていること
- 会社のセキュリティポリシーで同期が禁止されていないこと
これらの条件を満たしていないと、同期ボタンを押してもエラーが出たりライブラリが表示されない原因になります。
ブラウザーから同期ボタンを押すまでの流れ
まずブラウザーでSharePointサイトを開き、エクスプローラーで扱いたいドキュメントライブラリを表示します。
ライブラリ画面の上部にあるメニューから「同期」アイコンを探し、クリックします。
初回は「このサイトはOneDriveを開こうとしています」といった確認ダイアログが表示されるので、案内に従って許可を与えます。
OneDriveアプリが起動したら、組織アカウントで正しくサインインしているか確認し、案内どおりに進めると同期設定が完了します。
処理が終わるまで数分かかることもあるため、同期中のメッセージが消えるまではPCを極端に負荷の高い作業に使わないようにすると安全です。
同期後にエクスプローラーで確認する場所
同期が完了するとエクスプローラーのナビゲーションに、会社名や組織名が付いたフォルダーが新しく表示されます。
その配下にSharePointサイト名やTeamsチーム名に対応するフォルダーが並び、さらにその中に同期対象のライブラリ名のフォルダーが作成されます。
このフォルダーを開くと、ブラウザーで見ていたのと同じ階層構造でファイルが表示され、WordやExcelなどのデスクトップアプリから直接編集できます。
青いクラウドアイコンはオンラインのみのファイル、緑のチェックアイコンはローカルにキャッシュ済みのファイルを表すため、容量管理の目安としても役立ちます。
同期に失敗したときの原因と対処の早見表
同期がうまく動作しない場合は、症状ごとに原因を切り分けると解決しやすくなります。
| 症状 | 同期ボタンを押してもOneDriveが起動しない |
|---|---|
| 想定原因 | ブラウザーのポップアップ制御やOneDriveアプリのインストール不備 |
| 対処の例 | OneDriveの再インストールと既定のアプリ設定の確認 |
| 別の症状 | エクスプローラーにライブラリが表示されない |
| 別の原因 | サインインしているアカウントの違いまたは同期対象フォルダーの誤認 |
| 別の対処 | OneDriveのアカウントとサイトURLの整合性を確認して同期をやり直す |
どのケースでもまずはOneDriveアプリのステータスアイコンを確認し、エラー表示や警告メッセージがないかをチェックすることが出発点になります。
ショートカット機能でSharePointフォルダーをエクスプローラーに表示する方法
このセクションでは、ライブラリ全体を同期せずに必要なフォルダーだけをエクスプローラーから開きたい場合に便利なショートカット機能を紹介します。
ショートカット追加機能の仕組み
ショートカット機能はSharePoint側のフォルダーへのリンクをOneDriveに登録し、その結果エクスプローラーに表示させる仕組みです。
実体ファイルはあくまでSharePoint側のライブラリに保存されたままで、OneDriveは入口役として動作します。
そのため同期方式と比べてPCのディスク使用量を抑えやすく、頻繁にアクセスする特定のフォルダーだけを手早く開きたいときに向いています。
一方でオフライン環境ではアクセスできない点や、リンク元のフォルダー構成変更の影響を受けやすい点には注意が必要です。
SharePoint側でショートカットを追加する手順
まずブラウザーでSharePointサイトを開き、エクスプローラーから開きたいフォルダーを表示します。
フォルダーを開いた状態で、ページ上部のメニューから「ショートカットの追加」または類似のラベルのボタンをクリックします。
確認ダイアログが表示されたら、案内に従ってショートカットの作成を完了させます。
- ボタンの名称や位置はテナント設定やUIの更新で変わることがある
- アクセス権のないフォルダーにはショートカットを作成できない
- 一部のブラウザー拡張や広告ブロックが動作を妨げる場合がある
処理が成功すると、OneDrive側の一覧に新しいショートカットが追加され、エクスプローラーにも順次反映されます。
エクスプローラー上での表示と使い分け
ショートカットが作成されると、エクスプローラーのOneDrive配下にSharePointサイト名やフォルダー名を含んだ項目として表示されます。
見た目は通常のフォルダーと似ていますが、実際にはSharePoint側のパスへリダイレクトするリンクである点が特徴です。
同期したライブラリとショートカットを混在させると分かりにくくなるため、アイコンやパスを見てどちらの方式なのかを意識しておくと混乱を避けられます。
| 表示場所 | OneDrive配下のリンクフォルダー |
|---|---|
| 実体の保存先 | SharePointライブラリ |
| オフライン利用 | 基本的に不可 |
| 向いている用途 | 特定プロジェクトや頻繁に使う階層への入口作成 |
この違いを理解しておくと、同期方式のライブラリとショートカット方式のフォルダーを目的に応じて使い分けやすくなります。
ショートカット方式を選ぶときのメリットと注意点
ショートカット方式の最大のメリットは、PCの容量をほとんど消費せずにSharePoint上の深い階層へ素早くアクセスできる点です。
部署ごとに大量のドキュメントを持つサイトでも、担当プロジェクトのフォルダーだけをショートカット化しておけば日常業務が効率化されます。
一方でリンク元のフォルダー名変更や権限変更の影響を受けやすいため、運用ルールが頻繁に変わる環境ではリンク切れが起こりやすくなります。
組織全体の設計として、長期的に安定させたい基盤フォルダーは同期方式にしておき、短期プロジェクトや個人のよく使う階層にはショートカットを使うとバランスが良くなります。
古い「エクスプローラーで開く」とネットワークドライブ方式の注意点
ここではクラシックな「エクスプローラーで開く」ボタンやネットワークドライブマップなど、過去によく使われた方式の注意点を整理します。
クラシック機能「エクスプローラーで開く」の前提
「エクスプローラーで開く」はSharePointの古いユーザーインターフェースに存在するボタンで、WindowsのWebDAV機能とActiveXコントロールに依存していました。
この仕組みはInternet Explorerでのみ正式サポートされており、他のブラウザーではグレーアウトしたりボタン自体が表示されないのが一般的です。
現在はInternet Explorerのサポート終了により、たとえボタンが見えても将来動作が保証されないリスクが高くなっています。
- IE専用の旧技術に依存している
- セキュリティパッチの提供が終了している
- 新しいWindowsバージョンとの互換性が不安定
このような理由から、新規の運用設計ではこの機能に依存しない方針を取るのが安全です。
EdgeのIEモードで使った場合に起こりやすいトラブル
一部の環境ではEdgeのIEモードを使って、旧「エクスプローラーで開く」機能を延命的に利用しているケースもあります。
しかしブラウザー自体の仕組みが複雑になるため、認証情報の引き継ぎやCookie管理がうまくいかず、ネットワークドライブの認証が失敗することがあります。
また将来的なブラウザー側の更新で挙動が変わる可能性も高く、長期運用には向きません。
| 典型的な症状 | 「ユーザーが認証されていないため要求された操作は実行されませんでした」と表示される |
|---|---|
| 背景要因 | ブラウザーとWebDAV間で認証情報が正しく渡っていない |
| 暫定対応 | IEモードの設定見直しやEdgeからの再サインイン |
| 長期的な対応 | OneDrive同期やショートカット方式への移行検討 |
トラブル対応に時間をかけるよりも、サポートされている新しい方式に切り替えたほうが結果的に工数削減につながるケースが多くなります。
ネットワークドライブマップの仕組み
ネットワークドライブマップはSharePointのライブラリURLをWebDAV経由でWindowsのドライブ文字に割り当てる方法です。
エクスプローラー上では通常のネットワークドライブのように表示され、アプリケーションからもローカルドライブと同じように参照できます。
しかし認証の仕組みが複雑で、ドメイン参加状況やプロキシ設定、ブラウザーのセキュリティゾーンなど多くの要素に依存します。
一度つながっても再起動後に接続できなくなるなど、安定性に課題が出やすい点も理解しておく必要があります。
これらの方式を新規採用しないほうが良い理由
旧「エクスプローラーで開く」やネットワークドライブマップは、一見便利に見えても長期的にはメンテナンスコストが高くつきがちです。
ブラウザーやWindowsの更新で挙動が変わるたびに検証と設定変更が必要になり、運用担当者の負担が増えます。
またユーザーごとに動いたり動かなかったりする状態はサポートの難易度を上げ、結果として現場の混乱につながります。
- サポート終了が明示されている機能への依存
- 複数の設定項目に依存するため原因特定が困難
- セキュリティポリシーの変更に弱い構成
こうしたリスクを踏まえると、新しい環境ではOneDrive同期とショートカット機能を標準とし、旧方式は段階的に廃止する方針が現実的です。
エクスプローラー連携を安全に運用するための設定とルール
このセクションではSharePointとエクスプローラー連携を実運用で使う際に、トラブルを防ぎやすくする設定やルール作りのポイントをまとめます。
PCごとに整えておきたい基本設定
まずはユーザーPC側の環境をそろえることで、連携トラブルの多くを事前に防ぐことができます。
同じ組織内でWindowsのバージョンやOneDriveの更新レベルに大きなばらつきがあると、再現性のない不具合が発生しやすくなります。
- Windows Updateを定期的に適用する運用
- OneDriveアプリを自動更新するポリシー
- 業務用と個人用アカウントを混在させないルール
- ストレージ容量の下限を決めたPC配布基準
このような前提条件を揃えておくことで、SharePoint側の設定変更が全社に反映されやすくなります。
チームで決めておくフォルダー構成
エクスプローラーからSharePointを使うと、ユーザーはローカルフォルダー感覚でどこにでもファイルを保存できるように感じてしまいます。
その結果として、権限範囲外の場所に誤って保存したり、チームごとのルールと異なる位置にファイルを置いてしまうトラブルが起こりがちです。
あらかじめフォルダー構成と用途を文書化し、どの階層にどの種類のファイルを置くのかを共有しておくと迷いが減ります。
| 用途 | チーム全体で共有する資料 |
|---|---|
| 推奨フォルダー | サイト直下の「共有ドキュメント」配下 |
| 別の用途 | プロジェクトごとの作業中データ |
| 別のフォルダー | プロジェクト名ごとのサブフォルダー |
| 個人用途 | 個人メモや下書き |
| 推奨保存先 | 個人のOneDrive領域 |
こうしたガイドラインを共有しておくと、エクスプローラーから操作しても「どこに置けばよいか」が一目で分かるようになります。
ファイルロックや競合を避ける操作のコツ
SharePointとエクスプローラー連携では複数ユーザーが同じファイルを扱うため、ロックや競合が発生することがあります。
特に大きなファイルやデザインデータをローカルにコピーしたまま長時間編集すると、他のメンバーが更新できず業務が止まる可能性があります。
エクスプローラー上でファイルを開く前に、共同編集が可能な形式かどうかや、誰かが既に編集していないかを意識してから操作すると安全です。
長時間の編集が必要なときは、開始と終了をチームチャットで共有するなど、コミュニケーション面での工夫も効果的です。
トラブルが出たときの切り分け手順
エクスプローラー連携で問題が起きたときは、原因がどこにあるかを段階的に切り分けることが重要です。
いきなり設定を大きく変えるのではなく、環境や操作を一つずつ確認していくと再発防止につながります。
- ブラウザーからSharePointに正常アクセスできるか確認
- OneDriveアプリの状態アイコンとエラーメッセージを確認
- 別のユーザーや別PCで同じライブラリが再現するか確認
- 最近のWindows更新やポリシー変更の有無を確認
この切り分け結果をもとに、必要に応じて管理者やベンダーに情報提供すれば、原因追及のスピードも上げやすくなります。
SharePointをエクスプローラーから扱う際の押さえどころ
SharePointのライブラリをエクスプローラーで開くには、古い「エクスプローラーで開く」機能ではなく、OneDrive同期やショートカット機能を前提に考えるのが現代的な設計です。
同期方式はオフライン利用や重い作業に強く、ショートカット方式は軽量で入口を増やしやすいという特徴があり、用途に応じた使い分けが重要になります。
旧来のネットワークドライブマップやIE依存の機能に頼り続けると、将来の更新で突然動かなくなるリスクが高まるため、段階的な移行計画も欠かせません。
エクスプローラー連携の前提条件とチームでのフォルダー構成ルールを整え、トラブル時の切り分け手順も共有しておけば、日々の業務でSharePointを安心して活用できます。

